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第16話 桜林祭 1日目

悠太 見てろよ オレの遺す桜林祭を! お前の目に焼き付けろ お前に兄の背中を遺す だから、お前は 兄の背中を 越えて行け 中、高、合同桜林祭 1日目 この日は予選 2日目の大会本選に出れるクラスを決める トーナメント方式で試合を組む前の予選 中等部の勝ち残ったクラスと 高等部の勝ち残ったクラストが 闘い、勝敗を決める そして大会の目玉は生徒会ドリームチームとの闘いだ 中等部の生徒会のドリームチームと 高等部の生徒会のドリームチームとで 闘う 中等部生徒会のドリームチームには悠太や葛西が 高等部のドリームチームには兵藤と清家と榊原と四悪童が 闘う事になっていた 生徒は秘かに、それを楽しみにしていた 朝、礼台に上がり高等部生徒会長 兵藤貴史が開会の開始を告げた 「長い挨拶は疲れる 頑張って予選を勝ち進め!良いな! 中等部に負けたらトイレ掃除半年やらせんぞ! 気合いを入れろ! 高等部の底力を見せてやれ!以上!」 校庭は熱気に高まっていた 康太もマイクを受け取り 「高等部の底力を、見せてやれ!」 と声を上げると、校庭が地響きを上げて盛り上がった 生徒達に出来る一体感 予選の火蓋が切って落とされた 康太達四悪童は生徒会とドリームチームに入るから、クラスの選抜には入らず、兵藤の横で座っていた この日は、中等部も、高等部も、予選だから各々のグランドで選抜を決めている 康太は生徒会用テントの中でPCを見ていた 康太は兵藤の後ろに座る清家に、仮装は決めたのか聞いた 「清家はどんな仮装をするんだ?」 「僕は今年はしません。」 あっさり返ってきた 「かぐや姫でもやれよ!」 「嫌だ。暑いでしょ…」 「貴史は光源氏だぜ。」 「なら僕は牛若丸で良いです。」 「姫はダメか?」 「飛鳥井は?何になるんですか? 榊原と派手に結婚式でも挙げますか? ウェディングドレスでも着ちゃいますか?」 康太は絶句した…… 後ろで一生達は大爆笑 「清家、オレは女装してろくな目に合わんからな、女装はヤメた 最近、変態が入って来てるからな……」 康太は呟いた 清家はたらーんとなった そんなまぢで返されても……返答に困るつうの! 康太の隣に座る榊原が、康太の耳元で 「あれは変態とは言いませよ 味わいたいなら変態を味わいますか?」 と囁いた 康太は首をふった 「まぁ僕は悟空でも良いですがね。」 悟空でイケるのかよ! 清家は絶句した それを変態と言わずして、何を変態と言うのだ!! 清家は軽い目眩に襲われた 気を取り直して、榊原を無視した 康太は笑っていた 兵藤は呆れ顔で、一生達は毎度の事で平気だった 座ってるのに飽きた康太は、立ち上がりうろうろと歩き出した 兵藤は落ち着きのない康太は予測ずみなのか 「康太、歩くなら視察に行ってこい 」 と、告げた うろうろと歩いていると、体育館の裏で音がして、康太は覗いた すると、そこには一人の生徒に5人位の生徒が暴行を加える姿があった 康太は一生達に目配せすると、ソイツ等を取り囲んだ ソイツ等が気づいた時には、もう遅く動きを封じられていた 「一生、この学園にも虐めの問題が有ったのか…」 康太が問うと、一生は 「虐めなんてのは、何処にでも存在するだろ? ない学校なんてねぇよ!」 と答えた 「そうか。オレが知らなかっただけか…」 誰も飛鳥井康太へは手を出さない 出せば痛いしっぺ返しを食らう 弱そうに見えて康太は合気道も少林寺も黒帯だ 康太はスマホで虐めの現場の写真を撮った 「これでもしソイツが死んだなら、証拠写真として出してやる」 康太は虐めてる奴等を見て、嗤った 聡一郎は「2年A組の、伊藤淳司、中村慎二、柴田那智、進藤涼 、西嶋叶、そして虐められっ子が、朝霞ローランド昴」とフルネームで名前を上げた 虐めっ子は唖然として 虐められっ子は呆然として 康太達を見ていた 「さてと、つまらん!