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【番外】思い出ショウタイム(1)

「ふわあぁぁぁ……ただいまですー」 俺は大あくびをしながら家のドアを開けた。 帰ってきたのは何日ぶり? にぃ……さん……四日ぶりかー。 まだ朝四時。槙野さんは当然寝てるみたい。 「つーか、今のご時勢泊まり込みで仕事とかありえないし。何かの法令に引っ掛かれよ、もう」 こんな文句も何度目だろ。 職場の簡易ベッドで仮眠をとるのも、椅子を並べて寝るのも、デスクに突っ伏してうたた寝するのももう当たり前になっちゃった。 でもやっぱり家が一番だ。槙野さんがいるこの家が。 足音を消してそっと着替えを取ると、シャワーを浴びる。 わざと熱めにしたお湯が鈍化した皮膚と麻痺した脳みそを叩き起こしてくれる。 普段よりボディーソープもシャンプーも多めにして、泡々で全身を洗った。 ヘビロテしているボディーソープのミントの香りが帰って来た実感を与えてくれる。 気がすむまで全身くまなく洗って、バスルームを出た。 すっきりすると、今度は食欲が頭を出す。 「ごっ飯、ごっ飯」 小声で歌いながら、余り物でもないかなと期待して冷蔵庫を開けると、豚のしょうが焼きが一皿入っていた。 傍らには「おかえり、神崎」の小さなメモが置いてある。 「~~!!やばい、泣くっ」 明らかに槙野さんの一食分より多い量だ。俺のために作ってくれたんだ。 今すぐに寝室に飛んでいきたいのを我慢して、しょうが焼きとご飯を電子レンジで温める。 しょうがの香りが強烈に空腹を刺激する。 冷蔵庫に別に置いてあったキャベツの千切りを添えて、寝室の方向に手を合わせて早速食べ始めた。 「美味しいです、槙野さーん」 コンビニ弁当に慣れた舌には、極上のご馳走だ。 優しい味が胃と心に染みる。本気で泣きそうだ。

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