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第4話 住める場所
家へ向かう途中、康太は一生の背中によじり登った
こなきじじぃ並の康太を背中に引っ付け、一生は家の中へ入って行った
「暑ちぃって…康太!」
一生は文句は言うが、康太を落としたりはしなかった
玄関に来ると、榊原が一生の背中の康太を剥がし、抱き上げて部屋へ戻ろうとした
すると応接間から飛鳥井玲香が顔を出し、全員を手招きした
榊原は康太を抱き上げたまま応接間に入り
康太が何時も座る場所に、康太を座らせ、その横に座った
隼人は康太に抱き着き、一生は榊原の横に座った
聡一郎は隼人の隣にすわり、力哉は一生の隣に座った
玲香は、康太と榊原にリフォームが終わった事を告げた
「お前達、夫婦の部屋が出来上がった
今日からその部屋へ移るがよい
服や下着は殆ど移しておいた
お前達の部屋の家具は榊原のご両親からの贈り物
後で御礼を言っておくのですよ
此よりお前達の部屋は3階だ
これが家の鍵で、こっちが部屋の鍵だ。」
玲香は康太と榊原の前に鍵を2枚ずつ並べた
「子供部屋は、追々作る事にして
取り合えずお前らの部屋を先に作っておいたわ」
康太夫婦の部屋の鍵を渡した後に、玲香は一生達に向き直った
「一生、聡一郎、隼人、力哉、悠太の部屋は2階に用意した
少しの間、瑛太も2階で暮らす
妻を娶った後、総代は一階で暮らす
其方の部屋は12畳のフローリング、バス・トイレ付きだ
家具はお前達も榊原のご両親からの贈り物だ
後で御礼を言っておくのですよ。
そして、これが玄関の鍵と部屋の鍵です
此より一階はリフォームに入る
少しの間、煩いが我慢するがよい」
そして、玲香は立ち上がり
「部屋にネームプレートを入れました
案内するので、いらっしゃい。」
と、康太達に告げた
康太達は立ち上がり、応接間から出る玲香に着いていった
「まずは3階、康太の部屋から。」
玲香は3階の康太達の部屋へと案内した
3階は天窓を取り込み…凄く明るく、子供が育ちやすくなっていた
子供が4人…と、言っただけあって、4部屋分の部屋は作ってあった。
その奥のドアを玲香が開ける
ドアを開けると、広いリビングがあった
そして、奥の部屋を開けると…ダブルベットが置いてあり…夫婦の寝室って感じだった
寝室の隣のドアを開けると、榊原の仕事部屋になっていて、重厚な机と本棚が誂えてあった
「母ちゃん…何か凄すぎねぇ?」
康太が顔を赤らめた…
玲香は、一通り部屋を案内すると、2階に降りて行った
そして2階に下りると、マンションみたいな感じに様変わりしていた
部屋の扉にはネームプレートが入れられており、間違える事はない
「これが『kazuki』の部屋だ」
扉を開けると、12畳のフローリングに壁には備え付けのがクローゼットが在った
クローゼットの扉には姿見までついていた
ユニットバスだが、バス・トイレ付きだった
部屋の窓は広く、明るい部屋だった
そして、廊下に出て
「部屋にはネームプレートがある。部屋の作りは全部一緒だ
『souichirou 』『 hayato 』『rikiya』『 yuuta』 『eita 』と、間違えないようにプレートを着けてある
部屋は防音だ
多少は騒いでも影響ない…何か質問はあるか?」
一生は「此処で俺等は住んでも構わないのですか?
