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ワンライ参加作 お題「おみくじ」朗☆奏

ワンライで書いたお話しです。 お題「おみくじ」 * 更科 奏(さらしな かなで) 25才。 元気な世話焼き系。 夜が苦手。 神無月 朗(かんなづき ろう) 24才。 ぼんやり癒し系。 朝が苦手。 学生時代の先輩後輩で今は一緒に暮らしている。 * ひょこりと列から顔を出して前に並ぶ人数を数えていると寒がりな恋人が 「あと、何人?」 と聞いてくる。 「うーん10人くらいかな」 「なんでみんなそんなに好きなの?おみくじ」 お参りを早々に切り上げて早く早くと手を引いて連れてきた癖に恋人はもうすっかり並ぶのに飽きたらしい。ふたりでこの神社に初詣に来ておみくじを引くのは今日が三度目だった。過去の二回は凶と大凶で 「マジかっ、オレ大凶とか見たの初めて」 俺のおみくじを覗き込んでそう言った恋人は二回とも大吉で 「俺も初めて」 と、途方に暮れた俺を見て 「大丈夫。オレのそばにいればいいんじゃない?」 だってオレ大吉だしと得意そうに自分のひいたおみくじを見せた。 しゃんしゃんとおみくじの筒を振る音がして辺りから大吉だったとか小吉だとか楽しげな会話が聞こえてくる中で今年こそは俺が 「俺のそばいれば大丈夫」 と言ってやりたいなと隣を見ると頭ひとつ背の高い恋人は眠そうに、本当に眠そうにあくびをしていた。 今年も多分俺達は幸せだ。

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