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5/3(日)
初めて宗平と繋がった日から1週間。
世間はGWに湧いていて、俺も宗平とどこか旅行にでも行きたい気はしたけどそんな金も無いし、宗平は今月末から大会が控えているとかで相変わらず部活に勤しまなければいけないようだ。
長岡と顔を合わせることを宗平はきっと快く思わないから部活を見に行ったりももう出来ないが、その分宗平から詳しく部活の話を聞けるため、話題に困ることは無いので俺としては嬉しかったりする。
そして今日は練習が完全にオフの日ということで、久々にゆっくり会えることになったので特に当ても無く2人でぶらりと外に出掛けてみた。
少しだけ陽射しの厳しい、人の疎らな川沿いの遊歩道と公園をゆったりと並んで歩いた後にベンチに腰掛けて時間を過ごす。まるで老夫婦のような時間だが…先週、俺はこの隣に座る大きな体と…と思うとあまり落ち着けなかったりする。
するとそんな俺と目の合った宗平が不意に俺に手を伸ばして前髪をゆっくりと掻き分け、親指の腹で額をなぞった。
「…ちょっと汗かいてる。」
「あ、暑い、からっ…。」
焦りながらも宗平の手から離れたくなくて視線のみをキョロッと1度泳がせた後に目を見て言うと宗平はクスッと小さく笑う。
「俺のこと意識して緊張してんのかと思った。」
ば…バレてる…。
恥ずかしくなって少し俯くと宗平は手を首の後ろに回して少し引き寄せると俺の耳元に唇を寄せた。
「俺がそうだったから。」
囁くように言われた言葉に一気に体温が上がった気がした。
嬉しさやら恥ずかしさやら困惑やらで真っ赤になって見上げると宗平はまた微笑む。
「それ、キス待ち?」
「まっ…待ってない!」
こんな真昼間の外で有り得ないと分かっているのにそんなことを言い出す宗平に焦って大きな声で言い返すと宗平は「そっか。俺はしたかったんだけど。」と言いながら上半身を屈めて見上げるように俺を見た。
「だって…できるとこなんて無いじゃん…。」
「そう言いながら場所探してキョロキョロしてんのほんとかわいい。」
「っ……!」
視線を動かしていた俺をそう指摘した宗平に恥ずかしくなってバシリッとその背を叩くと宗平は「あははっ。」と楽しそうに笑った。それに俺もなんだか楽しくなって笑いを零す。
「宗平…。俺と付き合ってくれてありがとう…。」
『付き合う』というのが…こんなに幸せで楽しいのだと、俺は知らなかったし思わなかった。
「こちらこそ。ありがとう春人。これからもよろしくな。」
宗平はそう言ってまた太陽みたいな笑顔を浮かべる。
手は繋げなくても、キスが出来なくても、心が繋がっているかのような充足感。
宗平が隣にいるだけで俺の毎日は満たされる。
「大好き。」
そう笑って伝えると宗平も嬉しそうに笑った。
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