行くか。」 康太は興味がなくなったかのように、背を向けた 虐めっ子は慌てて康太を止めた 「写真を消せよ!」 康太の肩を掴もうとして、康太がスルッと避ける 「オレに触るな! 隼人、貴史を呼んで来い!」 隼人は一目散に走って、生徒会のテントに向かった 榊原は走ってくる隼人の姿に、何かを察知して席をたった 榊原が席を立つと、兵藤も後に続いた 「隼人、何かありましたか?」 榊原が声をかけると 「康太が呼んでる!」 と答え隼人は走った 榊原と、兵藤は走って隼人の後を追う 体育館の裏に着くと、康太の姿を目にした 「何がありました?」 虐めっ子の目の前に……… 大魔人の威名を持つ、執行部 部長の姿があった その後ろには生徒会長 兵藤貴史が立っていた 兵藤は康太に近寄ると、何があった?と尋ねた 康太は「探索にでたら、集団で一人を虐めてたからさ ソイツが自殺したら証拠写真を撮ってやったんだ。 つまらねぇから帰ろうとしたらオレに手を出して来た。 殴り返すにしても、証人を用意しねぇとな、オレには不利だかんな!」 と、指をポキポキ鳴らしながら嗤っていた 兵藤は「お前等命知らずだな…… アイツに手を出したら…半殺しだ。 しかもお前等がやってる事を考えたら…… お前等は訴えても負ける…。」と、康太の腕っぷしの強さを教えてやった 「会長、僕等は無関係ですので、これで失礼。」 と、逃げようとする男を康太達は動かさなかった 「ほれ!貴史、見せてやんよ。」 康太からスマホを受け取り見ると、そこには集団で暴行を加える姿があった 「おぉっ!我が校にも虐め問題あったとは、解せませんね しかも合同祭の最中にやってるなんて、もっと解せねぇなぁ!」 兵藤の、眼光が虐めっ子に向けられた 「証拠はあるし、名前も知っている さてと、どうしょうかな?」 兵藤は榊原に生徒会の役員を集めろ!と召集した 「康太、お灸を据えてくるな!」 兵藤は虐めっ子を連れて、何処かへ行った 康太は虐められっ子を見て笑った 「おい!苛められっ子 お前は自分の容姿に劣等感を持つあまり、虐めっ子の言いなりだ 虐めっ子も…沢山集まらなきゃ虐めも出来ねぇ情けねぇ奴だ。 どの学校でも虐めはなくならねぇ! なくならねぇけど生きて行かねぇとならねぇんだよ! 虐められっ子、着いて来い!」 康太は朝霧ローランド昴の首根っこを持つと 引きずって生徒会のテントへと連れて行った 虐められっ子を一生に見張らせとくと、康太は神野に電話を掛けた 「神野、良いもんやるからさ学校まで来い」 康太が言うと 「夜から撮影があるから、どっち道隼人を連れに行く…」と返事があった 「神野んとこさモデル要らん?」 訝しげに「モデル?」と問う 「あぁ、モデル! この間のホテルの貸しを返せよ神野 オレの渡す奴を育てろ 育ててお前んとこの看板にしろ 一条隼人を頭に据えて、オレの渡したのを育てろ そのうち篁も使えるしな その3人が、お前の事務所の中堅になる そうしたらお前の事務所は安泰だ だから取りに来い!」 と、用件だけ述べると電話を切った テントに戻ると榊原が戻って来ていた そして朝霧ローランド昴を見ると、小さくなっていた モヤシみたいなヒョロっとした外人だった 康太はローランドの横に座ると……殴った 「顔を上げろ! お前は一生地面を見て生きていくのか?」 恐る恐るローランドは康太を見上げた 「顔を上げて前を見ろ!」 ローランドは顔を上げて前を見ていた 兵藤は、昼過ぎには会長の席に戻ってきた 康太は笑って 「お灸を据えたか?」と聞いた 兵藤も笑って「バッチりな!」とウィンクを飛ばした 午後を過ぎると、予選選出のクラスが揃い 1日目は、終了した 兵藤は、朝礼台に乗ると 「本番は明日だ!お前等、気を抜くなよ!」 校庭で野太い声が【オォォォォォッ】と響いた 盛り上がり 康太はマイクをもらう 「明日は負けんなよ、お前等! 