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第21話 愛

人を愛する想いを お前は知らない お前の中に抜け落ちた… お前の心が痛すぎる…… 榊原の運転する車で飛鳥井の家へ帰って来ると 駐車場で一生と聡一郎が犬のコウの躾をしていた 「隼人は?」 その場にいない人間の名前を呼ぶと 一生は、仕事だろ?と答えた 聡一郎も、隼人は神野が迎えに来て行ったと答えた 康太は一生と聡一郎に、ファミレスに行こうぜ!と、誘った 「おぉっ良いな! チョッと待ってろコオを戻して仕度してくる。」 一生は聡一郎と一緒に家に入っていき、暫くすると戻って来た 榊原の車、アウディに乗り込むと、榊原は車を出した 近くのファミレスに行くと、康太は腹が減ったと、ハンバーグ定食を頼み 榊原はスパゲティセットを頼んだ 一生はウィンナーとポテト山盛りと、ピラフとサラダ 聡一郎はステーキ定食を頼んだ そしてドリンクバーへ、コップを持ってジュースを入れに行った 運ばれて来ると、ガツガツ康太が食べ出した 「腹が減っちまった…疲れたもんよー」 康太がボヤく 康太も山盛りポテトとウィンナーを頼むと 榊原と仲良く食べていた それを聡一郎が乱入して食べ、皆満足するまで食べ尽くした 食事を終え、飛鳥井の家へ戻って来ると 玄関に投げ込まれた朝刊とスポーツ新聞を取り、応接間に行って広げて見た 康太は広げて見たスポーツ新聞に、隼人の写真を見付けた 何だ? 記事を読むと……『 熱愛報道 』だった 一条隼人と、グラビアアイドル七瀬瑞季と熱愛発覚…と、あった 康太が固まっているのを見付け、榊原が覗き込んだ すると榊原も固まり 一生と聡一郎は、新聞を取り上げ記事を見た 記事には「一条隼人は七瀬瑞季を両親に合わせ、高校を卒業と同時に結婚へ」と書かれていた 「結婚?嘘…。隼人はまた高校生だぞ…」 一生が吠える 「七瀬瑞季…隼人も巨乳にイカれた口か…」 聡一郎が、嘆いた 「隼人から聞いてねぇなぁ…」 康太は呟いた 榊原は、スマホを取り出すと神野へ電話を入れた 「神野さん。隼人の熱愛記事は本当なんですか?」 と、怒って神野に話す 「また後で掛け直す!」 電話は当然切れた 榊原は「話が全然見えて来ません…」 と、スマホの通話ボタンを切った 暫くして神野から康太のスマホに電話が入った 「熱愛報道は真実だ 同棲までしてなかったが、隼人は手を出していた 凄い騒ぎで隼人は当分家に帰れないから、逢いに来てくれないか?頼む」 と、神野は康太に頼んだ 「それは無理だ神野 オレは今、飛鳥井の真贋 家を開けて何日も泊まりには行けねぇ その為にオレは寮を出て飛鳥井の家に戻って来ているんだかんな オレは飛鳥井を離れる訳にはいかねぇ 真贋を継ぐ前と今とでは立場が違う!」 と、康太は断った 「康太……」 神野は総てを継いだ者の使命を甘く考えていたのかも知れない 「オレは動けないが、一生と聡一郎を出そう。どちからかに行ってもらう。」 「頼む…迎えに行けないけど、来てくれるか?」 「住所をメールで送れ! アドは知ってるよな? そしたら誰か行く。」 康太はそう言い電話を切った 「誰か隼人の所へ行ってくれねぇか?」 康太が言うと一生が 「アイツはお前のだろ? アイツを引き取ったのはお前だろ? ならお前が側にいなくてどうするよ?」 「オレは飛鳥井から動けねぇ 1日位なら行けても何日も家を開けられねぇ…それが真贋の務め 違える事は出来ない。」 「だから、お前が動けねぇなら、俺が連れて来てやる 何の為に俺等がいんだよ!」 「一生…」 「動けねぇお前が一番辛いのが解る… ならば連れて来る!それが俺等の使命。」 一生は聡一郎に、どうやって連れ出す?と話し掛けた その時、康太のスマホが鳴り出した 隼人のニュースを見て、瑛太が心配して電話をくれたのだ 「瑛兄…」 呼ぶ康太の声に心配性の兄が声をかける 『康太…隼人の所へ行くなら兄が乗せて行こう 本人に逢えば、真実は解る筈だ 元気をだせ…』 と、精一杯康太を励ます 「瑛兄、オレは飛鳥井家の真贋 家から離れる訳にはいかない 隼人の側へは一生と聡一郎に行ってもらう 」 『康太……お前が行って抱き締めてやれば隼人は安心する…』 「瑛兄、何の為にオレは寮を出て家に戻ったと思ってるんだ? オレは隼人の側に行けば着いていてやりたくなる…… そしたら、ずっと側にいてやりたくなる。 