寮費を払うみたいに光熱費とか払うつもりですが…。」
と、ケジメを着けるために敢えて言葉に出した
玲香は「真贋にとってお主等は欠かせぬ存在ならば、一緒に暮らせばよい
気が引けると言うのならたまには飛鳥井建設にバイトに来ればよい
部屋代は労力でな」
そう言い笑った
「まぁこれからは応接間も広くなる。
そちらで過ごしても構わぬ。楽に過ごせ」
玲香はそう言い、一階へと降りて行った
康太は部屋を見てくるわ!と言って3階に上がって行った
康太と榊原は、困っていた…
夫婦の寝室に入って直ぐのリビングのバカデカいTVに…ヒラヒラのカーテン
寝室のダブルベットにヒラヒラのカーテン
何だか場違い…
リビングのソファーも家具も、総て統一されていて、榊原の両親には…大金を使わせた…
「伊織…清四郎さんに凄いお金使わせたな…どうするんだよ…」
康太が言うと、榊原は
「この家具は母の趣味…成城の家の家具は母が選びました…似てるでしょ?」
「高いよな…?」
「多分…」
「伊織…どうしょう…」
榊原は康太を抱き上げた
抱き上げて…ベットへ運ぶ
「伊織…電話…お礼言わなきゃ…」
「ベットの寝心地を確かめてからね」
榊原は寝室の鍵をかうと、康太をベットに寝かせた
康太の上に重なり…息もつかない…接吻をされ…康太は榊原に溶かされる
「ぁん…伊織…硬い…」
「康太が…欲しくて…堪らない…」
脈打つ榊原の熱さに…康太は汗ばむ…
「伊織…クーラー…熱い…」
榊原は寝室のTVの横にあるクーラーのリモコンを取り、クーラーをつけた
はぁ…はぁ…と荒い息に混じり…
康太の刹那げな喘ぎが…漏れる
「ぁぁっ…伊織…入れて…ねっ…伊織…」
肉壁が蠢き絡み付く…早く入れてと…康太はせがんだ
スプリングの良いベットは…榊原の動きに合わせて、揺れる
榊原は、ベットに凭れかかると、康太を抱き上げた
下から狙ったように…康太の中へ…潜り込み…犯す…
榊原の上に乗った康太は…腰を動かし…奥へと榊原を導く
「伊織…愛してる…好き…大好き…」
康太は魘されたように…言葉を吐き出した
榊原も腰を動かし康太へ囁く
「僕も愛してます。…っ…緩めて康太…」
康太の中が…榊原に纏い…絡み付く
「伊織…解んない…どうしょう…」
榊原は康太を抱き締め…康太の奥の前立腺を掻き回した
「ぁん…あぁん…イクッ…イッていい?」
「触らずにイッて…」
康太は榊原に抱き着き…後ろの刺激だけで…白濁を撒き散らした…
康太が…体内でピクンピクン…と震える榊原の性器を感じる
グルグルと肉壁が榊原に蠢き纏う…
体内で育って行く…榊原を感じていた
二人は…幾度も交わり合い…ベットのスプリングを確かめ合った…
そしてホテルばりの浴室で…康太は這いつくばった後ろから…犯された…
ベットの寝心地を確かめるのに…4時間はかかった
気付くとすっかり夕飯…の時間で、二人はキッチンまで下りていくと、既に全員食卓に着いていた
一生は、榊原に「ベットの寝心地は、どうだった?」と冷やかした
「悪くは無かったですが、康太がいれば僕は何処でも構いません」
榊原も、しれっと一生に応戦した
康太は沢庵をポリポリ…食べてた
「瑛兄、明日オレは戸浪に行く。」
康太が言うと……瑛太は何故戸浪に?と首を傾げた
そんな瑛太にはお構いなしで、康太は更に続ける
「戸浪へ行く前に弥勒を連れてくる
弥勒と共に戸浪へ行って片付いたら、次は兵藤と田邊政親の所へ行く
オレの暗殺の依頼は二件同時に行われたそうだ
戸浪の若旦那も狙われていた
田邊の方は逢わねぇと確証はねぇが…身近にいるだろうから確かめねぇとな
オレは転生の儀から弱まっていたからな…隙を突っつかれたんだよ!
だが相手は殺す事に躊躇していた
相手が本気なら…オレは死んでいた…」
相手が本気なら……って事は…瑛太は康太に声をかけた
「その呪術師…知っているのか…?」
瑛太は唖然と…呟いた
「今日、掴まえた
ニュースで桐生院の家で不審死…みたいなのが流れなかったか?」
康太が聞くと…PCにそんなニュース入っていたな…と瑛太は思案する
「オレが呪詛返しした結果…あぁなった訳だ…。人を呪えば跳ね返る。
返れば代償は命…仕方あるまいが…今後も狙われたら…堪らねぇ…だからオレは行く」
康太が断言すると、瑛太は
「飛鳥井の真贋…即ち飛鳥井の生命線を狙われて総代として黙ってはおられぬ…私も行こう」
怒りを露にした
「瑛兄は、出なくて良い
弥勒と共に行くと言わなかったか?