高等部の意地を中等部に見せ付けろ!」 拳を上げて訴えると【任せろぉぉぉ!】 と、声か上がる 熱気は明日へと導き 桜林は明日の大会へ続く 兵藤は胸を張り「解散」と告げた 康太は兵藤と拳を合わせ、お疲れ!と言い合った 「ならば、オレは帰るかんな! 」 康太が告げると、兵藤は 「それを持ち帰るのか?」と、聞いてきた 「これを神野にやる為だ」 兵藤は笑って康太の肩を叩いて、通りすぎて行った 駐車場に向かうと神野のステップワゴンが停まっていた 康太は車の窓をノックすると、神野は窓を開けた 「乗れ!」 神野に言われ乗ると、神野は康太の連れてるローランドに目をやった 「それ?」神野は聞く 康太は頷いた 「コイツは当分学校を休ませて使える奴にしろ スタイリストを着けて磨け そしたら、自信も出て来る 預けるかんな。」 康太は神野の車にローランドを乗せると、車から降りた 「乗ってかねぇの?」 神野が聞くと、康太は力哉が迎えに来るから、ソイツを早く連れて行け…と告げた 神野が去って康太は榊原の覇道を詠み、歩いた 一生は電話しろよ…と言ったが 康太は榊原が忙しかったら悪いと……こっそり覗きに行くつもりだった 榊原は、生徒会室ではなく執行部の部屋にいた ドアを開けようとしたら、中から声が聞こえた 耳をすますと、榊原の声が聞こえた 「好きです」 声は清家の声だった 「僕も好きですよ」 その声は榊原の声だった 頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた 康太はその場から逃げるように走った 駆けて来る康太を見て一生達は 「康太!どうしたよ?」 と声をかけた だが、康太は止まらなかった 一生達は、康太の後を追った 「おい!康太、何があった?」 一生は康太の肩を掴んで止めた ………掴まえた康太は……泣いていた 康太はスマホを地面に叩きつけると、走って消えた 一生は叩き付けたスマホを広い、康太の後を追い掛けた 聡一郎も隼人も康太を追い掛けた そして康太は校門を出ると、立ち止まった グズグズ泣きながら……歩いていた 一生達は康太へと近寄った 一生は康太に「何があった?ちゃんと言ってくれ!」と怒った 康太は一生に執行部の部室で榊原が清家に『僕も好きですよ』と言っていたと……言った 「それでお前は逃げて来たのかよ?」 一生は問い掛けた 部室に踏み込んで「何の話してたんだよ?」と聞けば榊原は答えるだろうに…… 「……オレは……聞きたくなんかなかった…」 「お前は逃げずに榊原を問い詰めれば良かったんだ!」 声も上げずに泣く康太を、一生は抱き締めた 「康太!」 「オレは臆病だからな… 確かめるのが怖い…… それで去年も…逃げた 聞けば伊織は答えるが…… もし、やはり清家が一番でした!なんて言われたら…」 康太は震えていた 聡一郎は力哉に連絡を入れ迎えに来させた 康太を飛鳥井の家へ先に連れて行って落ち着かせろ…と、力哉に頼んだ 力哉は康太達を迎えに来ると 「伊織が探していましたよ…」と告げた 一生は力哉に…とにかく康太を、飛鳥井の家へ連れて行け!と、告げ車を降りた 車を降りると一生は、榊原に電話を入れた 「旦那…今何処よ 」 「まだ学校です。」 「ならそこで待ってろ。今行く」 一生は、桜林学園に戻って行った 学園に行くと榊原は、校門の所で待っていた 飛鳥井からやって来る一生を見て、榊原は康太は?と問い掛けた 一生は、康太が床に叩き付けたスマホを榊原に見せた 榊原は康太の壊れたスマホを見て唖然となった 「康太に何かあったんですか?」 榊原は一生の肩を掴んだ 「康太が自分で地面に叩き付けたんだよ 」 一生が言うと榊原は信じられない…顔をした 「何故?」 「お前の覇道を辿って執行部の部屋へ行ったんだよ そしたら清家とお前の愛の告白の場面に出た それで康太はソレを地面に叩き付け…走って逃げた 」 榊原は、……驚愕の瞳を一生に向けた 「どの部分を聞いたのですか?」 