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第52話 絶対の存在

榊原は百貨店を出ると「昼を食べに行きましょう。」と誘った すると、康太は首をふった 「オレの席の近くになる奴が……おちおち食べらんねぇだろ? 止めとく …オレは瑛兄に逢いに行く。」 「なら僕も行きます。」 康太は首をふった 榊原は「何故?」と問う 「飛鳥井の株が下がったんだよ… そんな話をお前の前でしたくねぇ」 プレジデントなんかに出るからだ…と、瑛太の所に、一族からの苦情が来てる…… 「………総てはオレの所為だかんな……」 康太は溜め息を着いた 「康太の所為なんかじゃないでしょ? 総ては飛鳥井の為に生きてる君に…何を言うんですか?これ以上!」 「伊織……」 「一旦飛鳥井に帰りましょう デリバリを頼みましょう それなら良いですね。 お腹が減っては何も出来ませんよ? 飛鳥井建設には僕も行きます! 君の伴侶でしょ僕は ならば共に行くのが筋でしょ?」 「多分……身勝手な言葉を聞くぞ……」 「執行部で、かなり聞きました! 人とは時として身勝手な生き物でしょ?」 そう言われたら何も言えなくなる…… 康太は榊原を、恨ましそうに見た 「そんな瞳で見ると、押し倒したくなるだけですよ? 身体に教えませんでしたか?」 康太はもう、何も言わなかった 飛鳥井の家に帰り、応接間に入りソファーに座ると、康太は溜め息を着いた 「一生、聡一郎、慎一、オレは山に登る 今度は1週間 食い終わったら瑛兄の所へ、それを伝えに行く 伊織の誕生日が終わったら、山へ行こうと思う。」 榊原は「山?どうして?」と尋ねた 「今、瑛兄の所は、苦情が凄い 飛鳥井の真贋が雑誌なんかに出て良い筈ねぇかんな。 世間に真贋の恐怖を伝えた様なもんだからな‥‥ だったら……誰も文句も言えねぇ存在になって来る。」 「康太…何する気ですか……」 「最終奥義…それを身に付けて来る…」 「康太……」 「元々、オレは化けもんだからな… ならば、誰も文句も言えねぇ化けもんになってやる それしか残されてねぇ!」 「康太……ならば、僕も行きます 康太を手助け出来る何かを習得して来ましょう。」 「伊織…死ぬかも……知れないんだぜ?」 「生きるも死ぬも、君と共に。 そうでしょ?」 榊原が言うと、一生と、慎一も修行に着いて行くと告げた 「康太をガード出来る何かを修得してくる」 と、一生は言い切り 「総ては康太と共に……それが願いだ」 と、慎一は告げた 聡一郎は「なら、康太、伊織の誕生日は盛大にやらないね…… 君が祝わねばならない伴侶でしょ? 僕は康太の留守を力哉と悠太で守ります。 必ず帰ってらっしゃい。」 と、康太を抱き締め、言った 康太は目を瞑り思案した 『康太が最終奥義を身に付けるのなら、俺は補佐で入るしかねぇじゃねぇか! 何時行くよ?』 弥勒の声が応接間に響き渡った 「11月の11日の日付が変わると同時に、家を出る そして、山に登り、最終奥義を身に付ける つもりだ。」 『ならば、準備の為に今夜から山に向かう 向こうで逢おうな!康太 俺は絶対に自分の命に変えて、お前を山から下ろす そして伴侶殿に、康太を返す事を約束しよう。』 弥勒の心遣いだった 「弥勒、最終奥義は、百年振りだからな 失敗は出来ねぇかんな‥‥」 『百年前の自分を思い出されたか?』 「思い出したんじゃねぇ オレは何一つ忘れちゃいねぇんだよ! オレは……総ての記憶がある‥‥そう言う事だ……。」 