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10/4(金) 3 from宗平

つまり光汰の予想では、俺が春人をそういう対象に見てて告白した末、フられたんだろうということか。 大暴投もいいところだ、と思いながら息を吐いて光汰を見る。 「…俺の春人に対する感情はあくまで友人に対してだ。」 そうはっきり言うが光汰は「そうかなー?」と疑いの表情。 俺は春人が喘いでる姿など想像もつかないし…想像しようとした自分に少し引いた。 「茉莉香さんの言葉を借りるなら、俺は春人とヤれる気はしない。勃たない。」 一応周囲に配慮して小声で言う。 ほんとファミレスでなんつー会話してんだ俺らは。 「宗ちゃんがそう言うならまぁもう良いけどー。じゃあ今回の原因は何なのさ?宗ちゃん春人に何しちゃったのー?」 少しふてくされた表情でそう尋ねてくる光汰。 なんで俺が加害者確定なんだ。いやまぁ100%俺が悪いから何も言えないが。 だってきっと、光汰や瑛二が春人の嘘に気付いたとしても俺みたいに追求なんてしない。俺自身なんでこんなに気になってるのか自分でも不思議なくらいだ。 「俺が…春人のこと知ろうとしすぎた。」 迷いながらそう答えると光汰は何か思い出したように頷いて「俺も春人に彼女との初めての時はどんな感じで誘ったのか聞いてぶん殴られたことあるよ。」と言ってきた。 それに俺はまた飲み物を吹きこぼす。そんな俺を見て光汰は焦ったように手を振ってモジモジしだした。 「だってー…俺だっていずれ里沙と…ね?あのー…するかもしれないじゃんか?」 そう照れながら言った後、手で顔を覆う光汰。初々しさがなんとも眩しい…。 「でも春人ってこの手の話するとすんごい怖いよねー。別れたい別れたい言ってた彼女となんだかんだでしちゃうってことは春人だってその気があるってことなのにねぇ?矛盾ー。」 そうパッと切り替えたように顔を上げて不満そうに言ってきた光汰の言葉に、口元を拭っていた手が止まる。 …そうだ。春人は当初彼女と別れたいと言っていた…。 長期に渡って痕を付けてくるものだから忘れてしまっていたが、そう言えば夏休み明けに課題を皆でやったあの日も、裕大に尋ねられた春人は「このまま別れられるかもしれない」と言っていたのだった。その時はもう"彼女"ではないということが分かっていたから春人の嘘にだけ気がいっていたのだが…。 必死に"相手"を隠したがっていたのは…もしかして合意ではなかったから? 春人…お前は――…。 ガタリ、と席を立った俺を光汰が何事かと問いたげに見上げる。 「光汰。たぶん月曜には仲直りできてるから…心配かけて悪かったな。」 そう言った俺に光汰は更に困惑の表情を浮かべたが、俺は帰ることを伝えてそのまま店を出る。 今すぐに、春人と話がしたかった。

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