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7/25(土)

3日前に2年生の1学期が終わった。 そして昨日俺は宗平と付き合いだしてから半年を迎えた。今回は平日だったし一緒に帰り、キスをしただけで終わり…。 だって宗平とは明日から泊まりで海に行く予定を控えているから! 今回は長岡の母親にも不在にする旨は伝えてあるし、宿は宗平が予約してくれてある。宿題も早めに終わらせて…去年行けなかった花火にも今年は宗平と一緒に行こうという話をしている。今年は夏休みを満喫するぞー! フンフンと鼻歌を歌いながらジュースを冷蔵庫から取り出し振り返った俺は、そこに無言の長岡が立っていて飛び上がった。 「っっっ驚かせんなよ!!」 「勝手に驚いたのはそっちだろうが。」 バクバクと収まらない胸を抑えて怒ると長岡は迷惑そうな顔をする。 「機嫌良いな。笠井と泊まり行くからか?」 「え?なんで知って…。」 「……明日部活も無ぇから鎌かけてみただけだ。」 長岡は言いながら冷蔵庫の横に下げられた、日付と下宿生の名前が書かれたホワイトボードを示した。俺の欄の26日の昼から27日の昼まで書かれた×印はその間俺の食事が不要なことを表している。 「笠井と順調なんだな。」 独り言のように呟かれたその言葉に俺はどう反応するのが正しいのか分からなくてとりあえずコクリと頷く。 長岡と宗平と3人で同一の教室で授業を受けることを最初は危惧していたが、長岡は相変わらず学校では俺に目立って構ってくることは無かった。 長岡は…相変わらず何を考えているのか分からない。 マイマイに長岡と何があったのかを尋ねた時、マイマイは「なんだか辛いなって。」と一言言っただけだった。フラれたのだとも取れるその表現に俺は傷を抉るようなことは出来なくて黙ってしまった。 ……いや、だが「骨を拾ってやる。」なんて豪語していたのはどこの誰なんだか…。 そんなことを考えながら手に持ったジュースを見つめぼんやりしていた俺の首に長岡が触れる。 見上げると表情の無い長岡と目が合った。 「……。」 無言でただ見下ろす長岡の、触れた指がなんだか不安で、離れようとするとグッと親指に力が込められたのが分かった。 「ッ…、何すんだよっ…。」 長岡は首を掴んだ手の親指だけに力を入れてガリリと強く引っ掻くように俺の首に傷を付けたのだ。ヒリヒリと沁みるような微かな痛みが首に纏わりつく。 「…ムカつくから。」 そう全く納得できない理由を述べると長岡は冷蔵庫から水を取り出してキッチンを出ていく。 その単直な行動に対しムカついたのはむしろ俺の方だというのに…! 残された俺はイライラしたままジュースのボトルを冷蔵庫に戻すと扉を荒々しく閉め部屋に戻ったが、纏められた荷物を見てゆっくり息を吐いた。 忘れよう…。そして明日の宗平との時間を満喫しよう。 明日は宗平と初めての泊まりデート。

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