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第48話 真贋①
康太は、城田を会議室に呼び出した
部長の栗田と共に……城田を呼び出した
康太は桜林の制服に身を包み、こうして見ると、間違う事なく高校生だった
康太は会議室の机に図面を並べ、肘を着いて栗田を見た
「栗田、お前はオレに、こんなふざけた図面を渡した訳だ
その答えはこれだ!」
康太は解雇通告書を栗田に渡した
「さっさと、会社からいなくなるか、オレが追い込むか……選択肢は2つに1つ。」
康太は最後の宿題にナメた答えを出した城田に、最終通告を渡した
「栗田、幾ら真贋でもな、腐った人間の再生は困難
人は堕ちて解る事もある
オレが用意したステージは地獄
そこから逃げるも這い上がるも城田次第
オレは腐った人間が嫌いなんだ
と、言う事だ
オレを甘く見たな…栗田」
栗田は顔色を無くしていた
康太の横には榊原が座り、その後ろには、緑川兄弟が控えていた
康太は栗田に、解雇通告書を渡した
栗田はその書類を受け取り、城田に渡した
城田は……青褪めていた
まさか……こんなガキに、自分の進退を決められ様とは………
康太は、城田を見て背筋が寒くなる様な顔をして笑った
「これより。城田琢也を追い込む。
オレの号令がかかると、お前は仕事を無くす
そればかりか、お前を使う会社は出ては来ない
設計の世界では生きては行かせぬ
探すなら畑違いの世界に行け!
設計に関わる会社は、絶対に城田琢也は使わない
オレの追い込みは地獄だ
お前に地獄を見せてやる。想い知れ!」
栗田は、目を瞑ったまま……何もいわなかった
城田は「課長…」と、助けを求めて……名前を呼んだ
栗田は「オレは警告した
飛鳥井康太をナメるなと!
飛鳥井家の真贋をナメるなと!」と告げた
康太は微笑みを浮かべ、力哉を呼んだ
「力哉、オレの号令を流せ。」
康太は本気だった
誰も本気の康太は止められない……
力哉は康太の書類を取ると、会議室を出て行った
「栗田!設計部は弛んでる
己で引き締めるか、真贋が出るか、どっちにする?
オレが出るなら、根こそぎ捨ててやる。
それが、真贋をナメた報い。想い知るか?」
栗田は康太に頭を下げ
「己で引き締めます
貴方が出ると……解雇ばかり出る
そしたら、会社は回っていきませんよ?」
栗田がそう言うと、康太は大爆笑した
「栗田、そう言う時は、総て入れ換えれば良いのだけだ!
手間が省けて、簡単だろ?
慰労と言うのは働いてこそ、掛けられる言葉
働かぬ人間には使えねぇ
ならば、働く環境、人材を切り替えるのも、真贋の務め
仲良し会をやるなら、それでも良い
だがな企業は仲良し会ではない
解るな?栗田?」
「解っております。」
「栗田、会社は人で成り立つ
だがな、弛んだ人間を引き締めねば、弛みは甘えに変わる
甘えは、手抜きに変わり、軌道修正すら出来ない惨状になるぞ
そうさせない為にオレはいる
そう言う時こそ真贋は出て仕事をする
違えるな!
解ったな栗田。
城田はお前の弛みの結果だ
お前も責任を取って辞めるか?」
栗田は……言葉を失った
「人を教えるには、自分を鍛えねばならぬ
会社は人に支えられて、御輿が担がれる
屋台骨が柔だと、御輿の重味で崩れちまう
そう言う事だ
それが、解らぬ人間など飛鳥井には不要だと言う事だ
オレは躊躇うことすらせずに切れる
切れなければ真贋の意味などなさぬ!」
康太は言い切った
栗田は、康太に頭を下げた
力哉が会議室に入って来て、号令を流したと康太に告げた
康太は立ち上がった
「これ以上の話はない!」
康太はそう言い、非情に徹し……その場を去ることにした
栗田が近付こうとすると、緑川兄弟が前に出て、榊原が康太を隠した
慎一が栗田に「話は終わったと思うが?」と言い
一生は「康太の側に、不要に寄れば、倒す!」と、吐き捨てた
榊原は「話は終わりました
貴方に渡した解雇通告を実行しなさい
それを遣らせたのは課長の貴方でしょ?
