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【用語集】 遊郭・吉原・花魁・太夫について色々 4
【女衒(ぜげん)】
遊女のスカウトマンのこと。お金に困っている家庭や借金に追われている年頃の女の子を見つけてきては廓に売りつけており、金を稼いでいる仲介業者である。
【二階番(にかいばん)】
遊女の床が大体二階にあったことからそう呼ばれている。二階を巡回し、様々な雑用をこなす。時には遊女と客の揉め事の仲裁をするのも二階番の役目であった。
【下男・下女(げなん・げじょ)】
下働きをしている人のこと。廓では主に男性は力仕事や警備員のような役目をしていた。女性は炊事・洗濯・掃除など家事全般を賄っていた。この他にも廓には禿など雑用を賄う人足がたくさんいた。
【化粧師(けわいし)】
その名の通り、役者や芸妓・遊女に化粧をする人。
【水揚げ(みずあげ)】
遊女が初めて床にて客と接することである。遊女として仕事をスタートするための通過儀礼であった。水揚げを担当するのは通人の中でも経済力がある者から選ばれた。廓側から依頼する場合もあったが、廓の承認が得られれば自薦でも大丈夫であった。「つきだし」とも呼ばれている。
【通人(つうじん)】
その道に長けている人。廓においては遊び慣れている人、上客といった立ち位置に近い。
【登楼(とうろう)】
廓に遊びに出向くこと。
【初会(しょかい)】
見世女郎ではない遊女を座敷にあげるには茶屋を通さなければならなかった。初会には杯を交わす儀式をするだけで、言葉も交わさずに終わる。二回目は裏を返すといい、三回目にやっと馴染みの客となる。
【茶屋(ちゃや)】
茶屋といえば、一般的に街道などにある休憩所といったところだが、本文で使われる茶屋は「引手茶屋」のことである。この茶屋が生まれる前は「揚屋」という制度が取られていた。ある一定の位以上の遊女を座敷にあげるためにはまず茶屋を通さなければならなかった。茶屋では芸妓などを招いて酒を飲んだりして、多くのお金を落とす必要があった。太夫などをあげる場合はここでのお金の使い方が重要であった。そこへ廓から指名の遊女が迎えに来てようやく廓に行くことが許されたのだった。
【身請け(みうけ)】
身請け金を払い遊女を廓から連れ帰る事。見世女郎でも二百両以上の身請け金が必要であった。基本的に見受け先は先着順であったが、廓の楼主が遊女の心情も考え、馴染みの客に便宜を図ることもあったようだ。大阪新町の儀礼では身請けをする場合、廓の女将に金を渡し、さらに廓を管理している(やくざ)の親分に了承を得て、次ぎに女将は宿老殿で遊女の契約書の判子を消す。そして、廓町を月交代で管理をする月行事の元へ行き、大門をくぐるための札(通行証)を手に入れた。それらが揃ってようやく、遊女は廓町から出る事ができたのであった。
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