瑛兄が出ると大きくなる…それは本意ではない…」
瑛太はぐっ…と押し黙った
「今日掴まえた呪術師は、生かしてある」
康太が言うと瑛太は…何故…と言葉を発した
「何時か弥勒の呪術を継がせ…オレに還るからだ」
自分を殺そうとした人間を…
瑛太は言葉を失った
「瑛兄…人には道がある…
それを見極めねばならねぇ時がある
棄てられた命は拾えるなら拾う
そして道を与え、チャンスを与える
それをどう生かすかは…その人間の手中に有るが…それを使える様にするのは拾った側の力量に掛かっている…」
瑛太は…飛鳥井家真贋の……果てのない器のデカさ感じていた
そして「弥勒に行ったなら…澄香にも有ったのですね…?」と、話題を変えた
「すげぇ熱烈歓迎だったぜ!
ったく…最近、そればっか…だ。」
「そればっか…?」瑛太が問い掛ける?
「兵藤んちの美緒…熱烈歓迎されまくった…その上澄香だ
澄香の奴、姉妹で揃って康太に逢う…とか言うるかんな怖すぎるわ…」
瑛太は苦笑した…3姉妹揃っては…怖すぎるから…
「美緒さんは…未だに熱烈歓迎か…」
瑛太かごちると…玲香が
「仕方あるまい…美緒は康太にぞっこんじゃ…
未だに康太がうちの子に…の熱望は褪め病まぬ…」
と、付け加えた
瑛太は「モテるな康太…」と、揶揄した
康太は嫌な顔をして瑛太を見た
「美人なんだけどなぁ…男前過ぎる…。」
康太は沢庵を口の中へ入れた
康太が呟くと…一生が
「お前には男前の伴侶がおろうが!
文句を言うな!」
と怒った
「伊織は男前だもんな
好き過ぎて寝込みを襲う程にな…」
……と、心境もポロっと落とす
「それはお前のもんだ
誰も盗りはしねぇだろ!」
一生が言うと康太は嬉しそうに笑った
「伊織のいない世界では一秒だっていたくはねぇ…」
沢庵を、食いながらの…熱烈な告白を受け、榊原は目眩を覚えた
「康太、それ以上言うと口を縫うぞ!」
一生が言うと、聡一郎に頭をスパーンと殴られた
「聡一郎…お前…キャラが変わった…」
フランス人形だったのに…フランス青年に変わってるやん…
「そうですか?
多分…僕の本来の姿に康太が軌道修正したんですね!」
聡一郎は、しれっと放った
康太はずっと笑っていた
その姿こそ四宮聡一郎本来の姿
長い父親からの呪縛から解き放たれた…本来の姿
康太は聡一郎を見詰めた
優しい康太の瞳に聡一郎は笑った
食事を終えた康太に、隼人が甘えた
「隼人、一人の部屋で耐えれるんか?お前…」
康太が聞くと、隼人は
「淋しくなったら…どうしょう…こーた?」
と、情けない顔で康太を見た
「そん時はオレの所へ来い
その為にオレ等がいんだろ?」
「こーた…。オレ様…頑張ってる…。」
恐怖を乗り越え、隼人は役者の仕事を頑張ってやっていた
また一回り…一条隼人は大きく成長した
「見てる、頑張ってんな
また何処かへ行こうな
今度はユニバーサルスタジオにでも行くか?」
隼人は康太に甘えて、何処でも良い…と、言った
康太がいれば…何処だって良い
康太のいな場所では…もう生きられないのだ
居心地が良いから…康太の場所にいたい訳ではない
飛鳥井康太と言う人間は…自分にも人にも厳しい…から…
でも側にいたくなるのは…そこに康太がいるから…
隼人は康太に抱き着いた
康太が見ていてくれるから…もっと駆け上がる…
誰もが納得する…役者になる…
隼人の決意だった…
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