隼人もそれを期待する 期待させてオレは帰らなきゃ行けねぇんだ…なんて言う方が罪だろ? だからオレは行かねぇ。」 瑛太は言葉を無くした 逢いに行って、期待させて帰る位なら…  最初から行かないと言うのは、康太の想いだった 『そうか……ならば、康太に変わって隼人を連れて来よう それしかないだろ?』 瑛太は康太の為に一条隼人を連れて来ると言う 「瑛兄…ありがとう 一生と聡一郎に、動いて貰うつもりだから」 『ならば、手が要る時は呼びなさい』 瑛太はそう言い電話を切った 「一生、聡一郎、弥勒を使うか?」 康太が言うと、一生が何故、弥勒?と聞いた 「一生の攪乱に、聡一郎の噂。 そして、弥勒の幻術 それらを駆使して、隼人を連れて来てくれないか? オレは動けねぇ……頼む 手がいるなら伊織も瑛兄も使え。」 康太が言うと、一生が弥勒に電話してくれ…と言った 康太は弥勒の家に電話を入れた 「弥勒?」 康太が問い掛けると、弥勒は『早く迎えに来い!』と、怒っていた 『お前の覇道が乱れた 動揺してるだろ康太? それで覇道を辿った お前の大切な子供なら俺は報酬なしで動く 金を貰えば仕事になる 俺はお前の子供を仕事として動く気はない 飛鳥井から動けぬのなら伴侶に向かいに越させろ そして策略を練る。だから早く来い!』 弥勒はそう言い電話を切った 大きな声で隣にいた榊原に聞こえ 榊原は康太を優しく抱き締めると 「弥勒を連れて来ます。」 と康太の頬にキスをして、応接間から出て行った 榊原が弥勒の家へ迎えに行くと、察知したかのように家から出て来て、車に乗り込んだ 弥勒は榊原の顔を間近に見ていた 榊原は前を見て…弥勒の視線を感じていた 「榊原伊織…名前も姿も康太の好みど真ん中 瑛太とは似ているが…それに非ず 誠に……良い男だ 器も心も容姿も。」 「弥勒は康太を愛しているのですか?」 「この世で一番愛しているな 康太がいたから、俺等は今がある 俺と紫雲は康太を愛している だが伴侶殿を押し退けて欲している訳ではない 妻もそうだ 辛かった時代を支えてくれたのは康太だった 一番愛して、一番想い続けている 伴侶殿が邪魔だと申すなら我等はなるべく姿は見せぬ だから想うのは許してくれ…」 弥勒の心よりの言葉を受け、榊原は言葉に窮した 「康太に逢うなとは言いません 思うな…とも言いません 康太が嫌がるのなら、阻止しますが、そうでないのなら、止める気もありません。」 弥勒は笑った そして榊原の頬に手をあてた 「伴侶殿…康太を愛してくれて…ありがとう。」 優しい瞳に見詰められ、榊原は何も言わず飛鳥井の家へ車を走らせた 飛鳥井の家に入り応接間に行くと、瑛太も帰宅していた 瑛太は榊原の姿を見ると、近寄った 「伊織…弥勒を?」 榊原は頷いた 弥勒は康太の横へドスッと座ると、足を組んだ 「幻術を使って、目眩ましをやる。」 と康太の方へニカッと、笑って話しかけた 「一条隼人がインペリアルホテルにいると、噂を流して誘導しろ それから、プリンスホテルにいたと攪乱して シェラトンにいる隼人を、瑛太が連れ出せ 隼人には幻術をかけて別物に見せる細工をする 一条隼人を車に乗せるまでの行程を20分で済ませる。さぁやりやがれ!」 弥勒はテキパキ指示を繰り出した 噂を手繰りよせ、聡一郎がキーボードを叩く 攪乱をさせる為に、一生がキーボードを叩く 瑛太は神野に戦略を伝えた、動きやすくさせる それが軌道に乗るのを確かめて、弥勒は立ち上がった 「瑛太、シェラトンにいる隼人を連れに行こう 隼人と背格好の似ている聡一郎、お前は着いてこい 康太、待ってろよ! 隼人を必ずお前の手に連れ戻してやる」 弥勒は瑛太と聡一郎を連れて部屋を出て行った 康太は、弥勒と瑛太と聡一郎が出て行った後、目を瞑った 一生は康太に声をかけた 「康太……どうしたよ?」 「隼人は女にも男にも節操がない 近寄れば食う 暴行されて以来少し節操が出来たかと想ったが、やはり節操なしか… どうしたものか…隼人は現実を知らなさ過ぎる… 男も女も…来るもの拒まず…。 