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7-定時連絡
ふっふぅ~♪
槙野さんが帰ってから、ずっと鼻唄が止まらない。
とうとう!
念願の!
両思いに!
ちゅーもしちゃったし。
足治ったら、えっちしてもいいって許可もらっちゃったし!
あ、でも雰囲気ってどう作ればいいんだろ。
俺、所詮脳内お子ちゃまだからなー。
いきなり、大好き!って、つい抱きついちゃう。いつかみたいに。
よし!困ったときのゆっきーだ!先生!教えてください!
由紀>『わかりません』
零>>『なんでよー』
由紀>『俺もその場の勢いでやってるからです』
由紀>『隼人さんも、ノリが良ければすべて良しの人なので』
由紀>『いいじゃないですか。犬みたいにじゃれついて、いちゃついてから雪崩れ込めば。得意でしょう?』
零>>『やだー。槙野さんとの初めては、何かこう大人な感じ?ロマンティックにいきたいのよ!』
由紀>『じゃあ槙野さんにお任せしたらどうですか。大人な感じでリードしてくれそうでしたよ』
零>>『俺がリードしたいの!』
由紀>『駄犬なんだから大人しくリードされてればいいのに』
零>>『は!そういえばゆっきー、槙野さんに病院で会ったんだよね?』
零>>『余計なこと言ってないよね?へたれとか』
由紀>『そんな事わざわざ言わなくても伝わってると思いますけど』
零>>『えー』
零>>『槙野さんかっこよかったでしょ?』
由紀>『はい。ゼロにはもったいないです』
零>>『えっへっへ』
由紀>『このポンコツのどこがお気に召したんでしょうね』
零>>『可愛いとこ? 』
由紀>『ふっ』
由紀>『頭下げないと電車に乗れない人が、可愛いって』
零>>『外見じゃなくて内面的な話!』
由紀>『内面もお馬鹿さんじゃないですか』
由紀>『そもそも今回、なんで交通事故になんて遇ったんですか』
零>>『え、いや俺悪くないよ。信号青だから横断歩道渡ってたら、すごい勢いでワゴン車が突っ込んできてさあ』
零>>『ブレーキとアクセル踏み間違えたらしいけど』
零>>『いやー危なく死ぬとこだったね』
由紀>『実は……死んでるんじゃないですか……?』
零>>『へ?』
由紀>『本当は事故で死んでて、槙野さんへの執念で魂だけが……』
由紀>『でないとゼロがあんなハイスペ彼氏手に入れるとかありえない』
零>>『怖い話やめてよ!ちゃんと生きとるわ!』
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