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10/17(木) 3

俺が達しても暫く腰を動かしていた長岡が、中に精を吐き出し漸く出ていく。 下ろされた足は単に体力の問題なのか、それとも気力がもう無いからなのか、まともに体を支えることができずに崩れ落ち、吐き出した後に掻き混ぜられたことで白く泡だったそれが溢れ出てくるのをぼんやりと眺めていた。 終わった…。何もかも。 宗平を突き放してまで守ろうとした秘密はこんな形で暴かれて、俺はこの後どうなるのだろう? 当初の長岡のシナリオ通りに周りに言いふらされて学校にも居られなくなってしまうのだろうか? そうしたら下宿だってもう続けられない。長岡と離れられるのは嬉しいが、こんな結末は微塵も望んではいなかった。 涙腺が壊れたのかと思うほど次から次に流れ出てくる涙の止め方も分からないまま呆然と座り込む俺の前に冷たい靴先が映った。 「春人。」 静かに名前を呼んだ宗平。 あんなものを見せられて、すぐに軽蔑してその場を離れていたっておかしくないのに、宗平は犯される俺をただじっと見ていて、最後に長岡のモノが出ていくことに体を震わせた俺を何か納得したような表情で見つめた。 嫌悪でも侮蔑でもないその表情には、一体何が含まれているのか…。 「春人のずっと隠してたもんが分かって満足か?笠井。」 長岡がひどく楽しそうに言った言葉に、俺はもう反発する気も起きなくてただ俯いていたが、そんな俺にそっと宗平の手が触れる。 反射のように弾き飛ばし、更に涙を流す。 「さわ…な…で」 精液で塗れた脚や腹は、自分でも見たくなくて目を瞑った。 こんな体を、宗平に触ってほしくない。 だが後ろで俺らの様子を見る長岡はクツクツと笑いながら「笠井じゃ嫌だって。」と言う。 挑発的で攻撃的な長岡の態度。 この2人は今も部活仲間として仲がいいのではなかったのか? そう疑問に思いながら、近くの机に腰掛ける長岡の、既に正された制服を纏った足がユラユラと揺れるのを視界の端に映していた俺の顔が突然温かい何かに押し付けられる。 背と後頭部には優しい掌の感触。 宗平が俺を自身の胸へと抱き寄せたのだ。 「!?そうへ…やめ…っ」 宗平の制服を汚してしまうのを恐れて急いで離れようとするのだが、そうする度にギュウッと更に力を込められる。 「春人。」 再び俺の名前を呼ぶ宗平。 それでもなるべく汚さないようにと思って身じろいだ俺の頭を宗平が優しい手つきで撫でてきた。 そして、 「好きだ。」 ───……そう、突然言われた言葉に全ての時が止まった気がした。 「………は?」 長岡の声と俺の心の声が重なった、初めての瞬間だった。

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