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1/20(月) from宗平
休み明け、きちんと上まで閉められた襟首から鮮烈な痕を微かに覗かせた春人は、俺と1度だけ視線を合わせると、慌てたようにすぐにそれを逸らす。
俺とは一緒にも居てくんねぇのに、裕大とはヤんのかよ…。
俺の思っている以上に2人の距離が縮んでいるのではないかと焦ると同時に、矛盾した春人の行動にイラついてギリリと拳を握りしめた。
そんな俺を、光汰が普段から下がっている眉尻を更に下げて見つめる。
「何。」
「宗ちゃん顔怖いなって思ってー。」
そう言って光汰は呆れたように溜め息を吐きながら頬杖をつく。
光汰は俺と春人が完全に話をしなくなった当初、怒り散らしながら理由を問い質してきたが、俺はそれに答えなかった。
春人が俺の将来を心配しているのなら…俺自ら春人が守ろうとしてくれたものを手放すようなことは春人に悪い気がしてしまって…。
だがそう考えるうちに何も行動できなくなっていき、酷く窮屈な息苦しさをずっと感じていた。
「冬休み挟んでも仲直らなかったんだね。俺、宗ちゃんと春人が一緒に居るの好きだったんだけどなー。深く考え過ぎる春人とあんま考えない宗ちゃんとでさー?」
突然そう言ってきた光汰。
春人が考え過ぎるところがあるのは俺も同意だが…
「え?それ俺褒められてる?貶 されてる?」
「褒めてるに決まってるでしょー。でも宗ちゃんも春人と一緒になって考えすぎてる時はむっちゃくちゃウザいー。」
これどう考えても貶 されてるよな?そう思って顔を引き攣らせる。
だが──…
「あんま考えないとこが俺の良いとこ?」
「そ。結果として良いものを引き寄せられるのは才能。」
面倒くさそうではあるが、真っ直ぐに目を見て返してきた光汰に、だんだんと視界が晴れていく気がした。
窮屈で息苦しいあの想いは、どうやら自分で取り除くしかないようで、俺は意思を固め顔を上げる。
「光汰って時々すごい良いアドバイスくれるよな。」
「伊達に周りばっかきょろきょろして生きてきた訳じゃないからねー。」
俺としては結構真剣に褒めたつもりだが、光汰は当然のようにそれを受け流して俺を見つめた。
『周りをきょろきょろ』って…あぁ、女の子に声を掛けられなくて見てるしかできなかったことを言っているのか。
光汰のその短所は、元々の光汰の勘の良さとも相俟っていつの間にか長所になっていたようだ。
「考えは纏まりましたか?」
光汰からの問いかけにコクリと深く頷く。
「光汰…話があんだけど、今日もいつものファミレス来れるか?」
まずは…ここから始めようと、光汰と約束を取り付けた。
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