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5- 公園デビュー!(1)SIDE:神崎
「酒井さーん、今エンティティ定義書開いてます?」
俺は斜め向かいの先輩に声をかけた。
「ん、ああ、うん」
「ちょっとだけ借りてもいいですか?追加したくて」
「どーぞ。閉じたぜ」
「ありがとうございます」
手早く別ブックに作っていた定義書を追加して、更新履歴に追記する。
「終わりました。もう使ってもらって大丈夫ですー」
「はいよー」
最近俺は頑張ってる。
そりゃ、多少無駄口もたたくし、合間に槙野さんのこと考えてうっとりしたりもするけれど!
俺にしてはまあまあな仕事っぷりだと思う。
なんで頑張ってるかって?
それはもちろん、槙野さんからご褒美もらいたいからに決まってる。
槙野さんとデートしたい。
おうちには何回か遊びに行ったけど、まだ二人きりでどこかに遠出したことがないんだ。
例えばさ、夜景が綺麗に見える丘とかで、二人ならんで景色を見るの。
『槙野さん、せっかくなんですから俺じゃなくて夜景見てくださいよー』
『ん?……神崎の瞳に映った夜景が一番綺麗なんだ』
なんて言って槙野さんが優しく微笑んだりして。
『槙野さん……!』
そしてゆっくりと抱き合う二人!キャー!
もしくはもしくは!
沈みゆく夕陽を見ながら砂浜でキス……とか!
公園で、芝生の上にレジャーシート敷いて、お弁当食べて、そのあと膝枕でお昼寝でもいいなあ……できれば俺が槙野さんに膝枕してあげたい。
俺の膝の上で無防備に眠る槙野さんの寝顔……見たい……。
あー。妄想が止まんない。
どれくらい頑張ったら、槙野さんデートしてくれるかな?
べ、別に、夜デートでもいいんだからねっ。
ちょっといいホテルで、大人な雰囲気の中二人で……。
うぅぁぁああお。
だめだ、ドキドキしちゃって仕事が手につかない!
仕事頑張んないと意味ないのに!
落ち着け俺!
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