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第63話*花嫁の指輪*(ややR)
リングが帰ってきたという事は・・。
「ツクモさん。手を貸して」
「え?」
アオイがツクモの手を掴む。
「アオイくん?」
アオイが持っているのは、あのおばあちゃんのトパーズの指輪。
それをツクモの左手薬指にはめる。もちろん女性モノなのでツクモの指の第一関節を通るのがやっとだ。
「アオイくん。これ、おばあちゃんの・・」
「これ。おばあちゃんからもらった時に言われたんです。大事な人にあげなさいって。
おじいちゃんと結婚したように、一生一緒にいたい人にあげなさいって」
「え・・」
「だからツクモさん。俺と結婚してください」
ツクモがはめているトパーズの指を包みながらアオイは言った。
「ぷぷぷ。ぷふーっ」
ツクモが吹き出す。
「な、何がおかしいんですかっ」
アオイの口調が荒くなる。
「んー。先こされちゃったと思ってさー。俺がアオイくんのお嫁さんになるより、アオイくんが俺のお嫁さんになって欲しいなー。絶対幸せにするし」
「違いますよ。二人で幸せになるんです」
アオイの髪に指を通しながら、
「俺、幸せ者だなあ」
何かが吹っ切れたような顔でツクモが呟く。
「あと・・あの・・」
「ん?何」
アオイがすごく言いづらそうだ。
「ツクモさん。いつも俺の体気づかってくれるでしょう・・」
『は?』
「だから本来のツクモさんに会ってみたい・・です。今日は泊まるって言ってきました」
「え?あの・・アオイくん・・」
「ちゃんと抱きしめられたいです」
ツクモはアオイの言葉に少し動揺していた。
「泣いたりしても絶対やめないで」
アオイはツクモに抱きつき頬にキスをする。
「本当に・・?」
「本当に本当のツクモさんに会いたい」
「あっ・・ツ・・クモ・さあ・・んんっ・・うごいちゃあ・・」
「んっ・・ああっ・・やだっ・・おくっ!あっあっああああっー」
それは歓喜の美声か、苦痛の叫びか・・
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