「好きです。僕も好きですよ。……の部分 」 一生が答えると、そこだけ聞いたら愛の告白になってしまうではないか…と、頭を抱えた 「清家は生徒を魅了して止まない康太が好きです。って言ったんですよ だから僕も好きですよ。と、答えたんです。」 それを聞いて一生が頭を抱えた 「康太は震えて泣いていた 先に飛鳥井の家へ連れ帰った。」 榊原は、ひび割れた康太のスマホを握り締めた 割れたガラスが榊原に突き刺さる…… それでも榊原は 携帯を握り締めていた 榊原の手から血が溢れ出した 「何故…康太は僕を信じない? どれだけ愛の言葉を口にしても康太には伝わらないのですか?」 一生は、榊原の手から康太のスマホを取り上げると、ハンカチで手を縛った 「僕は飛鳥井の家へ帰ります 清家を呼びます 康太は信じないでしょ?」 一生は、榊原を掴んで泣いた 「康太は臆病なんだ…… 自分に自信がないんだ 解ってやってくれ…」 「一生…」 「清家とお前は噂があった 盗られたくない想いと、お前から聞けない想いとで…… 壊れそうなんだ 解ってやってくれ、旦那…」 榊原は、康太のスマホを見詰める 「その中には僕の写真が沢山入ってるんですよ… そのスマホを康太は地面に叩き付けた 何故?」 「康太の所へ行け!そして話をしろ」 榊原は頷いた その時、一生のスマホが鳴り出した 電話の相手は康太で、家に帰ったから…と、告げた 一生は今榊原がいると告げると、康太は押し黙った 榊原は一生の電話を取ると、 「これから帰ります 逃げずに部屋にいなさい! 逃げたらもう二度と君には逢いません 解りますね?」 と、強い口調で榊原は康太に告げた 「寝室にいる…」 と言い、電話を切った 「旦那…。」 「一生、帰ります!」 榊原は、飛鳥井の家へ帰って行った 飛鳥井の家に着くと、榊原は何も言わず自室に向かった 自室のドアを開け寝室に向かうと、康太はベットに座って榊原を、待っていた 「康太…」 榊原が声をかけると、康太は榊原を見た 康太はまだ制服のままだった 「伊織…」 「君は僕と清家の会話の一部分だけ聞いて逃げ出し このスマホを地面に叩き付けた 何故ですか? 逃げずに部屋に来れば解るのに何故逃げたんですか?」 榊原は冷たい物言いをした 康太は何も言わず榊原の顔を見ていた もう泣いてはいなかった 爪が食い込む位、拳を握り……… 康太は榊原を見ていた 「オレは臆病だから…不安になると…… ダメダメで、逃げるしか出来ない…」 榊原は、康太……と、溜め息をついた 「伊織…」 康太は言葉が出なかった そして落ち込んで、もう榊原を見てはいられなかった 榊原が部屋を出たら…泣こう 康太は俯いて、地面を見ていた すると、寝室のドアが閉まった 榊原は出て行ってしまったかも… 追わなきゃ… 追わなきゃ…… 想いはあっても…… 体は動かず、康太は泣いた ベッドに顔を埋め、泣いた ベッドに残った榊原の残り香が匂った 追わなきゃ!とベットから飛び起き…… ベットから下りた そして足を取られて倒れた 部屋に榊原がいなくて… 康太は絶望で……泣いた 榊原を信じなかった自分がいけないのだ 飽きられてしまったんだ 榊原の沢山入ったスマホを投げつけて壊したのだ そして逃げた やっている事は最低だ 康太は床に崩れ落ち泣いた 榊原は部屋にいなかった きっと呆れて…出て行ってしまったのかも… 榊原を失う恐怖… 生きていけない…絶望感 伊織がいなきゃ生きていけない 伊織… 伊織… 何故、逃げたのか? 逃げずに戦えば良かった 康太は立ち上がると、カードを手にした 榊原を探しに行こう 例え二度と此処へ帰ってこなくても 引導を渡してもらおう そしたら、愛された想いだけだ生きていく 飛鳥井家の仕事を継ぎに渡したら死のう… 康太は寝室を出て、階段を下がった そして玄関を出ると、榊原が立っていた 「伊織…」 「何処へ行くんですか?」 