『ならば……明日の夜中……』 そう言い弥勒は消えた 康太は食事を終えると、瑛太に逢いに行くと告げた 榊原は、康太が嫌なら、会社の康太の部屋で待ってますと言った 瑛太の康太を想う想いは重い…… その場を邪魔など出来ないのだ 康太は頷いた 榊原に飛鳥井建設まで乗せて行って貰い、最上階のエレベーターに乗った 康太は瑛太の部屋のドアをノックした すると、中から瑛太が現れた 瑛太は康太の顔を見て……困った顔をしていた 「源治が来てんだろ? オレを入れろ!」 康太は総て知ってて、瑛太の部屋を訪れた 「伊織はどうする? 最低な言葉が飛んでくる あの男はそう言う男だ…… だから連れては来たくはなかった…」 康太は、榊原を否定する言葉が飛んで来るかも知れないから……同席を拒否ったのだ 総ては榊原の為に…… 愛する……榊原伊織の為に……… 「僕は君の伴侶 共にあるのが筋でしょ?」 と、康太と共に副社長室に入って行った 副社長室に入ると、源右衛門に酷似した人間がソファーに座っていた 「文句を付けに来たか?源治? 飛鳥井の真贋と伴侶が入って来たのに、礼も尽くす気がないと見た。」 「飛鳥井の真贋の恥さらしに下げる頭はないわ!」 源治は吐き捨てた 「恥さらし?なんの事を言ってるのだ?」 康太はソファーに座って足を組んで源治を睨んだ 「男の伴侶に、世間に軽んじられる真贋。 総代はそれを取り締まりもせず好き放題させ、お前は総代に相応しくはない!」 源治と謂われた男は横柄な態度で叫びまくっていた 「飛鳥井瑛太は源右衛門から総代を譲られた正当な後継者だ お前が総代になりたいからと言ってなれるものでもないわ!」 と、康太は吐き捨てた 「わしは、相応しくないと言ったのだ! 男の伴侶など恥にしかならぬわ! ならば隠すのが筋であろう! しかも、記者会見だインタビューだと、気安く出る真贋など今まで存在せぬわ!」 源治は吐き捨てた 侮蔑した目で榊原と康太を見る 「源治、お前が総代になったら、オレは飛鳥井の家を出る しかも、総代になったとしても、飛鳥井建設は手には出来んぞ この会社は父、清隆の会社 総代とは無縁の会社だ 総代になりたきゃなれば? 真贋をなくして、どうする気だ?」 康太は吐き捨てた 「真贋は、当たり前にいる存在ではない お前が総代なら、オレは飛鳥井は棄てる そしたら、晴れて榊原を名乗れるし良いかもな 飛鳥井瑛太、一族を上げて集会を開かれよ 但し、オレは明日の夜中から山に行く だから、開くとしたら一週間後だ 一族総勢に質してみれば良い 一族に問うて出した結論なら、その男でも聞かない訳にはいかんて 飛鳥井家の真贋は、人を選ぶ 源右衛門は、それを見て飛鳥井瑛太を総代に据えた それ以外ならば、オレは家の為などには動く気すらない!」 康太は源治を睨み言い捨てた 瑛太は、康太を落ち着かせる為に、話題を変え、静かに康太に聞いた 「山へ行かれるのですか?何をしに?」 「飛鳥井家真贋、最終奥義を身に付ける為だ 瑛兄、寝ている間にオレは黄泉の泉に出向き、真贋の儀式を終えて来た オレは前より見える。前より詠める 時が来た オレは百年やられなかった儀式をやる 百年前の儀式をやる 百年前より、少し小さいのは、気に入らねぇけどな、仕方ねぇ。 オレは百年の時を経て転生して来た真贋 飛鳥井源右衛門はもう見えはしなくなった 飛鳥井真贋はオレ一人 変わりはいねぇ そうだろ?飛鳥井瑛太?」 瑛太は「お前の変わりなど、何処にも存在しない お前は飛鳥井の唯一の真贋だ。」と答えた 「その唯一の真贋を軽んじられてるのは、何故だ? 長い時の中に、真贋は権威も威力も薄くなったのか? こんな為に真贋はいるのではないぞ! 軽んじるな! 