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【番外】甘えホーダイ月額キス31回(13)

「ん、んっ、ぅ、あっ」 俺の顎から汗がしたたり落ちていく。 「ね、槙野さん……どこ? どこがいい? 前立腺?」 槙野さんが身をよじるトコロをえぐるように突く。 「それとも、こっち? 奥がいい?」 指じゃ届かなかった奥を、突きとおす。 ああ、だめ、槙野さん。なんでそんなに扇情的なの? 腰が止まらないじゃん。 「ぅ、ぉくっ、奥がいいっ! 神崎の全部、寄越せっ!」 槙野さんが少し振り向いて、喘ぎながらもまた俺を煽る。 俺は全部あげたいし、あげてる。でも、槙野さんも俺の全部欲しいって。 「ぜ、んぶって……そんなことほんとに言われたらっ……!」 「は、ぁ、あッ」 苦しい。 胸がきゅんって締め付けられて苦しい。 全部って、俺の心臓も入ってるよ。 槙野さん。 ほんとに全部だよ。 たぶん重いよ。 いいの? 「いいからっ! んぁっ、うッ、早く、全部っ!」 いいよ。槙野さん。俺の全部、あげる。 ◇ ◇ ◇ 体の中の熱を吐き出すような呼吸で、俺は全てを注いだ。 槙野さんを抱きしめたかったけどそれは難しかったから、最後の一瞬、槙野さんが伸ばしてくれた手を掴みながら。 頭がおかしくなりそうなほど、俺も槙野さんの全部が欲しかった。 いつだってそうだ。いつだって冷静じゃいられない。 槙野さんのことになると、俺は少しおかしくなる。 槙野さんに欲しがられたら、俺はなんでも捧げられる。たとえそれが俺の全てだとしても。 全部捧げて……いつか、俺は槙野さんの心臓になりたい。 やっぱり俺は少しおかしくなってる。 でも、本当にそうなりたいんだ。 そして、槙野さんが生きてる証を、俺が刻みたい。 二人が果てるまで。

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