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7/9(火) ※

「何だこれ。キャンプ場?」 「っ見ん…なっ…」 長岡が手に取ったのは瑛二が印刷してきてくれたキャンプ場の地図だった。 初めてのキャンプでテンションが上がりきっと迷子になるだろうから、と言ってそれを手渡してきた瑛二に「意外とオカンなんだな。」と思い笑ったのはつい数時間前のこと。 今回は自由にさせてもらってる腕をなんとか上げて背後にいる長岡からそれを取り返そうとするがあっさりと躱される。 「いつ行くの?やっぱ夏休み入ってから?」 「………ぅっ…」 答えないでいる俺を後ろから長岡が1度揺する。 ヤる気ねーならさっさとそれ抜いて出てってくれ、とは思うがそんなこと言ったらこいつのことだ。きっと俺が欲しがってるとか歪曲した解釈をして更に酷く責め立てて来るに決まってる。そうして次の日歩くのもしんどいくらいになるのは目に見えているから何も言わない。 沈黙を貫く俺に長岡は勝手に答えを得たようで笑いながら、俯く俺の耳に顔を寄せる。 「もしかして今日いつもより大人しいのって変に痕付けて服脱げなくなるのが嫌だからか?」 その言葉に背筋をヒヤリとしたものが這う。 腕を縛られてしまわないようになるべく抵抗しなかったり、掴まれる肩や腰に指の痕が残らないようにと極力自分から体を寄せていたのはすっかりバレていたようだ。 「健気だねぇ。でもお前の性事情なんて皆気にしてねえからだぁいじょーぶだって。」 クツクツと喉で殺したように笑う長岡。 「あ、でも笠井は気になるかもなぁ。」 そのセリフは、思い出したように最後に付け加えられたのだが、なぜか予め言うことが決められていたかのような一連の流れのような響きを持っていた。 驚きと動揺に目を開き長岡を見るが、いつもの楽しくて堪らないといったような顔と目が合っただけだった。 「どういう…ぅっ…ぁっあ"ぁっ…!」 俺が質問を最後まで言うことは叶わず、それからいつものように散々痕を付けられた俺は長岡の気が済むまでひたすらベッドで啼かされ、意識を飛ばした。 目が覚めた時、やはり手首には何の痕も残っていないのを確認できたことがせめてもの救いだ。

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