ならば、自らの手で軌道修正をなさい!」
と、言い捨てた
「噂は直ぐに流れますよ
飛鳥井の真贋が城田を追い込んだ…と
この様な噂は貴方の為にならない!」
栗田は叫んだ
だが、康太達は会議室を出て行った
地下駐車場へ行き、榊原のアウディへ乗り込んだ
車に乗り込む時、恵太の姿を見たけど、康太は黙って車に乗り込んだ
飛鳥井の家へ帰ると、康太は3階の自室に帰った
着替えてソファーに座り込んでいると、一生がやって来た
「康太、大丈夫か?」
「よぉ一生 どうしたんだよ?」
「お前が…気になってな…」
「オレは愛されるな、お前等に。」
と、言い康太は笑った
「もぉ、そりゃぁ、地獄の果てまでお供しちまえる位にな。」
「なら、寂しくねぇな!」
そう言い、二人は互いを見合わせ笑った
「一生、聡一郎は?
最近、自分から来ねぇな
。まだ気にしてんのかよ?」
「まぁ…アイツは、気にするからな」
「バカだな…」
康太が呟いた
一生は、康太の頭をグシャグシャと掻き回した
「ありがとな…康太。」
康太は一生の顔を見詰めた
「どっちに、ありがとなんだ?
聡一郎?慎一?」
「どっちもだよ
オレは聡一郎をなくさなくて…良かったし
慎一と、兄弟で良かった
慎一がいて良かったと思える
一人だと大変な事も、慎一がいれば、出来ない事はないと思える
心強いよアイツの存在が
しかも、同じ事を、同じ顔で考えていて……驚く時もある……」
「血は……違えないからな…」
康太がそう言うと、一生は頷いた
その時、慎一がドアをノックした
「康太、応接間に、恵太と栗田が来ています!
どうしますか?
逢わないのなら、帰って戴く!」
慎一が康太に問い掛けた
康太は立ち上がった
「行く。来ると、思っていたんだ。」
そう言い康太は歩き出した
榊原は、書斎に閉じ籠って仕事をしていた
康太は、応接間に向けて歩く
階段を降りると、応接間へと出向いた
何時ものソファーに座ると、慎一がお茶を入れにキッチンへ向かい
一生が康太の横に座った
康太は何も言わなかった
足を組んで、つまらなさそうに肘を着いた
少し待って、何も話す気がないと知ると
一生の耳元で何かを呟いた
一生は恵太と栗田に
「康太は暇ではない!
話があるなら、さっさとしてくれませんか?」と、言い捨てた
慎一がお茶を入れて来て、テーブルの上に置く
康太の湯呑みには玉露を入れ、他はそれなりの茶葉を使っていれた
慎一の主は康太。
この他は、どうでも良いのだ。
慎一は、一生とは反対の方に座ると、恵太と栗田に
「話があって訪ねられたのなら、そちらから話されるのが筋であろう?
我が主はそれを待っている
何時まで待たせるのだ?」
と、辛辣な言葉を投げ掛けた
康太の左右に……獰猛な忠犬が控えている
栗田は……康太に声をかけた
「飛鳥井家真贋、飛鳥井康太へ
どうして、あの様な振る舞いをされたか…
お聞ききしたくて来ました。」
と、頭を下げた
康太は、栗田と恵太に瞳を向けた
「あれじゃぁ恐怖政治だとでも、言いたいのか?」
康太が言うと……栗田は「そうです!」と、答えた
「あんな強引な解雇をしたら、社員は怖がります」
栗田が言うと、康太は笑い飛ばした
「企業と言うのは、そう言うモノじゃないのか?」
「城田を解雇通告して、クビにして、号令をかけた事は……社内に広まっています。
社員は恐怖を抱いている
貴方のやり方は感心しない
強いては飛鳥井の為にすらならない!」
康太は栗田を見た
じっと、何も言わず…栗田を見た
栗田は……康太から目を反らした
「だから?」
康太は興味もなく……問い掛けた
「横暴すぎます
飛鳥井の真贋の権威に関わる。」
康太は笑って、「だって、じぃちゃん。」と、声をかけた
恵太の後ろには源右衛門が立っていた
「飛鳥井に関係のない人間が、談判か?
