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【用語集】 遊郭・吉原・花魁・太夫について色々 6

【煙管(きせる)】  喫煙用具のこと。時代劇でもしばしば見るように、格子の内側にいる遊女は煙管を使って、客の衿をひょいと引っ掛けたりしてお客の気を引いた。遊女は格子から煙管を差し出し、相手がそれを受け取ると気に入られたという証であった。また、太夫や花魁はその位にあわせて煙管の長さが違っており、格を見極める一つの目安にもなっていた。 【拳(けん)】  現存しているのはじゃんけんのみである。江戸時代にはやっていた手を使う遊びのこと。(野球拳などはそれを模したものである。)拳はお座敷での余興としてしばしば行われた。本文で取り上げた拳は近松門左衛門の「冥途の飛脚」で遊女たちが興じている遊びのことを指す。現在で言うといっせーのせという遊びに近く、指を上げてその本数を言い当てるゲーム。「ろませさい」は六のこと。「とうらい」は十。「三な」は三のことをあらわすと言われている。 【青編笠(あおあみがさ)】  まだ、青々として真新しい笹のこと。花街には身分を隠し、忍んでやってくる武士や商人が多かった。自分で笠を被ってくる者もいたが、何も持っていない者は大門の横の笠屋で編笠を買うのだった。 【花代(はなだい)】  芸妓や遊女を招いて宴席を設けるときの代金。花街で華やかな花に見立ててそう呼んだ。遊女を揚屋に呼ぶときの代金は「揚げ代」と呼んだ。花代は京都の舞妓さんや料亭などでの用語だが、本文では響きがよいので花代の方を使用した。

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