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【番外】思い出ショウタイム(6)
手探りでベッドサイドの小物入れからローションを取る。
頑張って起き上がると、槙野さんの腰を引く。
「槙野さん、腰起こして」
「ん、んん」
白い肌の上に、手のひらで温めたローションを垂らすと、槙野さんが背中をこわばらせた。
すぐに指で馴らし始め、こわばった筋にキスを落とす。ちゅっとやるたびに体から力が抜けていく。
つるん、と案外簡単に二本目の指が飲み込まれる。
いつもだともうちょっとかかるのに……?
「槙野さん?」
「ん」
「もしかして、一人でしてました?」
意地悪く聞いてみる。
「なんでだよ?」
槙野さんは表面上は冷静に聞き返してくる。
「だって、解さなくても指入るもん」
飲み込まれた三本の指で、ある一点をぐりぐりとなぞる。
「んっ、あぁっ」
白い背中が捩れる。
「してたでしょ?ねえ?」
「し、てなっ、そこやめろっ」
「そんなに気持ち良さそうなのに?やめちゃうの?」
「はぁ、あっ」
槙野さんの上擦った声が俺の苛虐心を煽る。
「じゃあ、おしまい、ね」
俺は槙野さんの中でのたくっていた指を抜くと終了を宣言した。
「へ?」
槙野さんは片手で顔をおおって荒い息をついている。
「なんでやめるんだよ」
「やめろって言ったじゃん。それに槙野さん嘘つくんだもん」
「嘘、なんてっ」
「じゃあほんとのこと言ってくださいよ。一人でしてたでしょ?」
槙野さんが顔をおおったまま固まる。
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