やっぱ教えとくべきだったか…」 一生は意外な顔をした 「知ってたのか? 何も言わないからな知らねぇのかと思った。」 「知っていたよ デザイナーの男と寝てるのも知ってるよ 好きでもねぇのにアイツは寝る やっぱ殴っとかねぇとな!」 「やはり殴るのかよ…」 一生は肩を竦めた 「抱いてくれと言われたら、寝てやるのは優しさじゃねぇかんな! ただのバカだわ それでスキャンダルになって家へ帰れませんって……甘えるな!ってオレは言いたい! 連れて来させるのは、鉄槌を食らわせる為だ 隼人には泣いてもらう!」 榊原が隼人を思って、康太……と名を呼んだ 「育て方を間違えたのかな? 此処で直さねば… オレはアイツを永久に手離す事となる。」 一生は榊原を、止めた 「旦那、康太を止めるな 決して康太の動きを止めるな 隼人を殴るなら殴らせろ それは隼人の為になる 隼人を考えての事だ だから止めるな!」 榊原は、止めたりはしませんよ…と、答えた 弥勒が隼人を救出して、車に乗せた 所要時間20分もかかってはいなかった そして飛鳥井家の家へ行く前に弥勒を自宅に下ろして、瑛太は帰ってきた 隼人は聡一郎に抱えられ帰ってきた 康太の姿を見るなり、隼人は康太に飛び付こうとした その時……… 康太は隼人を殴り飛ばした 隼人の体が壁へと叩き付けられた 隼人は何が起こったか解らなかった 康太は冷たい瞳で隼人を見ていた 「オレはお前の育て方を間違えたのか? オレはお前に礼節を教えなかったか? 何故、近寄るモノ総てを食う! 男も女もお前は構わず食う そこには愛なんて存在すらしねぇ 挨拶がわりにセックスするのを止めねぇなら、オレはお前の親は出来ねぇ! 愛する人間としか、オレはしねぇ だけどお前は違うのか? 挨拶がセックスなのか? ならば、オレはお前の育て方を間違えた もうお前とは居られねぇ。 節度を持て! 与えられたら、誰でも抱くな!」 隼人は康太を見ていた 康太の怒りが…隼人には解らなかった…からだ 「総ての原因は、事務所の社長の神野と小鳥遊だ… アイツ等は隼人の為に男も女も与えた そして当たり前のように隼人は与えられて育った だけどオレはそれが許せねぇ! オレの側にいたいなら!止めろ! 愛のないセックスをするな 出来ないならオレの前に二度と顔を出すなお前が決めろ!」 康太は隼人に背を向け、応接間を後にした 隼人は「こーた!こーた!」と泣き叫んだ 一生も聡一郎も……榊原も、隼人に手は差し出してはくれなかった 瑛太に至っては、隼人を送り届けると自室に帰っていった 一生は仕方なく口を開いた 「隼人は熱愛相手が好きだったのか?」 一生が問い掛ける 隼人は首をふった 「なら何故熱愛? 同棲して、結婚間近なんだって?」 「ちっ…違う…」 「何が違うんだ? お前はこの女と結婚して生涯幸せに暮らすんだろ?」 「嫌だ!オレ様は康太と離れたくはないのだ」 「無理だろ?お前はその女と結婚する。」 「結婚などしない!」 「なら何故、そんな記事が出る? お前は節操がないな 男でも女でも食い散らかす 康太が怒るのも当たり前だ 康太の伴侶は生涯一人…… オレも人の事は言えねぇが、節操はあるぞ 好きな奴しか抱かねぇ お前は?愛はあるのか? セックスはスポーツでも挨拶でもねぇぞ そこを解らないと…お前は潰れる そしたら康太の横にいる資格すらなくなる お前が決めろ 康太といたいなら、お前は変われ!」 榊原は見かねて隼人に声をかける 「隼人、どうするんですか? 君が選びなさい 君が決めて歩きなさい そして歩いたのなら、もう二度と康太を裏切らないで下さい 僕は康太の最初で最後の男です 康太は愛がないとセックスはしません 愛しなさい隼人 愛した人だけ抱きなさい。」 「伊織…康太はもう許してはくれない… オレ様は捨てられるのか? もう康太はオレ様の横にはいてくれないのか? 嫌だ!康太の側にいたい!」 一生は、隼人の胸ぐらを掴んだ 「側にいてぇなら、その節操のねぇ下半身を何とかしろ!」 「もう誰も抱かない!」 隼人は宣言した 一生も榊原も溜め息をついた 聡一郎は、隼人の側に行った 「隼人は何で人と寝るの?」 