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第27話 飛鳥井の未来

飛鳥井の家へ帰る前に、康太は瑛太に戸浪の新社屋のチェックした報告と、榊原の家と神野の事務所の設計図のチェックの為に飛鳥井建設に向かうと連絡を入れた 飛鳥井建設の地下駐車場に車を停めると、最上階へ向かうエレベーターの前に立つ エレベーターが開くと、その中から蒼太が出て来た 蒼太は康太を見付けると抱き締めた 「忙しそうだな康太。」 抱き締めて、ぐりぐりと撫でる 「蒼兄、久し振り 目が回る程忙しいよ 蒼兄も、毎日忙しそうだな。」 康太が言うと、蒼太は困った顔をした 「見えちゃった?」 「オレはずっと前に見えてた。」 「僕は飛鳥井に縛られたくはない事を、母さんに行ってきました。」 「で、母ちゃんは?」 「真贋に話せと言うだけで、話すら聞いてくれません これから源右衛門の所へ行きます。」 「蒼兄、飛鳥井家の真贋は受け継がれてしまっている 源右衛門に言っても聞いちゃくれねぇぜ」 康太が言うと、蒼太は眉を顰めた 「後、2年あるよ?」 「それでもだ もう源右衛門には、見えねぇ もうじき継ぎが産まれると、完全に見えなくなる だからだ。源右衛門は総て引いた 飛鳥井の総代は瑛兄が引き継いだ」 康太は力哉に促され、エレベーターに乗った 蒼太は着いて、一緒に乗った 「母さんの言う、飛鳥井家の真贋って康太?」 「オレしかいねぇわな。」 「なら、お前に話がある。」 「良いけど、オレは遊びに会社に来てる訳じゃねぇ 仕事に来てんだよ。終わるまで待て。」 「康太…そちらの子は?」 蒼太は力哉を知らなかった 「オレの秘書だ。」 「秘書?あれ程、母さんが言っても着けなかったのに?」 蒼太は驚きを隠せなかった 副社長室をノックすると瑛太が顔を出した そして珍しい取り合わせに苦笑した 「地下で蒼太を拾いましたか?」 「真贋に用があるらしい。」 瑛太は表情を翳らせた そして部屋に招き入れ、ソファーに座らせた 瑛太は副社長室の椅子に、ネズミを座らせ、ソファーに座った そんな瑛太に康太は話しかけた 「瑛兄、その前に仕事だ トナミの新社屋のチェックに入った 完璧だ。申し分ない。 それから、今日は地鎮祭の前の下見に行った だから、図面のチェックをしに来た。」 康太が言うと瑛太は、嬉しそうに聞いていた 「トナミは、完璧でしたか 君の見立てた未来が、そこに有りましたか?」 瑛太が問うと、康太は胸を張って 「有ったぜ。寸分違わずそこに有った。」 「ならば、良かった 次に移れますね。 力哉、設計部から図面を取って来て下さい」 瑛太は力哉に、指示を出した 康太の敷いた絵図と寸分違わぬ建物を建てねば、果ては歪む 図面のチェックは欠かせなかった 「瑛兄、今夜、恵太を呼べ 妻子は不要だ。 飛鳥井の家で話をしょう 瑛兄は、帰りに恵太を乗せて、蒼太と一緒に帰れ オレは母ちゃんに掛け合って、父ちゃんも連れ帰る。 そして夜は話し合いだ それで良いか?蒼兄。」 康太が蒼太に問い掛ける 蒼太は「あぁ。それで異存はない。」と答えた 「ならばオレは母ちゃんの所へ行く。 瑛兄、力哉が製図を持って来たら、家で見るからコピーを用意しろと伝えといてくれ 伊織、母ちゃんの所に行くぞ。」 康太が立ち上がると、榊原も立ち上がった そして副社長室を出て、広報室のドアをノックした 部屋の中から玲香が現れ、康太の顔を見て笑った 「蒼太に逢ったか?」 「下でな。バッタリ オレはそれでなくても忙しいのによぉ 仕事を作りやがるかんな。 母ちゃん、父ちゃんを連れて帰るもんよー 今夜、話し合いだ 蒼太は飛鳥井の仕事にも見切りを着けて出て行く。」 「それは違えられぬ未来か?」 