笑止千万!
飛鳥井の真贋をナメられて、黙っている方が、飛鳥井の名が廃れるわ
清隆、社員を一同に集めて、真贋の底力を見せてやれ
さぁ、飛鳥井に縁の無き者は去れ。」
源右衛門は言い切った
栗田も……恵太も…源右衛門の気配すら解らなかった
そして……清隆の存在も……
康太は「飛鳥井建設の社員はその目で、真贋を見ちゃぁいねぇ
源右衛門も会社に行かなくなって久しい
世代交代を知らしめる必要があった
丁度良い機会だった
飛鳥井家の真贋の存在を知らしめるのに適してたからな」と、答えた
栗田は言葉を無くした
丁度良い機会だった……?
総てはお見通し………なのか?
清隆は「時期が来たのですね。」と呟き
「近いうちに、飛鳥井家の真贋、飛鳥井康太の名を社内に広める。
飛鳥井のスタジアムに社員一同集めて、康太を……飛鳥井家の真贋の披露を行う。
これは会社の行事ですからね、休む者は解雇の対象になる。
嘘だと想い休めば明日からの仕事は無くなる
うちの会社の社員なら参加して当然
無論社員規約にも書いてある
飛鳥井はそうして昔より秩序と規律を守って来た
今が、その時期に来たと言う訳だ
お前等が心配せずとも、社内の規律と秩序は真贋が守ってくれる
お帰りください。」と、慇懃無礼に言い放った
栗田は頭を深々と下げ、立ち上がった
恵太も、頭を深々と下げて、歩き出した
それが、飛鳥井の家を出た者へのケジメ
飛鳥井の家を出る者は、飛鳥井へは還れず
無縁の存在になると、言う訳なのだ
無縁の人間の言葉は必要に非ず
今後一切、飛鳥井の家の事には口を出せぬ存在。
恵太は…己の立場を噛み締めた
そして、二人は応接間を出て行った
二人の居なくなった応接間で、康太は父 清隆に
「顔見せをするなら、早い方が良い
社員の秩序や規律が乱れているのは事実
軌道修正が難しくなる前に、しねぇとな」
と、思案していた
清隆は、社長の顔をして康太に
「来週、11月の最初の日に、集会をします
社員は総て参加せねば退職通告をすると、反強制的に参加させ
そこで、真贋を披露するしかない
そしで、良いね?康太?」
「あぁ。異存はねぇよ。」
康太は立ち上がり、応接間を後にした
溜め息を着く……康太の背中を、一生が抱いた
「そんな顔すんじゃねぇ
お前はお前の仕事をしてる
栗田は栗田の仕事をしに来た
それだけだ。」
康太は何も言わず頷いた
3階の自室に行こうとすると、聡一郎にバッタリ出逢った
康太は聡一郎の腕を掴むと………階段を上った
戸惑う聡一郎に有無を言わせず、引き摺って行く。
こうでもしないと、聡一郎は来ないから……
自室のドアを開けようとすると、それよりも早くドアが開いた
危うく康太がドアに衝突するのを、一生が引っ張った
「おっと!危ねぇもんよー」
康太が驚いてると、榊原が顔を出した
「康太、今、下に君を見に行こうと思ってました。」
そう言い、榊原の腕が康太を引き寄せる
康太は笑い、榊原の腕をすり抜けた