聡一郎が隼人に問い掛ける 「オレ様がイライラしてると…… 神野か小鳥遊が、どっちが欲しい?と聞くから その時の気分で答えると、連れてくる。 そしてソイツと言葉もなくSEXするのが当たり前だった オレ様はそれ以来近寄って来る奴を抱いた そしたらオレ様を抱き締めてくれたから… 康太が忙しくて構ってくれない時は…求めた オレ様は…SEXに特別な想いも何も求めない… 愛はなくとも抱ける その繰り返しだった… そして遊び半分で寝た女に…痛いしっぺ返しをされ……康太に殴られた オレ様が悪い。 それは解っているが… オレ様はそうやって生きてきてしまったのだ… どうして良いか解らない…」 若くして芸能界で生きて来た、一条隼人の私生活は誰よりも味気なく…中身の無いものだった 欲しがれば……何でも与え 与える理由は告げずに、欲しがれば与える そうして育った子は時として、無知で世間知らずで……泣きたい位に……何も知らない 聡一郎は優しく隼人を抱き締めた 四宮聡一郎も、節操を知らない人間だったから…… 父親の歪んだ愛を受けた日から…節操もなく寝た そんな日々は空しいだけなのに…止められなかった 男でも女でも、抱いて、抱かれて、…誰でも良かった 隼人は抱かれはないが、誰でも抱いて、誰でも良いのだろう 「バカだね…この子は…まだ子供のままだ…」 聡一郎は、隼人を抱き…悲しくなった 一生は「隼人は康太を無くしたくないなら、変わらねぇとな…」と、隼人を撫でた 榊原は隼人を聡一郎の腕の中から離し、立たせた 「康太に逢いなさい そして君が決めなさい 康太の側にいたいなら、君は決めないといけない。」 榊原の言葉に頷いた 榊原は一生に「神野と小鳥遊を呼んでおいて下さい。」と、告げ隼人を連れて、3階の寝室に向かった 榊原は、康太のいる寝室に隼人を連れてやって来た 「康太、隼人です。」 隼人は康太の側に行き、抱き付きたかった だけど、殴られたショックで動けなかった 康太は立ち上がると、隼人を抱き締めた 「お前は本当にバカだ!」 「こーた。許してくれ。」 隼人は精一杯の言葉で、康太に伝えた 康太は隼人の手を引きベッドに座らせた 「お前にとってセックスは運動? 誰でも良いのか? 股を開いてくれる奴なら?」 康太は痛い一撃を隼人に食らわせた 「康太…オレ様は…そうして育ってしまったのだ… そうして与えられて来てしまった… 人を抱くのに愛など存在はしない… それを教わってしまったのだ…」 康太は優しく隼人を抱き締めた 隼人は康太の腕に抱き締められ……泣いた 「隼人、セックスは好きな人に想いを伝える為に体を繋げ、交わるモノだ お前にはその部分が抜けている お前はまだまだ、知らねばならない事が沢山あるな……」 「こーた……オレ様は変わるから…捨てないで欲しい 康太に捨てられたら…オレ様は、何もなくなる。」 榊原は隼人を挟んで、ベッドに座った そして隼人を抱き締めた 「隼人、よく見ろ オレは伊織が好きだから、愛しているから手を伸ばす。 手を伸ばしたら、愛しさが溢れだし、求め合うのだ。 オレはお前に、そんな相手とだけセックスをして欲しい…そう思ってる。」 康太は榊原に手を伸ばした 榊原は康太の手を掴み、引き寄せた 求め合う想いは頭の先から足の爪先まで溢れて止まらない 康太は隼人の目の前で、榊原にキスを求めた 榊原は康太の求めるまま、深い接吻を贈った 隼人は目の前で……康太と榊原の接吻を見ていた 「愛が解らないなら…その目で見るか? お前を育てた、母と父の…愛する姿をその目で見るか?」 隼人を首をふった 怖いから…… 「何故?怖いのか…隼人は育ったのに…中身はオレと出会う前の子供のままだ 人を愛せ……隼人 セックスは愛し合う為にある…」 榊原は康太の服を脱がせた 逃げる隼人をベットの上に乗せ、榊原は康太の乳首に手を伸ばし、愛撫を施した 榊原の指がローションで濡れると、康太の秘孔へ潜り込んで行った 中を掻き回すと、康太は仰け反った その細い喉に榊原の舌が這う 榊原の指がツンと尖った乳首を弄ると康太は榊原の頚に腕を回した…抱き着いて鳴いた 愛し合う姿が………そこに在った 「隼人…僕は康太を愛してます 康太の為なら、この命……投げ出しても惜しくはない。 