絶対に! それを知らしめる為に山へ登る 一週間後、菩提寺に一族を集めろ! そう言う事だ 一週間後、菩提寺で、一族の者に問うと良い! 帰れ!源治!不愉快だ!」 康太が言い捨てると、源治は不貞腐れて副社長室を出て行った 康太は、その姿を見送り大爆笑した 「飛鳥井も腐って来たもんだ! 瑛兄、纏めて一掃しねぇとな 一週間後に飛鳥井一族を菩提寺に集めて総会をやる 欠席した者は、飛鳥井の真贋の恩恵は受けられない! 絶対にだ! 今後、飛鳥井家の真贋は、一切、参加しない者を見る気はないと、号令を出せ。 一族総数を纏める総代は飛鳥井瑛太、お前だ。 オレは瑛兄が、総代を降りるなら、飛鳥井を出る オレは伊織の名を名乗る。」 康太の決意は……揺るがなかった 瑛太は康太の頬に手をやった 「山へ行くのか? その命……再び懸けて? お前が……いない飛鳥井に、未練などない お前が……帰って来なかったら、私も…後を追おう。」 康太は瑛太の掌に、擦り寄った 「伊織も山へ行くか?」 「ええ、義兄さん でも山へは行けません 菩提寺で、修行しょうと思っています。 山から降りた康太と、直ぐに逢いたいので、僕は行きます。」 「ならば、康太を頼む……私の命より大切な弟だ。見届けてくれ……」 「はい。僕の命に替えて、康太を見届けます。」 「伊織……お前の行く道も険しい…兄を許してくれ……」 「義兄さん……僕は…康太と共にあります。 それを許してくれる義兄さんには感謝してます。」 「伊織……」 瑛太は榊原を抱き締めた 「瑛兄、明日は伊織の誕生日 祝ってやってくれ。そしたら、その夜中に山へ向かう オレは誰に何も言わせない真贋になる 瑛兄、オレの存在は、源右衛門を上回る なんたって、百年の時を越えて転生した真贋だかんな。」 康太はそう言い笑った 康太は立ち上がった そして榊原に手を差し出した 「明日の昼まで愛し合おうぜ伊織 そして、明日の昼から夜中にかけて、誕生パーティだ。日付が変わったら、家を出る。」 榊原は、康太の手を取った 「今日も、明日も……一年後も、10年後も、来世も、永遠に君と共に……僕は有りたい」 康太は嬉しそうに笑った 「ならな、瑛兄。」 康太は榊原を引っ張って、副社長室を出て行った エレベーターに乗り、地下駐車場に着くと、榊原の車に乗り込んだ 飛鳥井の家へ行く。 彼処は、還る家だから… 飛鳥井の家の駐車場に車を停めると、康太は榊原と手を繋いで家に帰って行った そして……3階の自室に戻った 寝室に戻ると、鍵をかけた 「伊織、服を脱ぐから、このリボンをオレにかけて 聡一郎が、伊織の喜ぶのは、リボンをかけたオレだって言ってリボンをくれた。」 康太はズボンのポケットから、リボンの束を取り出した 康太はそのリボンを榊原の掌に乗せた ピンクのキラキラの綺麗なリボンだった 「これで、康太をラッピングして良いの?」 康太は頷いた 榊原は、引き出しからハサミを持つと、少しだけ切り、リボンを伸ばした 康太は制服を脱ぐと、下着も靴下も総て取り去り、産まれたままの姿になった その体に……榊原は、リボンを巻き付け…… リボンを結んだ 康太はリボンを結んでもらうとベットに上がった そして、正座をして、榊原に頭を下げた 「不束者の嫁ですが、死ぬまで貴方と、共に……きゃっ……」 三つ指着いて、挨拶する康太の姿は愛らしかった 全裸にリボンを纏い、三つ指着いて、頭を下げる姿は悩殺並みに愛らしく…… 榊原は、康太を押し倒した 「ったく……君は……そんな愛らしい姿を見せられて……堪えれると思いましたか…?」 