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【番外】甘えホーダイ月額キス31回(3)
「ねぇねぇ槙野さん」
声のトーンを落として、座ってる槙野さんの脚を抱えて俺の膝に乗せる。
意図を察した槙野さんが、向かい合わせになるように跨って座ってくれた。
しばらく見つめ合う、いや、俺が槙野さんに見惚れる。
彫刻家が丹精込めて”美”を具現化したようなその面立ちが、ほんのりと染まった。
「そんな、まじまじと見るなよ」
「だって綺麗なんだもん。魅力的で、大好きだから、つい見つめちゃうんです。しょうがないでしょ?」
呆れ半分、照れ半分くらいの割合で槙野さんが微笑む。
「俺は神崎みたいに素直で真っ直ぐじゃないから滅多に言えないけど、神崎だって魅力的なんだぞ」
……はへ。なに、それ。
「鼻筋が性格表すみたいにきりっと真っ直ぐ通ってて、男らしい。でも唇は、目立たないけど実は柔らかくて、キスすると気持ちいい。もちろん、これは俺しか知らない秘密だ」
ま、槙野さんが俺を見つめて優しく微笑みながらいじめてくる!
ひどい! 俺どこ見ればいいの? 調子にのって槙野さん膝の上に乗せちゃったから逃げられないよ!
恥ずかしいじゃん!
「お、俺、きりっとなんか……してないもん」
ぼそぼそ反論したら、槙野さんがくすりと笑った。
「そうか? あとな、笑顔が好きなのは知ってると思うが、仕事中に真面目な顔してると、ああ、こいつも立派に大人の男なんだなって思う。うん、俺だって見惚れてるんだぞ。可愛いけどかっこいいなって。分かってるか?」
もうだめだ、俺、今顔が焼けそうに熱い。目がぐるぐるしてきた。
「や、やだ、そういうのは、ちょっと……ダメです」
お腹に力が入らなくて、か細い声しか出ない。
「ダメじゃないだろ? たまには俺にも言わせてくれよ」
槙野さんがおでこにちゅってキスして、俺を抱きしめる。
逃げられない! 逃がして! 誰か助けて!
もう、どこが甘えホーダイなの? お願い、もう恥ずかしくて限界なんだから!!
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