そして、ソファーに座ると置きっぱなしのPCを立ち上げた
康太の瞳が、PCに向けられる
後は……近寄る事すら出来なくなった……
榊原は、一生に何処へ行ってたんですか?と聞いた
一生と慎一は榊原に、さっきの経緯を全部話した
榊原は、康太の気持ちが痛かった
榊原は、ソファーに座る康太をPCごと膝の上に乗せた
聡一郎は、康太の側に行き……その肩に顔を埋めた
「聡一郎、飛鳥井建設の事を一生とで、調べあげてくれ
どんな些細な事でも良い、頼む
慎一はイオリーブラウンの改善点を調べあげて、教えてくれ。」
康太はそう言い……天井を見上げ
「罪だな……龍騎…それも定め………?」
呟いた
『仕方あるまい……それら総て…軌道に乗った………定めなり…』
と、声だけ響いた
康太は……榊原に縋り着いた
榊原は、紫雲?と康太に尋ねた
「あぁ……そうだ。」
と、瞳を閉じて、そう言った
瞳を開けた時……何時もの康太に戻っていた
翌日、康太は学校を休んだ
休み朝から、力哉とスーツの算段をしていた
そしてやはり、グレーのヴェルサーチのスーツに決めた
力哉は、そのスーツを持って部屋を後にした
康太は東都日報の今枝浩二の取材を受ける為に、東京の赤坂にあるスタジオまで出向く事になっていた
前日は……エステに行って磨きを掛けて来いと言われ
エステに行って、ツルツルに磨き上げられた
元々、体毛の薄い康太は髭も生えない
脇も……アソコも……脛毛も……体毛が薄い
だからエステに行けば、ツルツルの艶々になる
榊原が、食べてしまいたいと手具すね引いて狙う程に……
でも、力哉に「今夜はエッチは止めて下さいね
後、首筋を吸ったら、殴りますからね!」
と脅され、榊原は、言うことを聞くしかなかった……
落ち込む榊原に、聡一郎は
「取材さえ済めば、康太を好きにしても良いんだから、耐えるんですよ!」
とエールを送った
でも………ツルツルの康太が笑うと……
榊原は、鼻血を吹いた
一生が、榊原の鼻にティシュを詰め、ポンポン腰を叩いてやる
食事中に、康太の臭いがすると……榊原は
夕飯を食べてるのに「食べたい!!」と、叫んだ
玲香に、「《夕飯を》食べておろうが…」と、言われ
「康太を食べたい!」と、答え、皆に引かれ
力哉に「一晩位我慢しなさい!」とピシャッと怒られ、榊原は、しゅん……と、萎れた
そんな辛い夜を送り、取材日当日。
榊原の笑顔は晴れやかだった
瑛太が「なんてキャシュな……」と、呆れる程に……。
取材には、仕事の隼人以外は、榊原を始めとして、一生、聡一郎、慎一が付き添った
赤坂のスタジオの一室で、撮影とインタビューを受ける
今枝浩二は、康太が高校生と言う事もあって
自分が写真を撮り
インタビューに速記と記録人を用意しただけで、必要最低の人数と、配慮を見せた
康太が赤坂のスタジオに到着すると、須賀直人が、康太を待っていた
「お久し振りです。」
深々と頭を下げられ、康太は笑顔を向けた
「須賀、元気だったか?