「伊織を探しに行こうと思った」 「僕を?」 「うん。伊織を探しに…」 「何故?」 「出ていくつもりなんだろ?」 「えっ?僕が?」 「呆れてたから…オレは呆れられたから…」 「違いますよ 清家を呼び出したんですよ 康太は本人から聞かなきゃ納得しないでしょ? だから、アイツの口から言わせるんですよ! それで納得して下さい。」 康太は榊原に抱き着き泣いた 泣いて泣いて………榊原のぬくもりに…… また泣いた…… 清家が来ても、康太は榊原に抱き着いて泣いていた そして清家の口から執行部の部屋での会話を聞かされた 清家は一生なら趣味だが、榊原は趣味ではないわ!と怒られた 清家は来てやったんだから、送って行けと、一生に告げた 一生は清家を送って飛鳥井の家を後にした 康太は榊原に引っ張られ、寝室に入った 寝室のドアで立ち尽くす康太に、榊原は声をかける 「おいで、康太 」 呼ばれ恐る恐る榊原の方へ行く 康太は俯いたまま榊原に謝った 「ごめん……伊織 」 榊原は康太の頬を挟むと顔を上げさせた 「僕が清家に告白してると思ったの?」 康太は頷いた 「なら僕は君を愛してると言いながら、清家に告白する不埒者ですね」 「伊織…」 康太は目を閉じた 「不安になると、逃げ出す… 伊織を信じない…オレは何時もダメダメだな…」 康太は苦笑した 「僕を信じられない?」 康太は首をふった 「オレが臆病なだけだ。」 榊原は康太を抱き締めた 「康太、君の伴侶は誰ですか?」 康太は榊原を、見上げ 「榊原伊織……」 と告げた 「僕は君の生涯一人の伴侶です。 だから今日の様な場面に出会したら、君は闘いなさい! 僕をみすみす他人に差し出しては伴侶の名折れですよ! 君の伴侶は生涯僕だけ ならば闘いなさい! 君以外には渡さない気概で僕を奪い返しなさい!出来ますか?」 康太は榊原の頚に腕を回した 「奪い取る!絶対に負けねぇ! この世で一番伊織を愛しているのはオレだけだ! 奪うなら闘う!絶対に伊織を渡さねぇ!」 康太は叫んだ 榊原は、康太の背を擦りながら 「そうです! 僕を誰にも渡さないで下さい。 僕は絶対に君を誰にも渡しはしません! 奪うなら闘います!!」 「ごめん伊織。次は闘うから…」 康太は榊原の掌の傷に口吻けを落とした 「手当てして良い?」 「モノに当たるのは止めなさい 約束出来ますか?」 「約束する。」 「僕達は躓いても、正して、強くなって行きましょう」 「うん。うん。」 康太は何度も頷いた 榊原は康太に顔を近付け、キスしょうとした その前に康太は立ち上がり、慌てて部屋から出て行こうとした 榊原は康太の腕を掴んだ 「伊織、コスプレを買いに行かなきゃならねぇんだ 取り乱して忘れてた。 伊織は力哉に病院に連れて行ってもらって! オレは聡一郎にでも乗せてってもらう!」 「治療が終わったら合流します。」 康太は頷き、鞄を持ち部屋を出た 二階に行くと聡一郎が心配して待っていた 「聡一郎、コスプレ買いに行くぞ!力哉は?」 康太が聞くと力哉は聡一郎の部屋から出て来た 「力哉、伊織を病院に乗せてって。」 康太は慌てて階段を降りた 聡一郎も続いて階段を降りた 隼人は仕事だから、そのまま出ても大丈夫だから康太は走った 駐車場に行き車に乗り込もうとすると一生が帰って来た 「康太、何処に行くんだよ?」 一生は心配して話しかけた 「コスプレ買わねぇと、明日1日しかねぇ 聡一郎、ドンキホーテとかコスプレありそうな所、行ってくれ。 オレのスマホは使えねぇ一生、行って道案内してくれ」 「康太、旦那は?」 「力哉に病院に行くよう頼んだ 硝子が入ってたら怖いだろ?」 「仲直りしたのか?」 「すまん一生…オレはまだまだ弱い。 明日からまた道場に出向き鍛練せねばな…」 康太は普通だった… 一生は安心して、車に乗った 榊原は、飛鳥井建設に来てきた 力哉に飛鳥井建設に行ってくれる様に頼み、瑛太に逢いに向かった 下の駐車場に車を停め、エレベーターで最上階まで上がる 副社長室をノックすると瑛太が出て来た 「伊織?