榊原は、息も吐かない激しい接吻で、康太の唇を貪る 「こんな可愛い格好をして…… 僕の妻は…僕を誘惑して……少し…イッちゃいました。触って…」 康太の手を、自分の性器に導いた 灼熱の肉棒がそこにあった 亀頭の頭を撫でて確かめると……そこは濡れていた 「舐めて…康太……。 僕は…下のお口を解してあげます。」 そう言うと、康太は榊原の肉棒を舐め始めた 愛する男のモノならば……精子の一滴すら誰にも遣りたくない…… ぺろぺろと、康太の舌が、榊原の性器を舐めあげる 榊原は、襞を伸ばし、舌を入れ、腸壁を掻き回した 康太の手が性器の下に潜り込み袋を揉むと………榊原は、思いがけず……イッてしまった 康太の顔に……精液が飛び散る 「康太……ダメ……イッちゃいました… 君の中でしかイキたくないのに……」 康太は妖艶な顔をして、白濁をペロッと舐めた 榊原は、康太の中へ挿り込むと息も突かない激しい接吻で、舌を絡ませ貪った 「んっ……はぁ……んっ…」 キスの合間に康太の口から刹那い喘ぎが零れる リボンは解かず、愛撫を散らす 榊原は、抽挿を止めて、体を起こした 榊原の肉棒を受け入れ、足を榊原の腰に巻き付けた…… 康太は淫靡で、性器を震えさせ堪えていた 榊原は、リボンの端くれを掴むと、康太の性器の根元に巻き着けリボンを結んだ 康太の性器がリボンで可愛らしくされる 康太は自分のソレに施されたリボンを見て 文句を言った 「あぁっ……伊織…オレの誕生日に伊織のアソコにリボンするからな……」 「そしたら、康太が美味しく食べてくれる? だったらリボンするよ 2月1日が、楽しみだな。」 榊原が楽しそうに話す 「年末のX'masには、君がサンタの番ですよ。 僕はトナカイをやります 鼻を青くしても良いですか? そして、お正月には子供が増えて 2月には…君の誕生日で、また子供が増えますね 春になったら、高校を卒業ですよ? 留年なんて止めて下さいね 今年の春は一生を捜してて花見が行けませんでした 来年は子供を連れて、全員で花見に見に行きましょう 夏になったら、花火大会に白馬に行きましょうね 秋になったら、紅葉狩りにでも行きますか? 康太は紅葉や落ち葉より食いもんですからね、腕によりをかけて作ります 冬になったら……スキー場にでも行きますか? 僕達は、ずっと一緒です康太 ずっと……ずっと……僕と………子供と…君と…、ずっと一緒にいましょう 君と…僕と……ずっと、ずっと、一緒にいましょう。」 榊原の言葉に………康太は……涙を流した 「春夏秋冬……ずっと……一緒に……?」 「君と…愛を誓ったでしょ? ずっと一緒だと……。決して離れたりはしないと。」 康太は榊原の指に指を絡めた そしてその指に接吻した 「共に…死ぬ瞬間まで……オレ達は一緒にいよう。死んだ後も共に有ろう。 永久に離れる事なく、お前と共に…」 決意はとうにしている 互いの体を深く繋げ、1つに交わった 互いの細胞が交わり1つに還る…… 互いの欠片を落とさぬように掻き抱く 愛してます…… 命よりも 何よりも…… 君を愛しています 体力の続く限り……体を繋げた 浴室で体を洗い……中も外も綺麗にして、眠った 全裸で……素肌を感じて……互いを抱き 眠った そして目が醒め起きた時、榊原の誕生日の当日になっていた 榊原は、部屋の掃除に洗濯に余念がなく 何時も以上に、磨きをかけた そして、総てを終えて、応接間へ向かった 応接間には一生達がいた 一生は、榊原を見ると 「誕生日おめでとう!」と言い、榊原にプレゼントを渡し、抱き着いた 聡一郎も、榊原にプレゼントを渡し 「誕生日おめでとう。」と言い抱き着いた 慎一も、榊原に、プレゼントを渡し 「誕生日おめでとう。」