人気タレントが増えて来てんじゃん。」
あの記者会見の後の週に、康太は須賀の事務所を見立てて、繁栄の方向へ軌道修正した
それ以来、須賀プロには、人気の出るタレントが増えてきて、須賀の中の康太の存在は絶対になった
「貴方が独占インタビューを受けるとお聞きしたので、顔を拝見に来ました。」
康太は笑って「そうか。」と言った
力哉に名前を呼ばれ、「またな!」と、言うと須賀は康太に頭を下げて、帰って行った
控え室で、康太は榊原に着替えさせてもらい、服装を整えて貰った
康太の爪先まで、磨きあげられネイルを施されて、綺麗だった
康太の着替えを済ませると………一生が榊原を引っ張って離した
「此処で鼻血吹き出したら、康太が汚れちまう
力哉に怒られんぞ」
榊原は、くしゅん…と、なった
聡一郎は「後少しですよ!あと少しで康太を好きに出きるんですよ!」と、エールを送った
ドアがノックされると、力哉が「どうぞ。」と答えた
今枝浩二が、康太を出迎えに来た
「康太さん。宜しくお願いします。」
呼ばれ康太の顔付きが変わる
康太の瞳は……果てを見詰め…立ち上がった
ソファーに足を組み肘を着いて、不敵に嗤う……姿を写真に収めた
普通のポーズの写真だったり、幾つかのポーズを取ったり
自然体で動いたり……かなりの写真が、今枝のカメラに納められた
そしてインタビュー
今枝は康太の真実を聞こうと、核心に迫った
『飛鳥井康太さん
本日は独占インタビューを受けて戴いてありがとうございます。
貴方を飛鳥井家の真贋と御紹介して宜しいのですよね?』
「そうです。間違いありません。」
『飛鳥井家の真贋……
世間には知れてない部分が有ります
政財界にはその名を知らぬ者はいないなに、世間の認知は皆無に等しい
飛鳥井家真贋の事は、飛鳥井建設の社訓に詳しく書かれてるとの事ですが、真贋とはどの様な存在なのか今回お聞き出来たらと想っています
』
「飛鳥井の家は朝廷の世から、受け継がれし能力がある。それが真贋の眼です。
眼を持つ子は幼い頃から修行を受け、真贋を受け継ぐ、オレは最近祖父から代替わりを致しました」
『飛鳥井家の真贋と謂われると、噂ではその『眼』は人の果てを映すと謂われているとか?
貴方は人の果てを見れるのですか?』
「オレは神ではないので、総ての人間の果てを視られる訳ではない
そもそも飛鳥井の家の為に産まれ、飛鳥井の家の為に存在するので飛鳥井に関係の無いものは見ません
もしオレに見えると言う事は、相手も岐路に差し掛かっている時
軌道を違えたなら、軌道修正する、それだけです。
適材適所 配置するのがオレの役目だからです」
『貴方は、その力を手にして……良かったですか?』
「人の果てなど見える目は……不要だった
子供の頃から修行の毎日で、何で自分だけ…
…こんな辛い目に合わねばならないのか……恨みもしました
また、オレの瞳が果てを映すと解ると、化け物扱いされ……
良い事など何もなかった
だが………それも定め……仕方がない事なんです…」
康太の苦悩の表情を……今枝が撮る
『それでも、貴方が真贋でいる理由は何なんですか?』
「オレは飛鳥井康太以外にはなれないから
飛鳥井の家の為に生きなければ、オレの存在理由もなくす
飛鳥井家の為に、真贋は生きている。」
『最後に一言。お願いします。』
「今回取材を受けたのは、飛鳥井家の真贋の代替わりを、世間に知らしめる必要があったから……です
オレが現 飛鳥井家の真贋です
飛鳥井の家は果てを視る眼を貰い受けています
ですが、この眼は常に何でも視えている訳ではない!
飛鳥井に関わりのない人間の果ては視えはしない
総ては飛鳥井の家の為にある能力だと申しておきます
地脈を詠み運気を導くビルを建て、星を詠み家相を決める
その為の能力なのです
そして、人の果てを見る
閉鎖的な飛鳥井の家で受け継がれし能力は、飛鳥井の家の為にしか使われない
と、だけ、言っておかないと、見て欲しがる人も出て来ると、困りますので
見て欲しいと言われてもオレは見ない
それだけは、言っておきます
オレは飛鳥井と言う家に代々受け継がれし能力を持つ真贋がいる事を世に知らしめる為に
インタビューを受けました
今回は良い機会を下さって、有り難う御座いました。」
康太は今枝浩二に頭を下げた
「最後に一つ、貴方に問い掛けたい事があります
貴方は真贋になって良かったと想いますか?」
「オレはオレにしかなれねぇならな‥‥良かったとか、感想は謂えません
ですが‥‥受け継がれし力には意味がある
その意味を見出だす為にオレは生きていると言葉にしたい!」
「ありがとう御座いました
インタビューはこれにて終わります!