愛してるから総てが欲しい…康太と1つに交わりたいのです…」 榊原は自分も一糸纏わぬ姿になった 康太の性器は榊原の愛を感じて勃ち上がっていた 榊原の性器も、康太を欲して勃起していた 康太と榊原は抱き合い、互いを求め合った 榊原を受け入れ、1つに繋がる姿は、愛に溢れ、完全な形を成し遂げたいた 隼人は目の前で…始まった光景を……目を反らさずに見ていた 目の前の康太は……とても綺麗だった 快感で仰け反る姿も、榊原と1つになる姿も……愛し合っているのだ… 隼人の抱く女も男も…愛が無かったからか… 行為事態も何処か冷めていた だからなのか…手にしても満たされなかった それは…愛がなかったから? 愛し合うと言うのは難しい… だけど…総て投げ出して求め合う姿は… 自分が味わっていない感覚だった 取り残されたくない隼人は、康太に抱き着いた 康太は榊原の齎す快感に、射精寸前だった 「あぁっ…隼人……ダメっ…!」 康太は堪らずにイッた…… だが康太の精液が……抱き着いた隼人に飛び散った 「あぁぁ……お前の顔に飛んじゃったじゃんかぁ…」 康太はベットの下の自分の服を取ると、隼人に飛び散った精液を拭いた 榊原は康太の中から抜くと、隼人を抱き締めた 「隼人の愛する人を、康太の様に蕩ける様な顔をさせてあげなさい。 それが僕達の交わりを見せた意味になる…」 榊原の指が優しく隼人を撫でた 隼人は身を呈して抱き合ってくれた親の心を知った 榊原は「三人でお風呂に入りましょう。」 と告げ、隼人をベッドから下ろすと、康太を立ち上がらせた 立ち上がる康太の中から…榊原の精液が流れ出し、康太は眉を顰めた 浴室に行くと康太は榊原に中も外も洗ってもらい、康太は隼人を洗った 体を洗われて、隼人は康太に謝った 「康太…ごめん オレ様は、欲望しか吐き出していなかった オレ様は自由になる体を使ってオナニーしていた様なもんだった 康太と伊織のSEXには愛があった… 康太の伊織への想いと 伊織の康太への想いが…溢れてて…… オレ様のして来た事は…自慰にしかならなかった……って思った…」 「オレはお前を愛しているが、お前とセックスしたい訳じゃねぇ。解るな隼人?」 隼人は頷いた 「お前はオレの子供だからな、知るしかねぇだろ? 親の愛を。 愛し合う姿を、お前に見せるしかねぇ それで解らねぇなら、オレの側には置いておけねぇ…。」 隼人は泡の着いた身体で康太に抱き着いた 「康太の側にいたい オレ様はちゃんと人を愛するから! 側に居させて!お願いなのだ。 オレ様は康太の側が良いのだ 離れたくはないのだ。」 震える手で康太に抱きつく背中を康太は撫でた 榊原は、そんな二人を抱き締めた 「隼人、人は愛せば愛しただけ返してくれる。 今までの隼人は人を愛していた訳じゃなかった…だから君に返って来なかった… 人を愛しなさい 独り善がりじゃなく、恋愛をしなさい それが君に教えた僕達の愛です。」 榊原はそう言い、隼人の頬にキスを落とした 「伊織…オレ様は与えられ、当然に思っていた 欲しいものは謂えば叶えられる 母親にも……小鳥遊や神野にも…。 康太の側で育って、詰めて貰ったのに…人を愛する感情だけ抜け落ちてた…。 恋愛しょうと思う 愛する人を……この手に抱きたい…康太の様に。 でもオレ様はまだ……康太と伊織の側にいたい。 この場所を捨てて…オレ様は行きたくないのだ…」 隼人の本音だった 康太のいる場所にいたいと…… 「ならば側にいれば良いろ オレの側にいろ ずっと……。 例え結婚しても…側で暮らせば良い お前が望むなら、オレは側にいる。 だから…自分を軽んじる行動は止めろ。」 「康太…解ったのだ。」 康太は隼人の頭を撫でた 「康太…神野が来てますよ…多分…」 榊原が言うと、康太は「なら出るか…」と榊原を急かした 榊原は康太と隼人の体を流し、自分の体も手早く洗って流すと浴室を出た 浴室を出て、康太を乾かすと康太が隼人を拭いていた 「伊織、隼人の着替えがない。」 康太が言うと、榊原が隼人に 「なら僕のを着ますか? 康太のは着れませんからね… 僕ので良いですね?」