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5/23(土)
先週の誕生日デートから1週間。
宗平は今日からバスケの大会が始まるらしい。
約1ヶ月に渡りトーナメントが行われた後、それを勝ち抜いた4校により総当り戦が行われそこで1位だった学校が全国大会に進めるとのことだ。
宗平によると今までうちの学校が全国大会に行けたことは過去に無いらしいが、今年は長岡も居るので総当り戦までは行けるだろうし、そこから先、全国大会に進める可能性も無くは無いのではと言っていた。
なんだかんだで長岡のことを信頼している。そしてそれを隠そうともしない。
こういう宗平のスッキリしているところって素直に尊敬できるなぁ。
そんなことを考えながら、昨日電話をしている最中に意気込んでいた宗平には悪いが、俺はニヤついていた。
だがしかし、宗平は俺が大会の応援に来るのも嫌なのだと言う。理由は当然、長岡に会ってほしくないから。
不安にさせていたのは分かるし、最近では順調になって来たとは言え、俺たちの関係は安定してまだ1ヶ月ほどしか経っていない。気持ちは分かるのだが…。
練習試合の時は観客の人数が少ないから長岡と目が合ってしまったり、なんてこともあるとは思うが今回は1日の対戦数も多いので出入りする人数もかなり多そうだし…。
とりあえず昨日の電話では「分かった。」と、答えてはおいたけど……。
「Bブロックのこの学校さ、長岡と笠井って2年がすげぇ上手いんだって。Bブロックはここが総当り行くんじゃないかって。」
トーナメント表を見ながら話していた他校の選手らしき人たちの会話を盗み聞きしながら宗平の名前が出たことが嬉しくて俺はチラチラと彼らを見てしまう。
そう、俺は今、大会会場に来ている。
思った通り会場は選手や関係者、応援に来た人たちでごった返していて、宗平や長岡が俺を見つけられるなんてあまり考えられない。
宗平は心配のし過ぎなんだ。
それに今更長岡に会ったって、あの日以降本当に何も…まぁ一切何も無いかと言われると若干迷うが、それでも体の関係は無くなった長岡と、ここで出くわしたからと言って何かが起こるとは思えない。
あとは宗平の友達に見付かんないように気を付けなきゃ。
そう思いながら、既に試合を終えたところに勝者を意味する次戦進出の赤線が引かれているトーナメント表を眺める。
うちの学校の試合が始まるまであとどれくらいかかるんかな?と顎に手をやって考えていた俺は「気になる学校名でもあった?」と横からかかった聞き慣れた声にピシリと体を凍らせた。
その声は…昨日電話口でも聞いた声…。
「はーるーと?なんでここ居んの?」
いやぁぁぁぁぁ!速攻で見つかった!!
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