今回は本当に無理な事をお聞き戴いて感謝します」
今枝浩二は、康太に握手を求めた
康太はその手を握り返した
独占インタビューは、終わった
インタビューが終わると、今枝は、康太に頭を下げた
「今回は本当に、インタビューに答えて戴き有り難う御座いました。」
「別に構わねぇよ
でも、次はもうねぇけどな。」
「弁えております
私が曲がらない為の指針に、貴方にインタビューと言うカタチを残させてもらっただけです。」
康太は笑った
「やっぱ、お前の記者魂は綺麗だな。
お前はそれが天職
諦めなければ、何時かお前は名を残す
頑張れ。」
今枝浩二は「ありがとうございます。」と、深々と頭を下げた
康太は今枝の肩をポンッと叩いて横を通り過ぎて行った
控え室に帰ると、榊原が康太を腕に抱いた
「康太…君の人気が上がったら、僕は…今から心配でたまりません」
と、榊原は発売されてからの心配をしていた
康太は苦笑した
そんな事を思うのは榊原だけだから。
普通の人間は……康太の瞳は驚異にしかならない
幾ら可愛いと、言っても、小動物並の可愛さだ。
そんな危ないリスクをおかしてまでも欲しい相手ではないのだ
「伊織、お前以外の人間には、オレの瞳など驚異にしかならねぇよ
逃げる人間が増えると言うことだ。」
化け物でも見るような目で見て逃げてく人間が増える
康太は溜め息を着いた
「君は僕だけ見てれば良いと、言いませんでしたか?」
「普通は見られると、避けるのに?」
「そんな勿体ない事しませんよ。僕は。」
榊原が言うと、康太は嬉しそうに笑った
「さてと、帰るとするか!」
「着替える?もう着替えて構わないの?」
榊原が言うと、一生が力哉に聞きに行った
そして、まだ写真のチェックしてるから待ってて…と、言われた
「オレはスーツは嫌いだかんな
早く脱ぎたいもんよー。」
榊原は、控え室のソファーに座ると、膝に康太を乗せた
康太の匂いを嗅ぐと……
榊原の股間が盛り上がり……康太のお尻にその存在を教えた
康太は慌てて、榊原を見た
「伊織…」
「大丈夫ですよ
僕には理性がありますから。」
榊原は笑う
「でもね、最近、僕の愚息は言う事を聞きませんが…」
康太は慌てて榊原の上を退こうとした……
が、腰に手を回され、動けなかった
お尻に当たる硬い灼熱の塊がピクンっと存在感を主張する
「伊織…やだ。」
皆に見せる趣味はないのだ…
「解ってますよ
離れたら、収まります。
康太によって化学反応が起きているだけですから。」
榊原は、苦笑した
控え室で待ってると力哉が入って来た
「帰って宜しいですよ。」
力哉が言うと、榊原は、康太を膝から下ろした
そして立ち上がると、康太を抱き上げた
「一生、僕の性欲も尽きそうですので、帰ります。良いですか?」
榊原に言われ一生は苦笑した
「連れて行きなはれ
ソレは旦那のモノでっしゃろ。」
「かたじけない
では、後を頼みますよ」
榊原は、そう言うと、康太を抱き上げたまま、ズンズン歩き出した
駐車場まで向かい、車に乗ると、榊原は康太に
「飛鳥井の家へ帰りましょ?
君を場末のモーテルやラブホで、抱きたくはない。」
康太は頷いた
「その前に食事をしましょ?
