150 / 207

4/26(日) 3 from宗平 ※

「ぁ…。」 戸惑ったような瞳が俺を捉える。 「…。」 プツ…と結構強い抵抗感のある後孔に指を差し込むとそれだけで大きく跳ねる体。 「春人、かわいい…。」 そう言えば恥ずかしそうに目線を逸らされるが、俺はまたそれに「かわいい。」「かわいい。」と繰り返しながら全身にキスを落として後ろを拡げるように指を動かした。 「ッ!」 だが急に春人がビクリッと体を大きく跳ねさせた。 「…春人?」 「ぁ……。」 尋ねると春人はモジモジしながら「宗平…。そこ…もっと…。」と言ってきて、それを聞いた俺は考えるより先に指を動かしてそこを責め立て、その乱れる様を楽しんだ。 「んっ宗平…宗平っっ!もっ…欲し…!」 暫くすると目を潤ませながら懇願するようにそんなことを言われる。 起ち上がる春人のモノからダラダラと零れ落ちてくるその滑りを借りてか、時折含ませる唾液でか…後ろはもうグチャグチャと音を立て俺の指をスムーズに受け入れていた。 「俺も…、春人ん中、入りたい。」 甘く口付けながらそう言って、1度指を引き抜くとベッド脇に置いたカバンからゴムを取り出す。 「なっ…。なんで、持ってんの…。」 それを見て春人は現実に戻されたように目を見開き驚いて俺を見る。 一瞬「ゴムなんて要らない。」というおねだりかと思ったけど…この不審がる顔は違うな…。 「まぁ…いつそういう空気になっても対応できるように…?」 「だって…今日だって最初はする気無さそうだったのに…。」 「でも結局シてるだろ?我慢できねー時はできねーの。」 俺の行動を確認しようと起こしかけていた体を再度ベッドに押し倒して手早くゴムを装着すると、再び後孔に手を伸ばす。 最後の準備をするように、纏った滑りを絡めながら淵を指でなぞり、そして…グッと腰を落として先端を宛てがった。 すると、春人が一心にそこに視線を送っていることに気付く。 「…期待しすぎ。」 少し笑いながら言うとハッとしたように顔が勢いよく上げられる。 「っばか!宗へぃが…ァ…んン…っ。」 何かを言いかけていたけれど、構わず腰を沈めていくと春人は喘ぎ声を混ぜながら真っ赤な顔で啼き、シーツを掻き集め体をくねらせる。 「っ…は…、まだ挿れて平気?」 半分ほど挿れたところでそう尋ねると、苦しげに閉じられていた目が薄く開かれる。 指では散々慣らしたつもりでいたけれど、それでも苦しそうな吐息が聞こえるので確認をした。しかし春人は俺の首に腕を回すとグッと自身の顔に引き寄せてキスをしてきた。 「挿れて…。宗平の、全部、欲し…ぃン…ッ。」 紅潮した顔でそんな事を言われたものだから、また俺は最後まで聞く前に腰を強く押し進めてしまった。でもこの状況でそんなことを言われたのだから…仕方が無い。 春人は俺の首に腕を回したまま肩に額を押し付けて、熱く息を吐く。その仕草が、またなんとも言えない。 そしてピタリと密着した腰。 「全部入った。」 そう言って微笑んで見せると少し起こされた顔の中にある涙が膜を張った瞳が俺に向く。 「…宗平…、キスして。」 その言葉に応えるようにキスを落とし同時に腰を動かすとキスの合間に「んぁ…。」と鼻にかかったような声が聞こえた。 そしてそこからはもう夢中で腰を振る。 「ぁ、激しっ、そうへっ…!待って!待って!!」 「っ…待てないって、言ったっしょ?散々煽っといて、お預けはナシ…!」 小刻みに体を揺らしては時折ハクハクと口を動かす春人の口に吸い付いて、片手で乳首を弄る。 そんな中、俺の律動に合わせて張り詰めたままプルプルと震えている春人のモノが視界に入った。 俺と同じ器官のはずなのに、それでもいじらしく震えているその姿がかわいくて…ピンッ…と、つい指で弾くと、春人はビクッと体を震わせてイッてしまった。 それに若干驚いて見ると春人は真っ赤になったその顔を腕で覆い隠す。 「だから…『待って』ってぇ…。」 隠されてしまったその顔を見たくて、思わずその腕を掴んで退かす。 しかしほぼ後ろの刺激だけでイッてしまった自身を見られたくなかったようだ。一向に視線を俺のと合わせようとしない。 「春人…、気持ちい?」 だが俺がクスリと笑ってそう尋ねると漸く視線を戻して無言でコクリと頷く春人。 俺には…その反応だけで充分だ。 誰がこの体を作り上げたのかなんてことは、今はどうでも良い。 今この体を享受して、ドロドロに甘やかしているのは紛れもない俺なのだから。 「俺は春人が気持ち良くなってくれてすげー嬉しい。」 そう言うと戸惑ったように彷徨う瞳がチラリと俺を見る。 「…宗平も…気持ち良い?」 「最高。」 即座にそう答えると、強ばったような表情が次第に緩み、はにかんだような微笑みが浮かぶ。 それを見て俺はまたキスをする。溶けるような、互いが混ざり合うようなキス。 そうして3ヶ月目を祝おうと言っていたこの日、俺たちは互いにこれ以上無いと言いたいくらいの幸せな時を味わった。

ともだちにシェアしよう!