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8-わんこ卒業(6)
「ね、槙野さん。そろそろ解れたから挿入 れていい?」
「ん、」
気づかないうちに眉間に力が入っていたらしく、向かい合った神崎が微笑んで温かい指先をのばしてきて、ぽ、と触れられると力が抜けた。
手早くゴムをつけた神崎が俺の脚を肩に乗せるようにして、腰の下にクッションを入れた。
「力、抜いててくださいね」
ローションのボトルの蓋を閉める音がして、さっきまで指が入っていたところに、更に質量のあるものが押し付けられる。
ぬる、とほんの先端が入る。それだけで少し苦しい。
俺の腰をつかむと、更に先を入れてくる。
孔が目一杯拡がる感覚。
「痛くない?」
「だいじょう、ぶ…………つっ」
痛みに思わず呻くと、神崎は腰を引いた。
「ゆっくりするね」
口づけを交わしながら、神崎は小刻みに入れては引き、入れては引き、を繰り返してそこを馴らしていった。
そして、おそらく一番太いところにさしかかり、腰の動きを一旦止めた。
「槙野さん、ちゃんと息してね?」
ゆっくり、ゆっくりと神崎が俺の中に入ってくる。
じわり、じわりと俺は神崎を受け入れていく。
「ふう……。一番太いとこは入ったよ」
神崎も疲れたのか、額の汗を拭った。
「暑いだろ。シャツ脱げよ」
神崎はまだ長袖シャツを着たままだ。しかし、俺が促しても神崎は頷かなかった。
「んー、この間の手術の痕が結構エグいから、やめとく。見たらたぶん、萎えるから」
神崎はぎこちない笑みを浮かべてみせた。
「そうか?」
俺はそれ以上深くは追及しなかった。
「それより槙野さん、まだまだ全然入ってないからね」
気を取り直して、にこりと笑った神崎は体を密着させて俺を抱きしめた。
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