僕の康太は、性欲より食欲の方が強いですからね。」
初夜を空腹で台無しにしたり、空腹だと、セックスを嫌がるから、仕方がないのだが…
「お腹が空いてる時はマグロだって言うんだろ!」
康太は頬を膨らました
「マグロとは、言いませんが……
遣る気が無くなるのは否めません。」
「オレはちぃさぃから、体力の消耗が激しいんだよ!」
「康太のアソコも、小さいのに、良く吐き出しますもんね?僕より沢山…」
イク回数が多いと言われても……
康太は、そっぽを向いた
可愛らし過ぎる
榊原は、少し苛め過ぎたと、康太に腕を伸ばした
信号で車を停車している時に、康太を振り向かせると、目が潤んでいた
榊原は、引き寄せ、その唇にキスを落とした
「機嫌を直してね。」
「伊織は時々意地悪だ…」
「康太…そのスーツのまま、挿入させて…
絶対に染みを着けないから……ねっ…」
榊原は、時々……変態が入る
孫悟空のコスプレで、悟空を犯せるのは……
榊原しかいないかも……
バイブを入れたり、ローター入れたり
康太の性器を亀甲縛りで縛って我慢させたり
後ろから榊原で串刺しにして、オナホールでイカせたり………
通販好きな榊原は、日々……怪しいグッズを探してる
媚薬も、何度も使われた
秘孔に塗り込むと、痒くて堪らない媚薬から…知らずに食べた媚薬から…
変態に、磨きがかかって来たみたい
ファミレスに入り、昼食を取った
食事の途中で康太がトイレに入ると
榊原は、ウェイターに
「トイレに行くので、片付けるのは待って下さいね」
と、頼み康太の後を追った
トイレに入ると、康太は手を洗っていた
「伊織?どうしたの?」
「君の中へ、家に帰ったら直ぐに入りたいので……ローターを入れます。」
康太は嫌だ…と、言ったが
榊原の腕に掴まり、個室トイレに入った。
榊原が便座に座り、康太のズボンを下ろす
半分位下着ごと下ろすと……
榊原は、ポケットから、ローターを取り出した
それを舐めて濡らして、康太の秘孔の中へ、榊原の長い指が押し込んで行った
榊原は、康太のお尻の中にローターを挿入すると
下着とズボンを履かせ、洋服を整えた
「さぁ、残りを食べたら帰りますよ。」
「伊織、プリン…食べてない…」
「食べれば良いですよ
ローターは車の中でしか動かしませんから。」
康太が先に席に戻り、榊原が戻って、食事を再開した
康太は中の異物感に…堪えながら、プリンを食べた
支払いは榊原が済ませ、車に戻ると
榊原は、ローターのスイッチを入れた
康太の体内で蠢く卵が、康太を苦しめた
車が走り出すと、康太は腹を押さえ、喘いだ
「ぅ…ん……伊織……あっ…」
悶える康太は汗を滴し、榊原を見上げた
「伊織、止めてぇ…」
「イキそう?」
榊原が聞くと康太は頷いた
「スーツに染みは作らないように我慢なさい。」
康太は唇を噛んだ
キツく噛みすぎて……唇から血が出て…
榊原は、ローターのスイッチを止めた
康太は、はーっと息を吐き出した
飛鳥井の家へ着くと、榊原は車から降りた
助手席のドアを開けると、康太は抱き上げようとするが……
それを制止して車から降りた
玄関の鍵を開け、家に入ると、3階の自室まで上がる
寝室のドアを開けると、鍵を閉め
康太をベッドに押し倒した
「康太……怒ったの?」
「ちかっ……触られたら危なかったから…」
榊原は、康太を俯せにすると、スーツの合間から手を差し込んだ
ズボンを半分だけ下ろすと、ローションを少しだけ滴し、康太の中へ押し入った
窮屈な交わりが何故か、余計に燃え上がらせた
ローターのスイッチを入れ、その刺激に……榊原は、康太の中へ、康太はシーツに向けて、射精した
榊原は、康太の中から抜くと、零れないように、気を付け、スーツを脱いだ
そして、康太のスーツも脱がせて行く。
二人は全裸になると、再び交わり、時間の許す限り…互いを求めあった
ともだちにシェアしよう!