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転校生 4
「おーい、そこの女子たち!!
いきなり大勢で囲んだらビックリしちゃうだろ!」
「しのりん…!」
「霜月は俺らとお昼食べる約束なの。
ほら、散った散った!」
いつもの通る声で集団に突っ込んでいく奏多。
女子の波を掻き分けて中心に行き、無事彼を引っ張ってきてくれる……かと思いきや。
「しのりん割り込んでこないでよー!」
「男子はあっち行ってて!!」
「うちらのが聞きたいこと山ほどあるの!!」
「霜月くんは私達と食べるんだよ!」
「あ、ちょ、ちょ、…!」
「「「だから邪魔しないで!!」」」
強烈な女子の洗礼を受けた奏多。
集団の中にも入れず外側の女子に弾かれて戻ってきた。
「か、奏多…大丈夫……??」
「いやー、無理だったわ。女子こえー」
「ばーか。だから言ったのに、大丈夫かって」
「全然大丈夫じゃなかったな!!」
あはは、と笑い飛ばす奏多を呆れた顔で見る暁。
僕はあわあわする事しか出来ない。
「お前は女子のこと甘く見すぎなんだよ。下手くそ」
「えー、ひどい。そう言うお前はできんのかよ」
「おー任せろ。
使えない奏多の代わりに俺が連れて来てあげる」
「うっわ、使えないとかひどい!」
「事実だろ」
待ってて、と俺に一声かけて女子の集団に向かう暁。
奏多の時と違ってその背中が頼もしく見える。
「はーいはい、みんな一旦ストップ!色々気になるのは分かるけど、帰国したてで分からないことだらけなのに質問攻めにしないの」
彼、困っちゃってるよ。と柔らかく女子を制する暁。
気づけば女子の囲みに道ができ、霜月くんが見えるようになっていた。
…すごい。
奏多の時は門前払いって感じだったのに。
暁が立つとその周囲の道が開けていく。
「それに俺たち、八木ちゃんに学校案内任されてるから。彼、借りてくね」
「えーーっ、じゃあ私達も…」
「だーめ」
だって君たち。
彼のこと質問攻めにして案内ちゃんとしないでしょ。
そう有無を言わさずサラッと言ってみせた暁。
わりかし酷いこと言ってる気がするけど
「つっきーがダメって言うなら…仕方ないか」と納得してるみたいだからスルー。
そんなこんなで難なく霜月くんの腕を掴んで女子の囲いの中心から連れ出すことに成功した暁。
さ、いこっかー。の声に連れ立って
お昼ご飯を持った俺たち4人は教室を後にした。
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