「それを見たのは源右衛門で、オレじゃねぇ。 でも蒼太は出る 定めじゃなく愛を選んだ結果だな 蒼太は恋人と生きてやる覚悟を決めた。」 「あれの、恋人は男だろ?」 「そう。でも蒼太は抱く方でオレとは違う」 「……どっちも変わらんって…。 で、その恋人は何をしておる。」 「……………本人から聞くか?」 「……………嫌、お前から聞きたいわ。」 「蒼太の恋人は、矢野宙夢、と言う、年上の男だ 今、35になる ジュエリーデザイナーだ でも見た目は若いし、蒼太は甘えっぱなしだ。 惚れてるのは蒼太だな 付き合い出して2年になる 蒼太はケジメを着けに来た。 オレ等は聞いてやる必要がある そうだろ?母ちゃん」 「ならば、聞いてやらねばな。 お前は熱を出したばかり…無理するでないぞ」 「母ちゃん、オレは帰る 一生達を拾って食事をして来るかんな。」 「あぁ、行って来い 我は亭主と帰るとするわ。」 「母ちゃん、蒼太のポジションをどうする?」 「お前が総て決めろ お前が決めたなら誰も文句は言わんて。」 康太は頷いた。 「ならば、行くとするわ。」 康太はそう言い玲香の部屋を出た そして、瑛太の部屋をノックしてドアを開けた 「力哉、帰るもんよー なら、瑛兄、蒼兄、後でな。] 「気をつけてな。」 「一生達と飯食いに出るわ オレは病み上がりだからな。」 康太は笑った 「伊織、頼みますよ。」 瑛太に頼まれ、榊原は静かに頷いた そして康太は榊原と力哉を連れて、地下駐車場へと向かった 副社長室に残された蒼太は、瑛太に 「静かな男だな 康太の影に隠れて、決して前に出てこない癖に、康太から目を離さない。」 「伊織か?良い男だろ? 寡黙で静かだが、ぶれない想いの上に立つ 康太の伴侶だ。 親族に認められ、伴侶の儀式を歴代ぶっちぎりで終わらせた逸材だ 正式に康太の伴侶として飛鳥井に住んでいる。」 蒼太は驚愕した 「親族が認めたのか? 家族だけじゃなく、一族も?」 飛鳥井の一族は各所で商売をし、成功を納めている それ等総てを束ねているのが、飛鳥井家の総代と真贋なのだ 源右衛門の時は、源右衛門がそれ等を引き受けこなしていた 「親族一同、認めざるを得ない 例え、伴侶が男でも、菩提寺の住職のお墨付きだ。認めざるを得ない。」 瑛太が言うと蒼太は 「ズルいなぁ……。 同じ男を好きでいて、康太は皆に認めれ、僕は誰にも認められない。」 瑛太は蒼太の肩を叩いた 「康太は先月、死にかけた それで山に登り儀式を行った 三通夜の儀式だ その時伊織は伴侶の儀式を行った。 予定まで2年早い 下手したら死なないまでも無傷では出れない…それをやらせた。 そして康太は先月…百年唱えられなかった、転生の義を唱える儀式もやった。 我が娘、琴音の魂を自分に還す為に……… 下手したら康太が死ぬかも知れぬ儀式だと、母さんは泣いて話した。 康太の行く道は、お前と違う。 認められたとしても……行く道は蕀の道。 血を吐いて泣いて…それでも前に行く。 それを支えるは榊原伊織。 彼には頭が下がる 文句一つ言わず康太を支えている。 康太が死ねば……アレも死ぬ 我等は二人を支え守る……それが飛鳥井の血の定め。 お前とは違う 康太は昨日、高熱で倒れた 康太の伴侶とは、そう言う過酷なものだ。認めざるを得ない。」  「解ってるよ……瑛兄」 「お前は飛鳥井を棄てに来たのだろ? ならば今夜、話をしょう 飛鳥井の真贋は飛鳥井康太 彼の果てに映るが定め」 蒼太は目を瞑り頷いた 瑛太は隣の控え室にいる佐伯に、恵太を呼ぶように言いつけた 「蒼太、康太は百年の時を越えて転生した稀少の真贋 源右衛門の様な訳にはいかんぞ。」 「稀少?」 「総代になって直ぐに菩提寺に挨拶に行った その時、飛鳥井の忌日を見せて貰った 康太の黄泉の目は、源右衛門のより強い だから、覚悟を決めなさい さぁ行きますよ。」 