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【用語集】 遊郭・吉原・花魁・太夫について色々 5

【年季奉公(ねんきぼうこう)】  一定期間、雇用主との契約の元で働く事。多くの者は住み込みで食料や日用品は支給されていたが、給与は支給されることは少なかった。遊女の年季奉公は雇い主への借金が絡むことが多かった。なので、病気をすればその薬代を、また自分の着物、花魁になれば新造の衣装など座敷の維持費が多くかかり、ことあるごとに借金が嵩んでゆき、どんどん奉公する年数が増えていくばかりで、なかなか年季が明けない者も多くいた。 【年季明け(ねんきあけ)】  年季奉公が終わること。遊女では借金を返し終わる事や、身請け金を払ってもらい、身請けされることをさした。大抵、身請けされずに、奉公した者は二十代後半には年季が明けた。十四・十五歳で水揚げされてから十年以上も働き続けなければいけなかった。途中で病にかかって床に伏す者が多かった。 【大門(おおもん)】  吉原は高い塀で囲われ、四方に堤があったとされている。人が出入りするのは大門に限られていた。大門には警備の者が配置され出入りを厳しく監視していた。足抜けを試みる女郎が多く、中から女が出て行くのを厳しく取り締まった。大門の出入りは夜の十時頃が一番激しく、帰る者とこれから廓に向かう者とで賑わう。廓では一度馴染みになった客が他の女郎を買うことはルール違反とされていた。この裏切り者を新造などが捕まえようと大門の脇で待ち構えているのもこのくらいの時間であった。見世の女郎が大門を抜けるためには通行証が必要であった。 【四郎兵衛会所(しろべえかいしょ)】  江戸吉原大門の番所に詰めている見張り役。四人ずつ一日三交替で見張った。大門四郎兵衛。ここを通過するためには女郎は通行証が必要だった。ここでは外から来る女性に対して切符を売っており、外から来る女性は吉原の中は見物料を払えば見ることができた。女郎衆の取り締まりは厳しく行っており、大門を抜ける者は逮捕された。また会所は自信番と似ていて遊郭内の治安を守る役目もあった。 【大店(おおだな)】  規模の大きな店のこと。江戸時代には商人の力が活発になり大店の店主といえばお金持ちであった。現代の三越の前身である呉服屋の「越後屋」などがとても有名である。 【口入屋(くちいれや)】  人材派遣業。上総屋やは実在されたとされている口入屋。江戸時代に武家への奉公を斡旋したり、身分の不確かな者の預かり人となり、職業を紹介したとされている。

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