問い掛ける 問われ、隼人は頷いた 「オレのを着やがれ!」 康太が文句を言っても隼人は知らん顔 そればかりか「康太はグンゼのパンツ?戦隊モノの絵柄の入った?」 なんて聞くから、康太は怒って吠えていた 「オレはボクサーパンツだかんな!」 康太が訴えるのに……榊原は聞きゃぁしない 「グンゼかぁ 良いなそれ 今度買って来ますか?」 榊原はしれっと言った 「そんなん買って来たら、別居してやる!」 榊原は笑って康太にキスすると 「別居は嫌ですからね。買いません。」 と康太を宥めた 康太に服を着せると、康太が隼人に服を着せた。 榊原は自分の服を着ると、ベッドのシーツを剥がし 着替えと、一緒に洗濯機の中へ入れた そして鏡を見てチェックすると、康太を促し1階の応接間へと向かった 応接間には神野晟雅と小鳥遊智がソファーに座っていた 康太は神野の前に行くと立てと告げた 神野は素直に立ち上がった 康太は加減もなく、神野を殴った! 「神野!何故オレに殴られたか解るか!」 康太は両足を開き、拳を握り締めていた 神野は唇の端から流れた血を拭い 「あぁ解っている…」と、答えた 「小鳥遊も立て!お前も同罪だ!」 小鳥遊は立ち上がり、その身を出した 康太は掌を開くと、ビンタを食らわした 「小鳥遊も何故、ビンタをされたか解ってるか?」 小鳥遊は康太を真っ直ぐ見て「はい。」と言った 「お前等は欲しがる隼人に女も男も与えた 欲しがれば、何も言わず与え性欲を解消させて来た その結果だろ? 今回のスキャンダルは? お前等が招いた事態に、オレは動く気は更々なかった お前等が隼人を無節操な奴にした その尻拭いをしてくれと!お前等は言っているのだぞ!神野!小鳥遊! 飛鳥井の真贋に、尻拭いをさせる気だったのか? お前等が作った罪だろ? 自分で何とかしろよ。」 神野は深々と康太に頭を下げ 「一条隼人は、飛鳥井康太の所有物だ!」と、述べた 康太は顔色1つ変える事なく 「だから?」と神野に聞いた 「だから何なんだ? オレは飛鳥井の家の為に生きている それを違えは出来ない 誰もな! いざとなればオレは親でも切れる 飛鳥井に不要なれば! オレは何者も切れるぞ それが飛鳥井の真贋だ。 感情で動いて良い存在ではないのだ、神野」 「隼人を切ると?」 康太は冷たい目で神野を見て 「お前次第だ、神野。」と答えた そして言葉を続けた 「人を切り捨てるのにオレは少しの躊躇いも抱かない 不要なら切る! それが出来ねば真贋は受け継げれはしない そして今、オレは源右衛門から総てを継いだ。そう言う事だ。」 康太は何時もの席に据わると、足を組んだ 「神野、罪は作るな! お前のしているのは、隼人を壊している事だと何故気付かない? お前は隼人を飼い殺しにして欲しいものを与えた それを育てるとは言わない!」 神野は言われる真実に…項垂れた 「隼人はオレに押し付けて尻拭いをさせとけば、上手く収まる…なんて甘い考えは棄てろ。オレはもう動く事はない。」 小鳥遊は康太に……隼人を棄てるのですか?と、問い掛けた 「今後、オレの側にいる努力をしないのなら、オレは手を差し出す事はない。それだけだ。」 小鳥遊は唖然とした 康太を無くして…隼人は…役者として生きて行けるのか……? 況してや、欲しがるものは総て与え、我慢をしらない子供にした隼人に…良い聞かせられるのか? あっ……! 隼人の中身を詰めなかったのは…自分達なのだ 隼人を、好き放題させ…寮に放り込み 康太と出逢ったから…名を残す役者になったが…… 出逢ってなかったら…隼人を潰して、人間としても通用しない人間にしてしまう所だった 康太はもう興味すらなくしたのか、一生と何やら話をしていた 聡一郎が会話に加わり、榊原が加わり話をしていた 康太は小鳥遊を見て眼光鋭くニャッと嗤った そして次の瞬間、見向きもしなくなり 隼人は、ずっと俯いていた 康太は「隼人を連れて帰れ!」と告げた 小鳥遊は、康太の前で土下座した 「今、君を無くしたら…隼人はダメになる お願いだ 隼人を助けてくれないか!」 