瑛太の言葉に蒼太は覚悟を決めた 康太は飛鳥井の家へ着く前に、一生に電話を入れた 駐車場で待ってて!と言うと 了解!と返って来て、康太は電話を切った 飛鳥井の家に行くと、一生、聡一郎、隼人が待ち構えていて、車を停めると乗り込んだ 皆が乗ると康太が 「 早目に飯を食わねぇと、食いっぱぐれるかも知れんかんな 食いに行くもんよー。」 言うった すると、聡一郎が「何かあるんですか?」と、尋ねた 「飛鳥井家の話し合いがあるかんな」 「なら僕達は、応接間に行かない方が良いですね?」 「別に構わねぇ お前等は既に家族も同然。 同席しておかしいと思ったら話して構わねぇ。 飛鳥井の家は少し常識から逸脱してる。 だから、丁度良い。」 康太は一生達を家族も同然と、言ってくれた。 「今日は奢ってやる 軍資金を瑛兄がくれたかんな!」 康太は帰り際に、手渡された1万円をヒラヒラさせて榊原に渡した 「1万越えたら、ワリカンかよ」 一生が笑って聞く 「そん時は、一生、頼む。」 「任せとけ! だから想いっきり食いなはれ」 力哉がファミレスの駐車場に車を停めると 皆 車から降りた 「力哉、今日は何食う?」 康太が聞くと「メニュー見て決めます。」と、少食な力哉は答える 人数6名と告げると、テーブルに案内され各々座る メニューを3枚渡されて、康太と榊原、聡一郎と隼人、一生と力哉がメニューを覗く 「オレ、やっぱステーキセット」 と康太が言うと、榊原が「サラダを食べなさい。」と世話を焼く ウェイターがやって来て、オーダーを取り その後、ドリンクバーは彼方に在ります、と案内された 榊原はドリンクバーのコーナーに行き、康太の分と自分のジュースを入れに行き、隼人が聡一郎の分も入れに行った そして一生は勝手に入れて来て、力哉に渡した 康太が榊原にホークを食わえたまま 「伊織、オレ、プリン食いてぇ。」とねだる すると、榊原は康太の口を拭いてやり オーダーを頼んだ 聡一郎に「甘すぎ!」と揶揄され、苦笑した 聡一郎は、一生に「じゃあ僕もパフェ食べたいです。」とねだる 一生は、「お前さぁ…デカくなったのに甘えるな…」と、ボヤいた 「僕を育てたのは君でしょ?」と、聡一郎はしれっと言う 「俺は華奢で薄幸の美少年を育てたんだが…何処で間違えたんだ?」 聡一郎は、一生の足を蹴飛ばした 「ぃっ……てぇやんか!」 聡一郎は、ふんっ、とそっぽを向いた 力哉が「聡一郎、僕がパフェを注文して来ます。」とウェーターを止めて注文した 注文をした後に一生に説教 「一生、聡一郎を苛めないの!」 「力哉は聡一郎びいきだな。」 一生が拗ねる 「僕は康太が一番です そして康太を取り巻く人達も大切にしたいんです。」 力哉は思いの丈を吐き出す 榊原は、力哉の頭を撫でた 食事を終え、飛鳥井の家へ帰ると、悠太が出迎えた 「康兄、瑛兄から連絡があったよ もう直ぐ全員帰って来るって。」 「悠太、お前も出ろ お前の未来の話も出るかんな。」 悠太は頷いた 全員、一旦、着替えに向かった 康太達は着替えに自室に戻ると、制服を脱ぎ、ハンガーに制服を吊るし着替えをした 康太は着替えさせてくれる榊原の耳に舌を差し込み……悪戯… しゃがんで釦をかう榊原の首に腕を回し キスをねだる 流し目で榊原を、見る様は妖艶で…ドキッとしてしまう 「康太……どうなっても良いなら構いませんよ。」 榊原の勃起した股間を康太に押し付ける 「口で……してやろうか?」 欲情した瞳を榊原に向けると…榊原は 「それで終われません……っ…」 「続きは夜にしてやる。」 「手抜きは嫌ですよ。」 