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抱いて 濡れて 溺れて 7

ボクは下げていた頭を上げると、にっこりと微笑んだ。 悠貴さんは少し困ったように眉根を寄せて、口元を大きな手で覆って、ボクから視線を逸らした。 何故か、顔が赤くなっている。 「・・・何で・・・そんな可愛い格好してんだ・・・?」 「え?」 言われてから気付いた。 今日、振袖着てたんだ・・・・!! 「これは・・・違っ・・あのっ・・・着替えて来ます!」 いつも元旦はこれ着てたから、何の違和感もなくなってた。 男がこんな格好してんのおかしいって、そんな当たり前のことがわからなくなっていた。 ボクが門に手をかけて戻ろうとすると、不意にお腹の帯の所に悠貴さんの腕が伸びてきて、ぐいっと引き寄せられた。 後ろ向きに悠貴さんに抱きしめられる感じになる。 耳元で、悠貴さんの低い声が響いた。 「そのままでいい・・・可愛いから・・・そのままでいて」 「ふぇっ?!・・・あ・・・はい・・・」 そう返事をすると悠貴さんは腕を外して、頭をぽんと軽く撫ぜてくれる。 「行こうか」 「はい・・」 振り向くと悠貴さんは既に車に向かって歩いている。 ボクはその後ろ姿を追いかけた。 寒いはずなのに、体が心がぽかぽかして、何だか暖かい。 悠貴さんの耳が真っ赤になっているのが、可愛かった。 * 悠貴さんの車に乗り、東京の西の方、府中までドライブを楽しんで。 ボクは悠貴さんと神社の境内に足を踏み入れていた。 悠貴さんも初めて来たという神社は、大国魂神社(おおくにたまじんじゃ)といい、縁結びにご利益があるという。 ボクと一緒に来たかったと言って、少し照れたような表情の悠貴さんが、大好きで止まらなかった。 境内に入る前に手水舎(ちょうずや)で手と口を清めて、静かに門を潜る。 元旦だけあって初詣客が大勢いたけど、明治神宮とかよりは人が少なく、これなら1時間くらいで参拝できそうだった。 悠貴さんと並んで列の最後尾に立って、少しずつ列を崩さないように進んで行く。

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