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第13話 榊原伊織
康太
康太
康太
愛してます
康太
康太は15日になると、後3日
オレには触らず…性欲を高めて発情しておいて…と告げた
一緒に寝て、康太をその手に抱いて、触るのに……セックスへと突入するな…と言うのだ
榊原は物凄い理性で己を律し、堪えていた
だがその分、榊原の迫力が増し、鬼の威名を欲しいままに睨みを効かせていた
一生が榊原を、見て呟く
「怖くねぇ?」
すると聡一郎は「欲求不満でしょ?」と、さらっと流した
日に日に…榊原の眼光はキツくなり、生徒は怯えた
中等部の生徒なんて、見るだけで…チビるとまで謂わしめた
そして、やっとこさ、9月18日
榊原の怖さはMAXになっていた
一生に恐怖の大魔王……とまで、謂わしめた 、榊原伊織、鬼の威名は健在だった
それが欲求不満で出来てるとは……
若干、四名以外は知らない事だった
ストイックに立ち振る舞う榊原は、自分でも誉めてやりたい位堪えた
でも時々 ……… 叫びたくなり
「あぁっ犯りたいっっっ! 」
と、叫んで清家に飛び蹴りをかまされたのは……言うまでもない
ダラダラ歩く生徒に、榊原が切れる
「テキパキ歩けるように、蹴り上げましょうか?」
なんて笑顔でさらっと吐き出す言葉に生徒は青褪めた
ハードな練習に動けない生徒には
「折り畳まれたいですか?」
なんて吐き捨て
榊原の目の前でイチャイチャしてる生徒には
「永久の別れをお見舞されたいですか! 」
と、低い声で脅され……
慌てて離れて逃げ出した
そして、それら総ての苦情が生徒会に上がり、兵藤から清家に何とかしろ
と、命令が下った
清家は康太の所へ向かい、談判した
「お前の亭主であるう!何とかしろ!!!!」
と、…苦情を言った
「清家、許せ
訳があるのだ。
今夜で片付く。
明日からは元に戻る…」
康太にそう言われると、清家は引くしかない
今も目の前で榊原が毒を吐く
目の前の、練習をサボるカップルを睨み付け
「ほほう。命知らずな奴等だ
練習に戻るか、戻れぬ場所に行くか選ばせてやろう!」
なんてニャッと笑われたら…一目散に逃げ出すしかない
康太は榊原の側へ行った
「康太!」
嬉しそうに優しい顔に戻る
榊原の威名は『鬼』から『大魔人』に変わったのは言うまでもない
生徒の目の前で、狂暴なドーベルマン犬が、従順なコリーに変貌を遂げる
それを調教するのは飛鳥井康太…
康太の威名が何時しか『猛獣使い』になったのは必然…なのか?
「康太、こんなに暑いんですから、スポーツ飲料を飲まないと、熱中症になってしまいますよ 」
なんて甘い優しい顔を向け囁く姿は、溜め息が出る程、男前でスマートなのだが……
近寄りたくはない人物へと変貌を遂げていた
康太は学校に残していても、被害者が出るだけだと……現実を見る
そして清家に告げた
「清家、今日はもう連れて帰る
明日の予選は普通になってる
伊織も執行部部長として伝説を残す…それで良いな、」
「あぁ、そのドーベルマンは連れて帰られよ
苦情が出まくりの狂犬だな…それは。」
清家は笑って送り出してやった
康太は榊原に手を差し出した
榊原は、戸惑う事なくその手を取った
仲良く歩く二人の後を、一生、聡一郎、隼人は着いて行く
見送る瞳を感じつつ、康太は歩いた
着替えてクラスを出ると、榊原が康太達を待っていた
康太は力哉に迎えに来てもらうように電話を入れると、正面玄関に移った
暫くすると力哉が迎えに来てくれ、康太達と榊原は車に乗った
榊原は康太を抱き締め……擦り擦りしていた
一生は康太に「大魔人…とか、ドーベルマンって言われとるがな…旦那」と声をかけた
康太は眉を顰め…一生…と、たしなめた
聡一郎は「康太は猛獣使いだそうですよ…」と、笑って言う
隼人は「伊織は欲求不満になると怖い…」とトドメを刺した
榊原が情けのない顔で康太を見る
「今夜で我慢は終わる…後少しだ…」
康太が告げると、嬉しそうな顔をした
「康太と出逢って旦那は変わったな…」
一生が苦笑する
「生徒会、執行部 部長 榊原伊織は
冷静沈着、寡黙で、デキる男と謂われてたのに…。
容姿も役者張りでイケメン…抱かれたい男ナンバー1だったのにな…
まぁ俺等は今の旦那の方が良い。
付き合いやすくて頼れる奴だからな。」
一生の言葉に榊原は、笑って
「康太以外に興味もないので、どうでも構いません。
一生も聡一郎も隼人も、康太と切り離せない存在
嫌われたくはないですからね、気取ってなんか要られませんよ…」
と、言葉にした
「旦那…今夜行ってやるのか?
康太の為に ……」
一生が言うと、榊原は頷いた
「康太が望むなら…僕は行きます…」
「朝には着替えに戻ってくるんだろ?」
「ええ。休めませんからね。」
「ならば、待ってるからな…」
一生は榊原の肩を叩いた
飛鳥井の家に到着すると、康太と榊原は自室へと向かった
寝室の部屋の鍵をかうと、康太は榊原に抱き着いた
「長かったな…3日…」
「最近は…3日も触れ合わない事はないですからね。」
康太は伸びをして榊原の唇を求めた
榊原は康太を抱き上げ、ベットに腰を下ろすと………
康太の唇を貪り、舌を絡めた
康太の制服に指を忍び込ませ、乳首を弄る
「伊織…3日の我慢が無駄になる……」
「解っています…」
名残惜しく…互いの体から…離れると、着替えを始めた
着替えると、応接間に降りて行き、夜になるのを待つ
玲香が帰宅して、夕飯を作り出すと、康太達はキッチンに移り、アイスを食べ出した
玲香は康太の口に沢庵をポイッと放り入れる
康太はそれを食べて、嬉しそうに笑った
夜、9時を過ぎると、康太は立ち上がった
「伊織が運転してく?力哉に頼む?」
康太が聞くと、榊原は
「僕が運転して行きます」
と告げた
玄関の車の鍵置き場から軽自動車の鍵を取ると、榊原は靴を履いた
康太も靴を履き、外に出ると月が綺麗に光っていた
康太は榊原がエンジンをかける間、空を見上げ、月を見ていた
「康太、行きますよ。」
榊原に呼ばれ、康太は車に乗り込んだ
康太は欲情して、妖艶に笑っていた
「場所は解る?」
「この前、行きましたよね?」
「あぁ。解るのか?一度で?」
「僕は道を覚えるのは得意なんですよ。」
榊原が言うと、康太は微笑んだ
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