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第28話「見ないでください」
会長……
「そこで何してるの?」
なんで、この人が――
今日は用事があるからって…今朝言ってたはずじゃ…
「……っ」
駄目だっ…今声を出すと……
「――っ」
見られてる。
会長が、俺の全部を見てる。
こんな格好、恥ずかしい…こんなところ、誰にも見られたくなかったのに。
「ん、っ」
こんな状況の中でも俺の中のローターは振動を続け、さらに奥へと入り込む。
声を殺すのに必死で会長を見ることすらできない。
「………」
会長は何も言わなかった。
しばらく俺を見つめ、やがて会長は俺の前から去って行った。
「っか、会長‼︎ 待っ――」
人を呼ばれる⁉︎
本当にもうお終いだっ…
そう思い、ぎゅっと目を閉じた時だった。
ガチャリと、鍵のかかる音がした。
そして会長は、また俺の前に戻ってきてブレザーを脱ぎ始める。
「かい、ちょう…?」
そっと見上げると、会長はしゃがんで俺にブレザーを掛けてくれた。
そして…
「成海 にやられたんだね?」
優しい声で呟く。
会長の問いに答えられなくて、俺は黙って下を向いた。
こんなに近くで、よりにもよって生徒会長にこんな姿を見られて、本当に最悪だ…
「見、ないで…ください…っ」
恥ずかしい。
この場から逃げたい。
いっそ、夢ならいいのに。
「ふ…ぅ…」
自分が情けなくて、惨めで、恥ずかしくて。涙が溢れてくる。
「大丈夫だよ」
すると、会長は俺の涙を優しく拭ってくれた。
会長がそう呟いた瞬間、会長の大きな手で俺は視界を塞がれた。
「か、会長…」
根元を縛っていたネクタイがすっと解かれる。
会長の手が、俺に触れる。
「なっ、か、会長っ…何をっ」
ぞくりと背筋が震えた。
腫れ上がったものを上下に擦られ体が跳ね上がる。
「これ、抜かないとつらいでしょ?」
「や、ぁ、待っ…」
塞がれた視界は真っ暗で何も見えない。その分感覚が研ぎ澄まされたようで、会長の優しい声と触れてくる手の温かさに、俺はまた涙を零した。
「泣かないで。大丈夫だから」
眼鏡とは似ても似つかない、優しい声だった。
「あっ、もっ…」
「いいよ…僕の手の中に出して」
「だっ、めっです……あぁっ‼︎」
こんなのダメだってわかってるのに、限界だった俺は、そのまま会長の手の中に射精してしまった。
息が上がり体が熱い。頭の中がクラクラする。
「んっ、ふ…」
「……?」
でも、まだ後ろにローターが入ってる。から、力が出ない。
「ここに何か入ってる?」
案の定、その存在に気づいた会長は後ろに手を回してきた。
「ろ、ローター…が…」
震える声で答えると、会長は奥まで入り込んだローターを俺の中から抜いてくれた。
あの地獄のような快楽から解放されると、やっと体の緊張が解けた。
「こんなの入れるなんて……」
塞がれた視界がぱっと開けた時、俺は会長と目が合った。
目が合うと、今度は恥ずかしさで顔が熱くなる。
「……すみません」
「なんで君が謝るの?」
「…俺のせいで……会長に迷惑を」
あの眼鏡のせいとはいえ、俺は会長にこんな…
「渋谷 君」
どんな顔で会長を見ればいいか分からずにいると、会長に名前を呼ばれ俺は会長を見上げた。
「君は、成海の何?」
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