3 / 8

転校生 2

「なになに!?もしかして転校生???!!」 奏多の良く通る明るい声。 いつもの声の中から興奮の意が伝わってくる。 奏多の発言に周囲のざわめきが2倍増し。 収拾のつかないざわめきに八木先生が溜息を吐いた。 「奏多、ちゃんと座って。ホームルーム始まらないから」 見かねた暁は浮かれる奏多に着席を促す。 「あ、わりぃ」と奏多が席に着いたことでざわめきも静まっていき、改めて2人の影響力を実感した。 「んで最後にだけど。まーお察しの通り、転校生です。 …霜月、入ってこい」 「あ、はい」 連絡事項の後にお待ちかね。 先生に呼ばれた転校生が凛とした返事を響かせ教室に入ってくる。 夕日みたいなオレンジのふわふわ外ハネした髪の毛。 歩く度にハネた髪が揺れている。 正面を向いた瞳は深く澄んだ碧い目をしている。 吸い込まれそうな、この世ならざるモノのような瞳。 「すっげ、きれーな目……」 静かに響く奏多の呟く声。 ほかのクラスメイト達も同じことを思ったらしい。 わぁ、きれい。 外人?ハーフかな。 口々に漏れる称賛の声で教室が再びざわめきに充ちた。 「…ぁ、昨日の……!!」 そんなざわめきの中。 見覚えのある容姿に思わずガタッと席を立って指さしてしまった。 いきなり声を上げた僕に驚いて目をぱちくりさせる男の子。 けれど直ぐに「また会ったね」と笑ってくれる。 ニッコリ笑うと顔を見せる特徴的な八重歯。細まる瞳。 昨日たまたま神社で会ったそのままの彼が今、 クラスメイトとして自分の目の前に居る。 そんな奇跡みたいな出来事に また会えるなんて、すごい!と胸が高鳴った。

ともだちにシェアしよう!