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クリスマスSS 6
「棗……」
「うん?」
背後で小さくクリスマスソングを流しながらチキンを食べていると、和巳がおもむろに口を開いた。
「もう籍入れていいか」
「うん……ん、えっ!?」
驚いて咳き込んだ棗の背中を撫でながら、落ち着いた頃合を見計らって和巳が続ける。
「番になってもう一年だろ。お互い変な誤解も解けたことだしそろそろいいよな」
「いや、まって、籍って……え、結婚すんの」
「しないとおかしいだろ。やることやって」
確かにやることはやっているし、ついさっき中にくれと強請ったばかりで、いつ子供ができるかもわからない状況だ。
でも、和巳はそれでいいんだろうかと、臆病な気持ちが顔を出す。
家族に愛されることなく、実家から追い出され、満足に仕事を選ぶことすら難しい自分が、彼に相応しいわけがない。
……と頭ではわかっているつもりなのに、この腕が自分以外を抱きしめるところなんて想像したくもない。
「ほ、ほんとに俺でいいのか。俺が……あんたの家族になっても……」
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