どうしました?」 榊原は瑛太に会釈した 「あの、康太がスマホに当たって壊してしまったので…… 瑛太さんに頼もうと想い来ました。」 「康太は?」 「コスプレ買いに出てます」 「仲直りしたの?」 「はい。でも明日から困るので瑛太さんに頼みに来ました。」 瑛太に渡す時に榊原の掌の傷が目に入った 「切ったの?」 「これから病院に行きます。 その前に寄りました。」 「康太の感情の起伏は激しい……。 側にいる人間は振り回されるが…嫌わないでくれないか…」 「嫌ったりしません。 今日、僕が清家と話している一部分を聞いて…康太は誤解してしまったんです。」 榊原は瑛太に今日の話をした 清家が康太を好きです…と、言ったから 僕も好きですよ…って言った所だけ聞いて 康太はスマホを地面に叩き付けたんです…と話した 瑛太は頭を抱えた 部屋に入れば解る事を…何故逃げる…… 榊原は、清家を呼び出し康太に説明したら納得してくれました…と話した 榊原の苦悩を、瑛太は知った 「本当に短絡的な弟ですまない…嫌わないでくれないか…。 君に棄てられたら康太は死んでしまう…」 「嫌いになどなりません! だから康太に言いました 盗られるなら闘って僕を取り返しなさい!と。 康太も納得してコスプレを買いに行きました。」 「本当にありがとう 康太の携帯を作りに行きましょう 解約して新規で作り直した方が早いか、聞きに行かないと解りませんね 行きましょうか? 途中で康太と合流するなら、君の携帯も変えますか? 康太とお揃いにすれば良い じゃ行きますか?」 榊原を会社の医務室に連れて行き、手当てをして、地下駐車場まで行きベンツに乗った 瑛太は携帯ショップに向かうと、康太の携帯と榊原の携帯を新規で作った 前のスマホのデーターを移植し、起動させた 康太の携帯のデータも破壊されてなく移植出来る事となった 新機種の御揃いのスマホを作ってもらい、康太と合流する事となった 瑛太が一生の携帯に電話を入れると、案外近くに康太はいて、合流する事となった 瑛太と榊原が一緒だと知り、康太は驚いた 榊原は康太に新しい携帯を渡した 「オレの?」 康太が信じられない顔をした 「お揃いで瑛太さんが買ってくれました お揃いですからね 壊したらダメですよ?」 康太は頷いた 「コスプレ買えましたか?」 「悟空の衣装はオレと悠太の分は買った。サンジもローもゾロも買った。 光源氏の衣装は貸衣装で、伊織の王子様の衣装がない…」 康太は悲しそうな顔をした 「なら僕はピッコロで構いませんよ。」 「伊織の顔を緑色にするのは嫌だもんよー」 榊原は想像する。 ピッコロは緑色だわ…… 「なら僕はパスで良いですよ。」 「伊織は帝の格好にした。 貴史の光源氏 清家の牛若丸、全部用意できた」 康太は嬉しそうに話をしていた 榊原は康太に「携帯は新機種で作ったから電話番号が変わりました。 一生や聡一郎、隼人や僕の家族にも教えておいて下さいね。」 「伊織…ごめん。手は?」 「飛鳥井の会社で手当してもらいました。ガラスも入ってないし、切っただけです。」 康太はホッと安堵した 瑛太に夕飯を奢って貰い、飛鳥井の家へ帰ってきた 康太と榊原は、寝室へと向かった 「伊織、ごめん…オレ弱虫だから逃げてばかりだ……」 「これからは闘ってくれるんでしょ?」 「闘う!絶対に負けねぇ! オレは本当にダメダメだな…… 一生にも部屋へ入って確かめろ!って言われた 部屋に入ってれば解る事を逃げ…… 伊織を困らせたし、怪我させた。」 「何でそんなに自信がないんですかね… こんなに愛されて、何で信じられないんですかね…」 「オレは…起伏が激しい…落ちたら考えが出来ねぇ… 修行が足らねぇのかも…。 明日から道場に出向き、修行に出るようにする。」 「修行?」 