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7/22(月) 5 from宗平
暫く春人と2人、光汰の水気を拭いたことで湿った衣服を乾かしながら焚き火を挟んで向かい合っているとスマホが鳴った。
相手は瑛二だ。
どうやら光汰は念の為今晩1晩入院することとなったらしく、瑛二と里沙ちゃんも既にこちらへの足が無いので家に帰ることになったとのことだった。
「瑛二…良いオカンだよな…。」
瑛二の行動に感嘆したのか春人が呟くが、言葉のチョイスがおかしい。
もしかして咄嗟に体が動かなかった自分に後悔しているのかもしれないと思い、一瞬考えてから、光汰はジェットコースターやバンジージャンプでもほんの数秒だが気絶してしまうらしいことを伝えた。
恐らく里沙ちゃんは水の中で気絶した光汰が上がってこないからパニックになって俺らを呼びに来たんだろうと。
「だからさ、瑛二には川ん中に激しい水温差があるわけでもなくて、水ん中で目を覚ました光汰があの浅瀬まで辿り着けるくらいの安全性はあるって確信があったんじゃねぇかな。」
とあくまで予想だが言ってみる。
「でも、宗平だって咄嗟に振り子作って服渡したり…」
あ、これ完全に落ち込んでる。自分だけが活躍できなかったってめっちゃ悲しんでる。
以前も見た事のあるような口をむぅっとさせながら下がり眉で明らかに落ち込む春人。
なんだか可愛いなぁと思い笑ってしまいそうになるがそんなことしたらきっと春人はもっと落ち込むので懸命に堪える。
「でも光汰が助かったのって全部春人のおかげじゃねーかな。春人が近道知ってたから5分は早く橋に着けたし。隊員の人達も早めの対応が良かったって言ってたろ。」
最後に「ありがとな。春人。」と伝えると漸く少しは自信を取り戻したらしい春人が「うん…」と頷く。
試合の時とは立場がまるで逆だなぁ、と思いながら今度こそ堪えきれずに笑いを零す。
「光汰、なんで川に飛び込んだりしたんだろうな。」
春人がポツリと口にする。
「わかんねーけど、里沙ちゃんが救急車ん中で喋ってた話だと腕の傷がバイトで付いたってのは嘘で…どうのこうのって言ってたらしい。」
先程聞いたばかりの情報を春人にも話すと春人は一言「"嘘"…」と呟きボーッと焚き火を見つめる。
嘘…といえば。
この間得たはずの春人の嘘についての確信的答えが間違っていたことが先程判明した。
服を脱いだことで見えた春人の肌には俺の思っていたものなんてついていなくて、以前に聞いた話の通りの痕たちがそこかしこに散らばっていた。
おかしい。
確かに合っていると思っていたのに…。
予想が違っていたとなると本当の答えが何なのか気になって仕方がない。
誰もいない暗闇に目を向け、ここでなら真相を聞いてみてもいいだろうかと考える。
そして――…
「あの、さ。春人…。春人のその痕って――…」
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