「体力が持てばな オレは病み上がりだし」 康太は榊原のファスナーを下ろすと ズボンをずり下げ、下着の中に窮屈そうにしている榊原のぺニスを口に含んだ 舐めて………吸って………袋ごと揉み刺激する 榊原は、康太の口の中に……射精した 康太はそれを総て吐き出して飲み込み、口を拭った 「伊織、、何かくれ。 口の中が伊織の精液の臭いしてると……引かれる。」 榊原は、康太を洗面所に連れてくと、リステリンで口の中をぐちゅぐちゅ、うがいをさせた。 そしてポケットの中にあるミンティアを康太の口に放り込んだ そして直ぐ様、深い接吻をした 「もうミントの味しかしません。」 康太は笑った そして二人で寝室を出て、一階の応接間へと向かった 応接間に行くと、応接間には、 祖父 源右衛門 父 清隆 母 玲香 長男 瑛太 次男 蒼太 三男 恵太 四男 康太 伴侶の 榊原伊織 五男 悠太 康太の秘書の力哉 緑川一生 四宮聡一郎 一条隼人 も、同席した 康太は何時もの席で 何時ものように足を組むと、全員の顔を見渡した 「さてと、始めるとすっか。 飛鳥井家、現真贋はオレだ。 オレの言うことが総てだ。 異存はねぇな。」 全員、頷いた 「飛鳥井家は、源右衛門、清隆、玲香、瑛太は知ってると思うが、終焉に向かって走り出してる 飛鳥井の終焉……即ち、一族の終わりだ。 オレはそれを阻止する為に動いている それをこの場で皆に知っておいてもらう」 蒼太と恵太は初めて知る事実で、唖然としていた 「そして蒼太、お前は恋人と生きるのを決めた。 飛鳥井の家を出て恋人と生きる道を選択した。それはそれで良い。 出て行けば良い。 矢野宙夢 35歳 ジュエリーデザイナーをしている彼を助ける為に、経理や経営は担当してやりたい だから、飛鳥井とは掛け持ち出来ねぇって言う事だ。 出て行けば、良い。 出て行けば飛鳥井との縁が切れるのを百も承知で言うんだからな、仕方がねぇ。 そうだろ?蒼太?」 蒼太は、康太に深々と頭を下げた 「康太の瞳に僕の果ては……どう見えますか?」 「飛鳥井に無縁の人間に、教えてやる程、暇じゃねぇよ。」 康太は言い捨てた 「飛鳥井を棄てると言う事は、そう言う事だ。」 今更ながらに………飛鳥井の重さを、蒼太は感じる 康太は蒼太に見向きもせず 「蒼太のポジションを、玲香、お前がやれ そして玲香のポジションは来年からは、瑛太の新しい妻がやるとして 当面、悠太、お前がやれ 聡一郎、手伝ってやってくれ。」 康太が言うと、蒼太は 「瑛兄の新しい妻って……どう言う事なんですか?」 と食って掛かってきた 「瑛太は離婚している だから来年、新しい妻を飛鳥井に迎える。 瑛兄は今、伴侶の腕時計をしておらんだろ? 見て解らぬか?」 清隆と榊原の腕に光る伴侶の証が……瑛太にはなかった 「来年妻を迎える……って真贋の決めた方と結婚するんですか?」 蒼太が瑛太に問い掛ける 「飛鳥井の家の為ならば、私はそれを受け入れる それが飛鳥井の家の為になる。」 蒼太は言葉がなかった 「恵太、お前は、個人住宅の図面を引け。 少し早まったが、悠太がフェイントしたからな、海外には出さねぇ。 お前は高校に通いながら、飛鳥井で図面をトレースして学べ そして何処か修行にださせる!」 恵太は、康太に何故?と、問い掛ける 「お前は元々は、個人の住宅の図面を得意とする 木瀬真人が来た今、それも可能。 本来の得意分野で、力を発揮しろ。 お前はお前の好きな道を逝け…… だからお前は自由に動けるように飛鳥井の家を出した。」 「個人住宅を引いても良いと?」 「好きなだけ引け だがそれは来年からな」 「来年でも引けるなら、それだけで良い。」 恵太はプレッシャーから解放されたような顔をした 康太は蒼太に向き直り 「そう言う事だ。何時でも出て行け。」 と、蒼太に告げた 「 僕の存在って……… そんな切り捨てられねばならないものなのですか!」 