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第59話*チームでのエンバーミング*

【十夜、お前の所の棺桶屋にエンバーマー棺作らせろ】 【境さんだ】 【どうでもいい二日で作れ】 【何を言う!無茶すぎる】 【うるせー。広めたいなら根性見せろ】 【徹夜続きになってしまうぞ】 【山切先生のお母さんが亡くなった】 【何・・】  そこでブツッと通話が切れた。十夜がスマホをタップする。 【・・あ、泉守か】 【ああサリー。あのさあ、無茶ぶりで用意して欲しいものがあるんだけどさー】  その頃ツクモは山岸と連絡を取り合っていた。 おばあさんは二日後に帰ってきた。そのまま処置室に入る。 「あ、悪いひつじ。今回お前出番無いの誰も連絡してねえわ」 「え、ええー。ひどいですう」 「そのかわりサリーが入るから手伝ってやってくれ」 「ツ、ツクモさん」 「アオイくん。すぐに行くから自宅で待ってて?」 「これ・・」  アオイはまだ赤い目でハンカチに包まれた指輪を差し出した。 サリーがのぞき込む。 「あら綺麗。トパーズかしら?」 「これ、おじいちゃんがお金を貯めておばあちゃんにプレゼントしたんです」  ツクモは優しくハンカチごと受け取り、 「確かに、お預かりしました。安心してね」 処置室のドアが重く閉まる。

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