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4-定時連絡
昼過ぎに家に帰って来た俺は、ベッドに飛び込むとジーパンの尻ポケットから携帯を取り出した。
これは報告しないと。
零>>『ゆきのん?』
零>>『ちょっとお話聞いてー』
……はい、既読スルー……。
ゆっきーは俺のことどう思ってるんだろう。
俺はゆっきー大好きなのに!あ、槙野さんとはもちろん別枠ね。
零>>『ゆっきー!』
零>>『構ってくれないと今から行ってちゅっちゅするよ!』
由紀>『やめてください』
由紀>『せっかく隼人さんとキスしたのに上書きされる』
零>>『あ、ごめんデート中?』
由紀>『いえ、隼人さんの家から帰るところです』
零>>『相変わらず仲がええのう』
由紀>『おじいさんに言ってもらうまでもなく仲良いです』
由紀>『週の半分は隼人さんの家に泊まってますから』
零>>『もう同棲しちゃえよ』
由紀>『なかなか隼人さんが、うんって言ってくれなくて……』
零>>『ゆっきーはすぐがっつくからー」
由紀>『隼人さんが可愛いのがいけないんです!!』
由紀>『今朝だって、別々のお布団で寝てたのに、起きたら隼人さんが俺のところに来てて足は絡めてくるわ、寝ぼけてキスしてくるわ抱きついてくるわで、男としてこれを無視したらだめでしょう!?」
零>>『じゃあ朝から忙しかったのね』
由紀>『当たり前です』
零>>『あー』
零>>『なんか、ゆっきーの話を聞いてたら、俺の霞んできたわー』
由紀>『いいですよ』
由紀>『なんでも聞きますよ』
零>>『!!』
零>>『ゆっきーが優しい!』
由紀>『槙野さんの話でしょう?どうせ暇ですから。ちょっと待ってください。もう少しで家に着くんで。落ち着いたら連絡します』
由紀>『コーヒー淹れました。いつでもいいですよ。聞き流すんで』
零>>『ゆっきーが優しくない!!』
由紀>『何言ってるんですかいつも通りでしょう』
零>>『まあそうなんだけど』
零>>『聞いて驚くなよ』
零>>『槙野さんのところでお泊りしてきました!』
由紀>『で、進捗は』
零>>『ハグまで許してもらえたー』
由紀>『このヘタレが。お子さまですか』
零>>『いや実はキスもしたんだけど、顎を掌底でぶちあげられた』
零>>『そのあと正座でお説教』
由紀>『実は嫌われてる説』
零>>『それはない!』
零>>『槙野さん照れ屋さんなんだな』
零>>『寝る前にほっぺにキスしてくれたもん!』
零>>『俺興奮しちゃって眠れなかった』
由紀>『お子さまじゃないですか』
由紀>『今朝の俺と隼人さんの愛の営みを詳細に語りましょうか』
零>>『落ち込むからやめてー!!!!』
零>>『俺はゆっくり愛を育む派なの』
零>>『ゆっきーみたいに事を急がないの』
由紀>『俺だってじっくり派ですよ』
零>>『じっくり派は付き合う前にえっちしません』
由紀>『それはちょっと、思いの外隼人さんが俺の好みすぎて理性がどっかいっちゃって』
零>>『やらしいわぁ』
零>>『俺たちは清く正しい交際を目指してるから』
由紀>『交際してないでしょう。ペットでしょう?』
由紀>『ある意味ただれてますよ』
零>>『う』
零>>『うるさいうるさい』
零>>『そう思ってないと槙野さん押し倒しちゃいそうなのよ!』
由紀>『重症ですね』
由紀>『一刻も早く付き合ってもらえるといいですね』
零>>『ありがとうゆっきー……』
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