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第64話*二人の朝*
『・・ん・・まぶし・・あ、ツクモさんの部屋だ』
アオイがうっすらとした意識の中少し目を開けると横にツクモが眠っていた。
「寝顔のツクモさん初めて見たかも。まつ毛長い・・」
アオイの気配にツクモが気づいた。ツクモが優しくキスをする。
「おはようアオイくん。ごめんね体辛くない?」
「おはようございます、ツクモさん。嬉しかった全身で俺を受け入れてくれた。幸せです、俺のお嫁さん」
ツクモが嬉しそうに笑う。
「ツクモさん。俺、医大受けます。それで父さんみたいな医者になって、ツクモさんや他の皆さんみたいにサポートできるような存在になりたい。そしてツクモさんと同じ朝を迎えたい。一緒に。毎日」
アオイが笑顔でいう。ツクモも笑顔で答える。とても幸せそうな笑顔だった。
「泉守先生こんにちは」
「あら、アオイくん病院にくるなんて珍しいわね」
「忙しいのにすみません。報告だけでも思って」
「報告?何かしら」
「俺、医大受験しようと思って」
「医大?」
「何かツクモさんの役にたてるかなって」
「は?ツクモのため?」
「あ、もちろん父の医院の事もあります。でももう一人医者がいたら少しは何かの役に立てるかなって思って」
『確かに山切先生の息子さんだから医大に行くのはいいかもしれない。でもアオイくん先にツクモの事言ったわよね?』
「だから今ツクモさんに補習してもらっているんです」
「は?ツクモと補習?」
『捕食じゃなくて?』
「頑張りますから泉守先生も応援してください」
「そうね。応援するわ。まず、補習は私が見ます」
「え?」
「どうしたの?現役の医師が見るのよ、何か困るかしら?」
「いえ、そんなことは・・」
アオイが目をそらして同意する。
「・・まさか・・ツクモの奴・・」
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