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6/24(月) from宗平
昨日の試合では特別大きな活躍もできなかったが、気分はなんとも清々しい。
きっと春人のお陰だ。
朝イチで春人に昨日の礼を述べると、昨日裕大と一緒にいた時のような不自然な笑顔で返された。
何かあったのだろうか、と聞こうとするがそれは「おはよー」と後ろから声を掛けられたことにより叶わなかった。
振り向くとそこには同じグループの光汰 と瑛二 。
「宗ちゃん昨日まじで試合出れたんだってねー。2組の子が騒いでたよー。」
光汰が気の抜けたような笑みを浮かべて労いと賛辞をくれる。
「春人見に行ったんだよね?どうだった?」
「あんまルール詳しくないからよく分かんないけど、宗平のおかげで失点が少なかったことだけは分かった!」
瑛二からの質問に自信満々に答える春人は昨日同様なんとも嬉しい言葉をくれる。
「あらあらそんな活躍したらまた更にモテちゃいますね〜。」なんて光汰が囃し立てると春人も「そうだろ〜。次は点取り行くらしいよ〜!」と乗っかり、2人で俺の将来のモテ計画について話しを始める。
多少の違和感は残るが春人の雰囲気はだいぶ普段通りのものに戻ったような気がした。
「そういえば長岡くんも出てたんだって?」
瑛二の言葉に光汰と盛り上がっていた春人が笑みを消した顔をこちらに向ける。
「あぁ。裕大はもう大活躍。俺がコート入ったあたりからバシバシ点取ってさ。」
そう。昨日考えた末に得た確信。
裕大が点を取りだしたのは…俺がコートに入ってからだ。
「あららら。強力ライバル登場じゃん。長岡くん、宗ちゃんより目立ちたかったんじゃなーい?」
そう光汰に言われて照れたように笑うが、内心、その言葉は的を射ていると思う。
昨日は春人も来ていたし、知り合いや女子に少しでもかっこいい姿を見せたい、という高校生等身大の欲が裕大にもあったということなのではないだろうか。
裕大がそんな人気のためだけに左右されるというのはなんだか納得いかなかったが、俺をライバルと認めてくれているのでは?という予想の嬉しさによりそんなものは掻き消されていた。
「実際のとこはどうなのか分かんねーけど、負けないように頑張ろうって思える奴が近くにいるって良いよな。」
「なにその青春発言。くっさー。キラキラし過ぎなんだけど。闇堕ちしろ!」
嬉しさから抑えきれず笑顔で言うとあからさまに嫌そうな顔をする光汰に脚を蹴られた。
こいつは本当に恋愛以外は無価値だと思っていやがるな。
2人でじゃれ合い笑っていると俺らを見て笑う瑛二の横で1人、浮かない顔をした春人と目が合った。
春人は慌てたように笑顔を作ると、「次の試合楽しみにしてるな。」と言う。
触れてほしくないだろう空気をなんとなく察し、その場ではそれ以上聞かない。
始業の鐘が鳴ったのはそれからすぐのことだった。
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