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8-わんこ卒業(5)
もう何度目か分からないキスを交わす。
というかさっきからキスしっぱなしだ。
俺の気を散らそうとしてくれているんだろう。
俺の後孔が、ローションを含んでくちっと粘着質な音をたてる。
今は指が二本入っているらしい。
手首をひねり、内壁をぐるりとなぞって、拡げようとする動きを感じる。
正直、異物感はかなりある。痛みも少し。
それでも、神崎が気をつかってくれているおかげか、思っていたほどつらくはない。
「ねえ、槙野さん?」
「ん?」
神崎が呟くように聞いてきた。
「恥ずかしいこと聞くけどさ」
「なんだ?」
「俺のどこが好きなの?」
本当に恥ずかしいな。
「うーん、笑うと可愛いとことか、」
俺が言いかけると、焦ったように神崎が遮った。
「槙野さん、や、やっぱ今のなし」
ちらりと神崎を見ると、真っ赤な顔をしている。
「なんだよ、自分で話題ふっておいて照れてるのか?」
「今まで誉められることなんてなかったから、こんなに恥ずかしいなんて思わなかったの!」
神崎は慌てながら、ちゃっかり三本目の指を差し込んでくる。
俺は苦しさに息を飲みながらも、神崎が恥ずかしがっている顔が可愛くてたまらなくて、からかい続ける。
「はっ、照れて、真っ赤になるのも、好きだな」
「だーかーらー!」
俺の首筋に顔を埋めていやいやと首をふる神崎。
本当は、神崎がやることなすこと全てが愛しいんだが、そう言ってしまうとこの遊びが終わってしまうから、苦しさをこらえながらも列挙する。
「俺の傍で寝てる時の寝顔も好き、だ」
「もう!」
俺の中で仕返しのように神崎の指が暴れまわる。
「んっ、あぅっ、……仕事中の真剣な目、も好き」
指が何か変なところに触れたのか、目の前が一瞬真っ白になり、喘ぎ声が漏れる。
神崎が頬を染めたまま得たりと笑うのが見えた。
指が俺の中で探るような動きをして、再び白光が走った。
「っく、は、」
「見つけた。気持ちいい?」
神崎が耳許で囁く。
「な、なんか、痺れるような、っぁあっ!」
これは快感なのか?強烈すぎて分からない。
「神崎の、大きな手、も、好き、っっ!」
「気持ちいいから?」
「違、ぁああっ!も、やめろ!」
「やだ」
くそ、今日は神崎が言うことを聞かない。
腹側のその場所を触られると、強い快楽のような刺激が走り、恥ずかしいほど声が出る。
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