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「見せて」 こくんと頷いた聖は左右いっぱいに腕を広げ、胸を突き出す。 「セクシーだね」 その言葉に聖は一瞬目を開いたけど、また強く閉じた。 改めてみると聖にしては本当に際どい衣装だ。♡型でくり抜かれたところからは透明な汗をかいており、谷間がバケツ替わりになっている。スカートは本当に短く、テントになったところから毛深い肌が見えていた。さっきの一連で感じてしまったんだろうか?余分な肉はそんなにないものの、サイハイがきついのか布地に肉が乗っかっている姿も大変そそる。 (美味そう) いやいやいけないいけない。ふと顔を見せた吸血鬼としての本能を理性で押し殺す。 顔を背けている聖の名前を呼べば、直ぐに顔が上がる。信用であるはずのそれは弱点になることをまだ彼は知らなかった。 「これ……」 「ん?」 「……メイド喫茶の時に、余った……やつなんだ」 彼が話すには、聖のクラスは男女逆転メイド喫茶だったらしい。聖は厨房担当だったが欠員が出てメイドをすることになったそうだ。 「クラスメイトの誰かが間違えて男性用の悪魔メイドを発注したよう、なんだ……」 「それで?なんで聖がそれを着たの?」 間違えて発注なんて嘘に決まっている。その場のノリや悪戯するためにカートに入れた脳数値の低い馬鹿人間がいたんだろう。 聖のことだ。根っからのお人好しという思いやりの心で誰かから譲り受けたのかもしれない。 「……っ、きょ、京介に……」 「ん?オレに?」 繰り返すと聖はまたもオレからの視線から退き、自分の胸元に焦点を当てた。 「?なにしてーー」 スポブラの下部を両手で少し上げると、下乳が露わになる。ムニッと摘めそうなほどの弾力のある胸が。布の擦れる音が耳から入ってくる度、心臓が高鳴り、生唾を飲み込んだ。一度そこで止まっていたが、勢いよくブラを脱ぎ、床に投げ捨てた。目の前に現れたのはふっくらと肉のついた大胸筋と、両胸の真ん中にある乳輪の大きな乳首。綺麗な薄ピンク色で、中心は隠れていた。 しかも、シャツ跡が残っていて肩にはくっきりと白っぽさが残っている。 ごくん。 「〜〜っ、ど、どうだ……??」 「凄く、エッ…チだよ。聖……っ」 言葉を発する口から共に、鼻からも熱い息が溢れてきてしまう。 オレと聖は恋人だが幼馴染。そして種も違う。種が違えば欲求に対する大きさもかなりちがーー 「そ、そうか。嬉しい……良かった……」 聖の太い眉と目尻が下がり、口元は間抜けに緩んでいる。 ぶつり。その音に対する耐性はまだ付けていなかったのようで、聖ににじり寄ると彼の背は棚に当たった。 「聖ッ。オレ、お前に触れたい……」 穢れを知らぬ瞳が上を向き、ひとならざるを視界に入れる。オレがあと数パーセントでも力を出せば、人の子一人くらい犯すなんて安いもんだった。 【お前を食いたい。吸血したい。泣かせたい、喘がせたい、淫らな淫魔になったことを後悔させたい】 ごめん。聖。オレはまだ所詮、十六年しか生きていない吸血鬼のようだ。 残った僅かな理性が伸びる腕を頑なに制御する。触れてはならぬと。決して触れてはならぬと。 (聖には優しく甘く抱かせてあげると決めたんだ。オレがそれを守らなくてどうする) 「ごめ、っ……聖………」 「……いぞ」 「………え?」 聖の海よりも深い青色の瞳がオレを射抜く。 「きょうちゃん…になら、僕は、食べてもらっても……いい、から……っ。お兄ちゃん、頑張る、から……っ!!」 胸に当てている拳は微かに震えている。平均な人間としては大柄な幼馴染が年上という立場でたたかっている。 オレが恋人だからか、吸血鬼かもしくは年下だからだろうか?きっとどれもいえるだろう。 けれど、聖の優しさに胸がキュンキュンといる自分がいた。 (聖にしか眼中にないな) 「聖、ありがとう」 指先で目尻から漏れた涙を拭う。指先についた体液を舐めて味わう。口の中でだんだんと甘さが濃くなっていく。うん、美味しい。目を開けると聖はその場で固まっていた。 「優しくするから。触らせて?」

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