と、言い抱き着いた 皆から渡されたプレゼントは、箱が細長く……康太から貰ったネクタイに近く、榊原は封を開けて唖然となった 「何でネクタイ?」 榊原が聞くと 一生は「ダメにしたんだろ?ネクタイ?」と言い 聡一郎は「根本を縛れば……ね?」と揶揄し 慎一は「ネクタイの使用法を間違えてますよ!んもに!」と、文句を言った 榊原は、まさかネクタイばかりプレゼントされるとは思わなかった たまたまネクタイを使っただけで、気にする康太にプレゼントは、ネクタイで良いと言っただけなのに…… 榊原は、飛鳥井の家族からもプレゼントを貰っていた 源右衛門からは、榊原のパドックに入ると為の権利を 清隆と、玲香からは、真贋の伴侶の対の衣装を 瑛太からは飛鳥井建設の副社長の地位を保証した辞令を。 榊原は、瑛太に 「義兄さん、誕生日プレゼントにしては、余りにも大き過ぎやしませんか?」 と、愚痴を溢した 瑛太は笑って「伊織は適材だから、仕方がない…」と、聞く耳を持たなかった そして、康太と御揃いでスーツを作ってもらい……誤魔化された その夜、清四郎と笙が招かれ、榊原の誕生パーティーが開かれた 内輪の家族と仲間とで、暖かいパーティーだった 笙は、双子の子供を連れて来ていた 慎一も牧場から双子を連れて来ていた 一生の膝に和馬が乗り、康太は和希を抱っこしていた 榊原は笙の双子の子供を抱っこしていた 康太は榊原の腕の中を覗き 「双子の女の子か……お転婆な女の子になりそうだな。」 と、笑った 和希が双子にチュッと、キスした 「和希、好みか? 笙は娘を嫁には出したくないから、嫁にもらうのは強敵だぞ。」 と、揶揄して笑った 「こーた。ちゅき。」 和希は、康太にもチュッと、して来た 康太は笑って榊原に 「ライバルの出現だぞ?伊織。どうする?」 と問い掛けた 「幾ら和希でも、僕の康太はあげません。」 と大人気なく返した 瑛太は康太の膝の上の和希を抱き上げると、ソファーに座り膝の上に抱っこした 「慎一にソックリ……親子ですね。」 瑛太は柔らかい子供に触れ、娘を思い出す 榊原は、瑛太の膝の上に、双子の片割れを持たせた 「伊織…赤ちゃんは…」と、戸惑う瑛太に 「義兄さん、今から赤ちゃんに慣れとかないと、来年早々子作りをさせられますよ? 腰を使わないと康太に苛められますよ?」 榊原は、瑛太を揶揄する 玲香は瑛太の膝から和希を抱き上げ、抱っこした 玲香は瑛太に「次は男だぞ。気合を入れて腰を使わねばな!男は出来んわ」と、気合を入れた 「母さんも伊織も、私を揶揄して楽しいですか?……」と、瑛太は苦笑した 康太は瑛太を見詰め……苦言を呈した 「瑛兄、冗談でも、冷やかしでもねぇ、現実問題だ 今度のエッチは見せてもらう。 必ず男を作らねば、飛鳥井は軌道に乗らねぇ 京香が帰って来てから、やるセックスには介入する それが、出来ねぇなら、最悪、オレが抱く……この血を遺すか?」 「康太……。お前は女で勃起出来るのか?」 「オレは伊織以外は、男でも女でも勃起しねぇ。 だが伊織に抱かれてれば勃起する。 京香には、その上にでも乗せればOKだろ?」 「康太…」 「それとも、弥勒にしたように、二人の目の前で交わろうか? オレを見れば京香は発情するぞ? 瑛兄もだろ?堪らなく股間を直撃され欲しくなるだろ?」 康太は瑛太に流し目を送った 「康太…兄を苛めて楽しいか…」 「苛めじゃねぇよ…瑛兄 それ位切羽詰まってるって思ってくれ 誰にも文句を言わせねぇ!後継者を作る。 