「1週間位山に修行に行かねぇとな…と、思っている。」 「じゃあ僕も行きますよ。その時は。」 「伊織は、山には登れねぇ…」 「ならその側で君を待ちます。」 康太は榊原に抱き着いた 「オレは強くなる! どんな奴が来てもオレは負けねぇ様に強くなるかんな。」 榊原は苦笑した 「康太…愛してます。」 康太は榊原を、見た 「オレも愛してる伊織…」 康太は榊原の唇に接吻した 差し込まれる舌が絡み合い…… 深く貪られる頃には、康太は立っていられなくなり、榊原に縋り着いた 榊原は、康太を抱き上げベットに放ると、服を脱ぎ出した 「康太も脱いで…」 榊原に言われ康太は制服を脱いで…… 下着も脱ぎ… 全裸になった 見上げる康太に口吻けながら…体を倒した 康太に息もつかない接吻で口腔を貪ぼった 榊原は康太の足を持ち上げると 康太のスマホを取り出し、録画を始めた 下着を総て取り去った下肢は既に勃ち上がり始めていた 榊原はクルッと康太を俯せにふると…… 双丘を開いて穴を晒して…撮した 「僕を疑ったペナルティです 君の下のお口を写してあげます 美味しそうに僕を食べる下のお口を、自分のスマホで見なさい!」 康太は、やらないでぇ…とも言えず榊原の成すままだった 康太の蕾が妖しく蠢き始める 榊原の指を飲み込むと…物足りないと…煽動を始めた ローションを垂らすと、ギラギラに光る紅い蕾が巻くれあがる様に蠢く姿を撮影した 榊原は指を挿れ掻き混ぜると、康太の腰が榊原を欲して揺れ始めた 榊原はその様を撮っていた そして欲しがる穴に、自分の性器を差し込む様も…… 美味しそうに榊原の肉棒を飲み込み…… まるで食べる様に妖しく咀嚼をする…… 康太の穴を、榊原は撮り続けた 「ぁぁん…伊織…イイっ…」 康太の鳴く声に合わせ、康太の穴は煽動を繰り返し蠢き……食べて行く…… ぬちゃ…ぐちゃ…ぐちゅっ…… 卑猥な音を立てて、榊原は抜き挿しをした 康太の性器は限界まで震え…精液を溢していた 「伊織…奥を擦って…ねっ…お願いっ……」 榊原はベッドに凭れ掛かると康太の体を起こした 「自分でイイ所を擦ってイキなさい。」 榊原はそう言って、撮影を止めない 康太はイイ場所に榊原を擦り付け、腰を揺すった 赤黒い榊原の性器が康太の中を出たり入ったりを繰り返した 榊原の性器がエラが広げ嵩張らせ康太の中を擦り上げると、康太は…触る事なく射精した 榊原は、康太の亀頭の口が開いて精液が出る様まで撮影し、録画を止めた そして康太を押し倒すと、イッてもなお勃起したままの性器が康太の中を犯し続けた 榊原の気のすむまで… 康太の気のすむまで… 互いを貪り…互いを求めた そして3回交わって、射精をした後 榊原は、美味しそうに食べる康太の穴を、康太に見せた 「これが君の下のお口です。美味しそうに僕を欲しているでしょう?」 榊原は康太に見せつけた 康太の下の口の貪欲で素直な口を… 康太は自分の肛門が……榊原を飲み込む様を…初めて目にした 紅く内壁が蠢き、榊原の肉棒を飲み込もうと煽動する様は…卑猥すぎて… 「見て康太…君の下の口は…何時もこんなに僕を欲している。知らなかったでしょ?」 普通は知らないと想う…だって見えないんだもん 康太の性器は、はしたなく口を開き…触られる事なく射精する様も…写し出されていて 康太は…顔を赤らめた 康太の顔は欲情していた 「桜林祭が終わると、紫雲が来るんですよね?ならば、今日は此所で止めましょう…」 榊原が、言うと、康太は無理…と、榊原に激しい接吻を送った 妖艶な康太の瞳が、榊原を貫く 「無理だって伊織…こんなの見せて…オレが我慢できる筈がねぇ!」 榊原は康太を抱き上げ、勃起した肉棒の上に乗せた 歓喜した康太の下の口は榊原を飲み込む 康太は榊原の首に腕を回し、腰を揺すった 互いを欲し…疲れて眠りに着く…その瞬間まで…

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