「小鳥遊、お前は何時も、人に放り投げだな 今助けてやっても、この先、そんな考えだと、またオレが助けるのか? オレを動かすには何億と言う金が要るぞ それが飛鳥井の真贋を使う事になる対価だ オレは今、飛鳥井の真贋だと言わなかったか?」 小鳥遊は「貴方を動かすのに幾ら必要なのですか? 一条隼人は神野の父が一条小百合より預かった宝 手離せは出来ない!払います。」と言い切った 「ならば1憶。」 「解りました。お支払いします。 ですから隼人を救って下さい。」 小鳥遊は言い切った。 神野は目を閉じ、微動だにしなかった 康太は様子を見に来た瑛太に声をかけた 瑛太には康太の意図は十分承知で乗ってやる 康太は「瑛兄、1億で手を打つ!良いな?」と言い 瑛太は妥当なとこだな…と呟いた 「ならば1憶。 耳を揃えて持って来い。 話はそれからだ。 お前等には言いたい事が沢山あるからな…」 康太は一生に何やら喋ると、応接間を榊原と共に出て行った 隼人は下を見て、何も言わなかった… 小鳥遊は隼人に一旦ホテルに戻りますか? と声をかけたが、隼人は首をふって…動こうとしなかった 一生は「隼人の部屋が有るからな、今夜は此処で泊まれば良い それ以降の話は康太としろ 康太の言う事なら飛鳥井の人間は異存は唱えられない 飛鳥井の真贋の言うことが総てだからな。隼人を残して、貴方達はお帰り下さい。」 と告げ、応接間のドアを開けた 神野と小鳥遊は、飛鳥井に隼人を残して帰って行った 一生は、隼人を連れて聡一郎と共に、瑛太にお休みなさい…と、告げ応接間を後にした そして3階の康太の部屋に隼人を連れて行くと 康太はリビングのソファーで待っていた 康太が腕を開くと、隼人は走って康太の腕に飛び込んだ 「良く耐えたな。」 康太は笑って隼人を撫でた 隼人は「康太に言われたから、ずっと下を向いていたのだ…」と約束を守った事を言う 一生は、隼人を許したのか?と問うと 康太は「次はない! 隼人が一番解っている 同じ事を繰り返せば、許さない! オレの側にいたいなら努力をしろと言った 努力もせぬなら側には置かない それだけだ。」と答えた 聡一郎が「神野と小鳥遊には何故?本当に1憶払わせるのか?」と解せぬ部分を問う 「1億で自社ビルの頭金を払ったと想えば安いもんだろえが! 頭金として受け取ってやんよ。 オレを普通に使えば1億は下らねぇ金を支払わねばならねぇんだよ それで馬を育てる 飛鳥井はずっとそうして、受け継げられている オレだけタダで動くと想われては真贋の名折れ それと、何でもオレの所へ放り投げれば上手く行く……的な考えは捨ててもらわねばな 隼人をダメにした罪も感じずに、面倒な事は総てオレに投げ付けられても、困るかんな ケジメと覚悟だ。 それがないなら、オレにモノを頼むな…と、言うことだ。」 聡一郎はそう言う事ね…と、納得した 一生が「確かにな。何でも康太に隼人の事は任せとけば良い… みたいな放り投げしてるのは事実だな。 隼人の事は康太に任せとく で、役者の仕事の成果は出して当然…みたいな無責任さは否めねぇな。」と、現実を見詰め…言葉にする 「隼人に常識を教える事なく、欲しいものは何でもかんでも与える イライラしてるなら、神野は小鳥遊だって隼人に与える 隼人は小鳥遊を抱いている 男も範囲に入ったのは小鳥遊からだ……。 何でもかんでも好き放題させて モデルにも役者にも突き当たった時に寮に放り込み… オレと知り合わなければ、隼人は潰れてた そしてモデルにも役者にもなれなかった半端な人間が好き放題生きて来て 普通の生活をしなさいと言われて出来ると想うか? オレが腹を立てているのは、そこだ。 神野と小鳥遊の意識が変わらないと、この先も繰り返す オレは隼人の尻拭いの為の存在として、使われるだけの存在にしかならねぇ」 一生も聡一郎も榊原もそして隼人も、やっと康太の真意が見えた 「隼人は愛を知らねぇ。 だから父と母の愛し合う所を見せ付けてやった。」 康太は笑って一生に言う 一生は「愛を知るのに文句のねぇ人選だわ!」と爆笑し 聡一郎は「康太達のは濃いですからね…御手本にはもってこいですね 」と呟いた 隼人は「康太の精液を被ってしまったから洗ってもらったのだ…」と、呟いた 聡一郎は、優しく隼人を撫で 「仕方がないよ。