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第45話 恋人
瑛太は、翌日、退院した。
医者に脅しを入れて……退院を奪い取り、晴れて退院して行った
職場に瑛太が復帰してくれて、社員は安堵した
なんたって………鬼……だったから……
康太達は、学校へと戻った
そして、また学園生活に戻り、最後の学園生活を満喫していた
賑やかな生活が飛鳥井の家に戻って来た
康太と一条は、無事免許を習得した
そして……慎一は、飛鳥井の家を出て行く事にした
卒業したら、白馬の篠崎の所へ一足早く弟子入りすると、康太に言って来た
一生は大学まで出て経営に携われば良い
馬は一足早く行って、教わってくる…と、未来のビジョンを捉えて、決意を固めていた
だが、康太は家を出ることは了承しなかった
「一生が大学に入ったら、一生の牧場にサラブレッドの子が、行く約束になってる。
お前が行くのは白馬ではなく、緑川だろ?
白馬にも行かねばならぬが、緑川で馬を育てろ
お前も大学に行って此処の家で暮らせば良い
お前は、親の縁が薄い……その分、癒される時間も必要だ
無駄な時間なんかじゃねぇもんよー
お前に必要な時間だかんな。」
慎一は……頷き……静かに泣いた
10月の後半になると、肌寒さが見に染みて来て、康太が榊原に抱き着いて来る回数も増えた
学校に登校した康太は、C組に行こうとすると、榊原に腕を掴まれた
一生達は、さっさと手をふり過ぎて行く
康太は榊原を見上げた
すると、榊原は笑って「来なさい。」と、告げた
榊原は、空き教室の中へ康太を引っ張って入って行く
中へ入ると、鍵を閉めた
「何でこんな場所に?」
康太が榊原に問う
榊原は、康太を抱き締めた
「想いで作りです。
この学園で、君と過ごす事は少なかった。
だから想い出を作りに来たんです、
君が泣いた校庭にも、行きましょうね。
君の泣いた場所を塗り替えたい。
空き教室での……行為も見てしまったんですよね?
だから、この教室で……君を抱きます。」
康太は……榊原の顔を見た
榊原は、顔を近付けて来て……軽いキスが送られた
教室の角に行くと、榊原は康太を上に乗せた
榊原の、唇が康太の耳を舐める
カッターシャツの隙間から手を差し込まれ、乳首を撫でられた
「ぁん……あぁ…」
声が出そうになって、康太は慌てて口を押さえた
康太のズボンを下ろすと、ポケットからローションを出して、後ろを濡らした
そして、榊原はズボンのファスナーを下ろすと性器にコンドームを嵌めた
康太の腰を少しずつ下ろし……康太の中へ入って行く
「ねっ……康太…僕は…今まで…生で誰かの中へ入れた事は無いんです……
ゴムをしなきゃ入れなかった…。
康太を初めて抱いた日、ゴムを嵌めたでしょ?
生出しは康太の中でだけです。
もう……康太の生の腸壁を知ってしまった今は、生でないと…感じない。
生で入れるのは康太が初めてなんですよ?」
耳元で榊原に囁かれた
嬉しすぎる……言葉……
康太は口を押さえ、ハンカチで自分のを押さえた
でないと……精液が着いてしまうから……
榊原は、康太の中でイッた
康太は、ハンカチの中で後ろの刺激だけでイッた。
榊原は、康太の性器を綺麗に拭くと
下着を履かせ、ズボンを直し制服を整えた
そして、榊原はゴムを外した。
ゴムの口を結ぶと、ハンカチと一緒に棄てた
榊原は、康太を膝の上に乗せ…授業が終わるまで、抱き合っていた
「伊織…ありがとう…伊織と過ごせた学園の想い出が……大切な一頁に塗り替えられた。」
榊原は、康太の唇にキスを落とした
「君の想い出の中の僕は…タラシのままなのは嫌なんです
康太に似てるだけで手を出した自覚はありますから……余計です。」
康太は榊原の温もりに…目を閉じた
「オレは……幸せ者だ。」
榊原は、康太をギュッと抱き締めた
授業が終わると……榊原は、康太と手を繋いで、構内を歩いた
榊原が、髪を触ってた……木陰にも榊原は行き、康太を抱き締めた
授業が始まり……窓際の席の生徒は……
康太と榊原の抱擁を……目撃する事となる
二人は自然に……抱き合っていた……
そして……手を繋ぎ歩き出した
榊原は、二時間目が終わるまで……
康太との想い出作りに精を出し……康太の心の想い出を塗り替えた
一生や、聡一郎、隼人は、校庭を手を繋いで歩く恋人同士を見守っていた
悲しみばかりの、康太の想い出を……
幸せな想い出に塗り替える
榊原の想いが……伝わって来た
「お前が泣く事が……なくなれば良いのにな……」
一生は、手を繋ぎ歩く、康太の姿に独り言を漏らした
「君の行く末が……厳しくても…その手を離さないで……絶対に……」
聡一郎も……呟いた
「康太……」
隼人は康太の名を呼んだ
落ち葉の落ちる校庭を……榊原は、康太と共に歩いた
見上げる康太の瞳は、幸せそうに……潤んでいた
兵藤は……そんな二人を見詰め……目を瞑った
願わくば……君の日々が、穏やかで、幸せであります様に……と、想いを馳せる
愛しい君が………苦しみません様に……と
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