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7/21(日)
終業式を終え夏休みに入り2日が経ち、いよいよ明日は1泊2日のキャンプだ!
キャンプのことがバレてから更に2回ほど長岡に襲われこれでもかと言うほど痕も残されたが、そんなもの気にならないくらい今の俺はある計画に夢中だ。
…いや、嘘。
ちょっとは気になる。
だってこれもう確実に水着になれない。
せっかく川のあるキャンプ場に行くのになんてことだ。
手首は縛られなかったので痕はないが、全身に残るそれはどう頑張っても隠しようがなかったので「彼女とうっかり再会してしまってー。」なんて悲しい嘘をまた重ねてしまった。
ていうか俺もいくら体格差があるからと言って襲われすぎなのではないだろうか…。
今更ながら自分の危機管理能力が心配になってくる。
いや、だがもうすぐそんなことを心配する必要も無くなるだろう。なぜなら俺はマイマイという味方を手に入れたからだ。
マイマイの長岡に対する好意を知ってから、現在、俺とマイマイの間では『裕大くん♡マイマイ ラブラブフォーリンラブ計画』(マイマイ命名)が始動中である。
宗平に夏休みのバスケ部の練習日を確認し、マイマイの予定と擦り合わせ。
さすが医療系大学というべきハードスケジュールではあったもののなんとかマイマイと長岡の休みがほぼ1日被っている日を確認。
当日、長岡を家に留めそこにマイマイを呼び込む計画を立てた。
長岡に部活以外の予定があったらおじゃんになってしまう雑すぎる計画だという自覚はあったが、夏休みまであいつに会いたいと思う変態はいないだろう、と見切りをつけた。
一応それでも長岡の予定を知るためにスマホを盗み見ようとしたり、部屋に忍び込んであいつの趣向を探ろうとしたがその度見つかり、そのままの流れでヤられていたのでもうこんな事は二度としたくない。いや、しない。誓おう。
決戦はキャンプが終わってからちょうど3週間後。
日が開いてしまうからその間に長岡に襲われてしまうかもしれないが、もうこの際どうでもいい。
今の内にあぐらでもかいてろ!
「でもさーあ?なんで裕大くんはわざわざ抵抗してくるアンタを抱くわけ?」
「……」
マイマイが俺のベッドで脚を組みながら尋ねてくる。
それは俺も思っていたことだ。
これも復讐の一環なのかと思って納得していたが、そもそもこれはいじめのネタ作りとして始まったはずだ。
だがいじめは起きず、見ている限りでは長岡自身にも起こす気は無いようだ。
それなのに何故か女のような柔らかさも無い体を何度も抱く長岡。
認めたくはないが、あいつもモテるようなので性欲を処理したいというだけなら相手なんて結構簡単に見つかるだろうに。
「さぁ?単純に俺の男としての矜恃を踏みにじりたいんじゃないですか?」
そんなこと今更されねーけどな、と鼻で笑うと目の前でマイマイが呆れたように溜め息をつく。
「アンタにこんな態度取られてる時点で彼の復讐って失敗してるようなものよね。アンタ、裕大くんにしちゃったことちゃんと反省してるの?」
俺は当然とばかりに頷く。
嫌でも痕は毎日目に付くものだから過去のことを思い出さざるを得ないし、何より長岡のことはずっと気掛かりであった。
だが、再会した長岡がなんというか…記憶の中で長岡をいじめていた子よりいじめっ子然とした奴になっていた上に目的不明のまま人を襲う強姦魔に成長していたので詫びる気持ちより反抗心の方が大きくなるのだ。
そう言った俺にマイマイは「分からなくもない。」と頷く。
「ほんと謎よね。裕大くんは最終的にアンタをどうしたいのかしら?」
マイマイと2人で目を合わせて黙るが当然答えなんて出ない。
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