隼人は愛を知らない 康太と伊織の愛は揺るぎない 愛を知るのには激しいと思うが仕方がない。」と笑った 一生は、隼人の頭をぐしゃぐしゃと掻き回して 「康太の側にいたいなら変われ! 変わらなきゃお前は居場所を失うぞ! 俺等は康太に不要な人間に興味はねぇ 隼人は康太の子供だと思うから側にいる だが康太が捨てたなら、俺等も要らねぇ そんな人間になるんじゃねぇぞ!」 と言い聞かせた 隼人は頷いた 「オレ様は変わる やはりオレ様の母親は厳しい鬼だ オレ様のダメダメな所を殴り倒して矯正する 愛の知らないオレ様でも康太と伊織の愛は伝わった オレ様は人の体を使って自慰をしていたのだと知った オレ様は愛を知らねばならないのだ でないと母は鬼になって崖から子供を突き落とすのだ。」 隼人は康太の想いをちゃんと汲み取っていた 聡一郎が「 明日は学校だが…隼人は休みですね…」と呟いた 学校に行ける筈などないのだ 康太は思案する 「明日は神野も小鳥遊も来る そしたら記者会見でもやって熱愛報道の収束してもらわねぇとな……… でないと何処にパパラッチがいるか解らねぇからな」………と。 その夜は、もう寝る事にした 各々自室に帰る 一生は応接間から犬のコウを持って来たら、隼人と寝てやる…… と、隼人を引き摺って自室に帰って行った 康太も寝室へ入り部屋の鍵をかけた そして服を脱いで、ベットに飛び込んだ 何だか…ハードな1日だったぁ…と、目を瞑ると…… 榊原が康太の上へ乗ってきた 「オレは眠い…」 「僕は…半端に火がついて…触って…」 榊原は康太の手を取り、自分の股間に触らせた ソコはひくひく……蠢き…育っていた 伊織…と、康太が呟く頃には下着も剥ぎ取られ… さっきの行為でまだ柔らかい穴に指を入れられていた 「康太の中も…僕が欲しくて…指に絡み付いて来る…」 「お前が触れば、オレは何時でもで欲しくなる…伊織のだからな、この躯は…」 「ならば、頭の先から爪先まで、舐めてあげます。」 榊原の舌が…康太の躯の上を這う 「もっ…もぉ…入れて伊織ぃ…」 康太が求めて泣くまで焦らされた そして犬の様に四つん這いになり、榊原に秘孔をじっくり見せた後…… その蕾に挿し込まれた 後ろから激しい突きに…康太は枕に顔を埋めた 榊原は、繋がったまま康太の体を引いた 榊原の胡座の上に乗せられ首筋を吸われた 背後から榊原に、抱かれ突き上げられ乳首を弄られる 康太の中の榊原が膨張するのと、康太が榊原に、触られる事なくイッたのは…同時だった 榊原は康太の中から一旦抜くと、康太を向かい合わせに抱いた そして榊原の精液が零れる穴に自らの肉棒を挿れた 康太の腕が榊原を抱く 榊原は康太の体に抱き着き、乳首を舐めた そして唇に接吻すると、再び腰を激しく動かした 康太の躯が榊原の上で激しく上下する 榊原は康太の喉元に吸い付くと……総てを康太の中で…吐き出した 榊原は康太を抱き締めたままベッドに倒れた 康太は荒い息のする榊原の胸の上に顔を埋めるのが好きだった セックスの激しい時間の後に来る… 愛する男と過ごす…この時間を堪らなく愛していた 「伊織…愛してる 」 「僕も愛してます 」 榊原の指が、胸の上の康太を優しく撫でる 「オレは伊織が大好きだ 愛しすぎて…閉じ込めてしまいたい位に…愛してる 」 「僕を閉じ込めますか?」 「誰にも伊織を見せたくない 盗られたくない。」 「ならば君の気の済むようになさい。」 「でもそれは出来ねぇよ…… オレは伊織と生きていくんだから 閉じ込めれない。」 「僕も君と生きて行くから閉じ込めたくても出来ません。」 「伊織がオレを愛してくれて良かった。」 「さぁ康太、体を洗って寝ましょうか。」 康太は榊原の上から降りると、榊原はベットから降り康太に手を伸ばした 康太は榊原の首に腕を巻き付け、抱き着いた そんな康太を浴室に連れて行き 簡単に体を洗い、乾かすと二人は抱き合い、眠りに堕ちた 激しい後の微睡みに、康太は榊原の匂いを嗅ぐ 愛する男の匂いを胸一杯に嗅ぎ、幸せに包まれる 夜は優しく康太を包み… 康太は眠る… 羽を休めるかの様に…

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