「飛鳥井に関係なくば、不要だ。 それが真贋の務め オレは父だって飛鳥井に関係なくなれば切る 総ては飛鳥井の為、家の為だ 違えは出来ぬ。それが掟だ。」 康太が言い放つと、蒼太は悔しそうに唇を噛んだ それを見ていた一生が良いか?と、口を開いた 「あのさ、蒼太さんは飛鳥井を出たいの? それとも、飛鳥井にいたいの? 飛鳥井の仕事を止めて恋人の元へ行く決意をしたんだろ? ならば、出て行けって許されれば喜ぶだろ?普通? なのに何でそこで、自分の存在をアピルの? 飛鳥井の家に許されて、なぁなぁで済まされると思った? 相手が康太ならば甘いと思った?」 熾烈な一撃だった 蒼太は一生に「君は飛鳥井の家族ではないなのに何故この場にいるんですか?」と、排除しょうと言葉を放った 康太は蒼太に言い放った 「一生、聡一郎、隼人、力哉は、オレの家族も同然。 飛鳥井の家族はそう踏まえ、真贋を継ぐ時、四人の部屋を用意してくれた。 それ以降、彼等は飛鳥井の為に仕事をしている 蒼太の仕事は今、聡一郎がやっている。 お前が身勝手に出社しないのを、棚にあげて、オレの友を蔑ろにする発言は遠慮しろ! 一生は、馬の仕事を秘書の力哉と共にやってくれている じゃあ、お前は、飛鳥井に何をもたらしたのだ?」 康太の瞳が、蒼太を貫く 「答えろ、蒼太。」 蒼太は黙ったままだった 「飛鳥井蒼太、お前の口からなぜ言わない! 恋人を何故見せない! 見せない恋人を解ってくれないと僻んでも 見えぬものを見えるのはオレしかいない! お前がケジメを着けるなら行かせてやると言っているんだ。 だが、オレは今、真贋。 掟は破れはしない 例え蒼兄相手だとしても、オレは情けはかけられない。」 蒼太は、康太に頭を下げた 「解っております。」 蒼太は言葉を振り絞った 「恋人を此処へ呼べ! 話しはそれからだ。」 康太はそう言い、サンルームの方へ移った そしてコオを撫で遊び始めた 蒼太は、応接間を出て行き電話をした 康太は聡一郎と何やら話し、そして一生と、話し出した 三人が集まり話をする そして、知らん顔して離れてソファーに座った 康太は力哉を呼んだ 力哉に何やら話すと、力哉は応接間を出て行った 蒼太は応接間に入って来ると、これから迎えに行く、と告げた 「オレが行こう! 蒼太は家にいろ。」 康太が言うと榊原は立ち上がった 力哉が、準備出来ました、と呼びに来ると、康太は応接間を出て行った 蒼太は唖然とした 「住所を教えてないのに…どうやって行くんだ? それとも、もう調べたのか?」 蒼太が言うと、源右衛門が 「お前を見た時から、康太には総てが見えておる。 お前が今恋人のマンションに入り込み、飛鳥井のマンションを解約したのは承知だ。 星を詠めば、自ずと教えてくれる 康太にナビは必要ない。」 と言い放った 康太は力哉に、住所を告げた そして力哉は、その場へと走り出した 目的地に着くと、康太は淀みなく歩き出す そして迷う事なく、目的地に進む マンションの自動ドアを開くと、5階に行くエレベーターに乗る 5階に着くとエレベーターを降り、目的の部屋の前に止まると、チャイムを鳴らした バタバタ足音がして、ドアを開ける音がする そしてドアを開けた人間は…康太を見て唖然となった 「誰?……」 「矢野宙夢か?」 康太が問い掛けると、矢野は頷いた 「ならば、オレと来い。」 「 君は?誰ですか?」 「お前の男の弟だ。」 「何故此処が?」 「それは飛鳥井に行けば解る お前は行かねばならなぇ。」 「解りました。支度をします。」 矢野は部屋に入って行った そして、部屋着からスーツに着替えると、康太と共に部屋を出た

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