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8-わんこ卒業(8)
神崎が俺をきつく抱きしめたまま離さない。
荒く熱い吐息が耳にかかり、押し付けられた心臓は早鐘を打っている。
汗の匂いもなぜか心地よく、当然神崎のは俺の中に入ったまま。
俺はぎりぎり届く神崎の頬にそっとキスをした。
神崎がようやく動いて、俺の顔を見た。
「……」
黙って俺の目を見つめている。
「…………夢?」
ぽつりと神崎が呟いた。
「夢じゃない」
「夢でしょ?だって、俺なんかが、槙野さんと、だなんて」
こんなに物分かりの悪いやつだったか?なぜか現実を認めない。
「夢だったらどうするんだ?」
「こんなの、絶対出しちゃってるから、起きてしょんぼりする」
真顔でそんなことを言うから、思わず笑った。
「だって一瞬意識が飛ぶくらい気持ちよかったんだもん!こんな夢酷いよ!」
俺は神崎に優しくキスをした。
「夢じゃないから安心しろ」
「……ほんとに?」
「ああ」
神崎が俺を抱き直す。
「じゃあ、もっかいしてもいい?」
「……は?」
「もう一回しよ?俺まだ足りない」
そう言ってディープなキスを一つ。脳がとろけるやつ。
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