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2/25(火) 2 from宗平
日もすっかり沈んだ校舎の脇は本当に誰の気配も無くて俺はただ夢中で春人の唇を貪る。
「ふ…。」
合間に少し漏れた春人の呼吸音を聞いてハッとした俺は1度ゆっくりと唇を離した。
「悪い。がっつき過ぎた…。」
キス1つでこんなに夢中になってしまうなんて…なんだか情けない…。
だが、前回の化学室でのキス同様、春人が珍しく普段なら絶対にしてこない誘いをしてくれるものだから俺は自制が効かなくなってしまう。
俺との付き合いも俺の説得があって始まったようなものだけど、こうして春人も俺のことを確かに好きなのだと感じられるのは純粋に嬉しい。
「春人、好き。ほんと好き。」
そう言いながらギュウゥッと抱きしめると春人は少し身じろいだ後に同じようにギュッと俺を抱きしめ返してくれた。
「俺も…好き…。」
そしてそう呟くと俺の肩口に額を押し付けてくる。その姿がいじらしくて俺はまたその頬に手を添えて顔を上向かせるとその唇に吸い付く。
あー………早く抱きてえなぁ…。
──と、いけない。
性急過ぎては春人に引かれる。こういうのはちゃんとお互いに時間をかけて信頼を築いてから。
その上春人は裕大に無理矢理に抱かれていたという過去もあるのだから、そういう行為に抵抗を抱いていても不思議ではない。
春人がきちんと俺を求めてくれた時…その時初めて繋がったとしても、きっと遅くはないはずだ。
唇を噛まれたのだというあの日から、裕大が春人に手を出しているという様子は裕大にも春人にも見えない。裕大ももう春人のことは諦めたということだろうか。
そういえば先週はバレンタインの出来事が嬉しくてニヤつきを隠せなかった俺を裕大は部活終わりに凄い冷めた目で見ていたが、次の日の2人の様子を見る限りあの日も特に変わった事は起こらなかった様子だ。
付き合いたて1週間の時は今後俺らが上手くやっていけるのかと不安を抱いたりもしたが、それでもなんとかこうして1ヶ月目を迎えられた。
「2ヶ月目ん時こそは一緒に居ような。」
そう言うと春人は恥ずかしそうに俺を見上げて「ん…。」と小さく返し、また自分からキスをしてきた。
かわいい。離したくない。
俺は付き合うということがこんなにも幸せなのだということを今まで知らなかったらしく、また懲りずに春人が苦しくなってしまう程に深く唇を重ねた。
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