それがオレの役目だ でないと百年の時を越えて転生した意味すらない この世でオレの子供は残せねぇ 何故なら無理矢理転生した化け物だからな オレは この世の血など遺せはしない 飛鳥井の人間になって1018歳だぜ。」 康太が吐き捨てると、源右衛門が、 「前世の記憶を取り戻されたか?」 「取り戻すも何も、生まれる前からオレの魂は何も忘れてはいねぇよ 遥か昔の記憶も……総て覚えているかんな」 「そうでしたか…」 「オレは飛鳥井康太 それ以外のモノにはなれねぇ そうだろ?じぃちゃん。」 源右衛門は頷いた 「じぃちゃん、今日、源治が飛鳥井建設に来た 願わくば、総代の座 そして、飛鳥井建設の瑛太の座。」 「愚かな……」 「源治の暴走を止めろ!お前の弟だろ 何とかしろ!」 「愚かよの……我が義弟…」 「飛鳥井の本家からは真贋は出ねぇ 分家の飛鳥井ばかりから、真贋は産まれる 本家がわざわざ自分の子供を養子に出したのに、生まれて来たのは清隆の子供のオレだ。 本家なのに総代まで、分家に取られて、黙っている気はねぇみたいだしな。 この際、本家は要らねぇよな?じぃちゃん? 本家だ分家だと言ってる御時世でもねぇしな」 「禍根を遺すは、災いなり 遺恨を遺して次の世代には引き継げぬ 断つしかあるまいて。」 「ならば、じぃちゃん、掃除しねぇとな。 じぃちゃんが討て お前の手で討ってやるのが情け。」 「…………きっちりとカタを取らさせて貰います。」 源右衛門は康太に頭を下げた 「と、言う事で、オレは山に登る。 そして、飛鳥井家の真贋、最終奥義を修得してくる それを手にすれば、更に化け物になって誰も文句を言わねぇ筈 オレの伴侶は榊原伊織、唯一人 一人が文句を言えば文句は次々に出る そうすれば、男の伴侶と……文句も出る そうなる前に、文句も言えねぇ位の化け物になってくる。」 康太はそう家族に告げた 「オレは飛鳥井康太 今世に産まれて榊原伊織と言う伴侶を得てオレは幸せ者だ。 そして、一生がいて、聡一郎がいて、隼人がいて、慎一と力哉がいる オレは最高に幸せだ。 産まれて来て良かったと、思える程に だから、オレはこの場所を守る 誰にも文句も邪魔もさせない オレはこの手で、掴んだ幸せを守る」 誠四郎は康太を見ていた 康太の瞳は……輝きを増し、雰囲気が少し変わった 圧倒的な瞳の威力が違っていた 「清四郎さん 伊織の生まれた日に笙さんと来てくれて、有り難う御座います オレの愛する伊織の、誕生日をこうして皆で祝えて嬉しいです。」 康太は深々と頭を下げた 清四郎は、康太の手を取り 「康太…伊織と居てやってくれ。 ずっといてやってくれ そして、私達の側に居てくれ」 清四郎の心よりの願いだった 「清四郎さん、オレは伊織と共にあります 伊織を誰にも渡す気はない。 だから、安心して下さい それに、清四郎さんは、年末には近所に来れるじゃないですか! ずっと一緒です オレはこの場所を命を懸けて守る」 康太の言葉に清四郎は、頷いた 騒いで、飲んで、夜は更け 眠った双子を抱え、笙と清四郎は帰って行った そして慎一は聡一郎に、牧場に連れていってくれと、頼み、双子を寝かせに行った この夜は、源右衛門に面倒を頼み、翌朝、聡一郎が、牧場に連れ帰る予定だ 日付が変わる前に、康太と榊原は、部屋に戻った 一生と慎一も部屋に戻り支度をしに行く 取り敢えず数枚着替えを入れて、軽い洗面道具を鞄に入れ、康太と榊原は、軽くキスをして、部屋に鍵をかけた 一生と、慎一も、泊まりの準備を整えて、部屋に鍵をかけ出てきた 覚悟を決めた男達が車に乗り込み‥‥ 闇夜に溶けて消えた

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