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第5話 天使、無意識に誘う
話をまとめてみるとこうだ。
男子高校に留学中のガブリエルも、他の学生と同じように体育の授業を受けるらしい。
それ自体には何の問題もないし、適度な運動は健康的な生活に必要なことである。
ここで問題なのは、ガブリエルがどこで着替えをしているかだ。そして「どこで」だけでなく「どうやって」も問題のようだが。
「着替え中に裸になるのはお前だけか?」
「んーと、あまり周りを気にしたことがないので分かりません」
「だろうな……」
はぁっとレオは大きく息を吐いた。
クラスメートは20人以上いるらしい。青春期真っ盛りな男子学生に囲まれる中、この天使は体育の授業の度に裸体を披露しているというのだろうか。
「全部脱いでるわけではないよな?」
「あたりまえですよ!下着は脱いでません!」
それは良かった、と素直に喜べないのは、レオの独占欲のせいだろうか。無論、本人はそれに気づいていない。ガブリエルはレオのものではないし、2人は恋人ではない。ホームステイ先のお兄さんと留学生という立場のままだ。
それが変ることはあるかもしれないし、なくても二人は平然とこのままの関係を続けるかもしれない。誰にも未来のことは分からないのだ。そう、この天使にだって未来は未知である。
「もう少しな、隠れて着替えるとか……そうだ!お前だけトイレで着替えるとか、皆がいなくなってから着替えるとかできないのか?」
「できると思うけど、なんで?」
「何でもいいから、頼むから他のやつらに肌を晒すな」
よくわからないが、真剣にお願いをされたガブリエルは、反射的にうんうんと頷いた。
「肌ってここもダメ?」
「っ!」
天使が指さす先に目をやると、桃色の頂が美味しそうに色づいていた。
レオの喉がゴクリと音を立てる。情事後の気怠さを残した幼い顔が不思議そうに首を傾げてこちらを見つめていた。
「そこは一番ダメだ」
「一番?順番がついてるんですか?じゃあ、二番はどこ?」
そういうことではない、とツッコミたいが、それどころでないことを目の前の天使がやっていた。
横座りした太ももの付け根はかぶりつきたくなるほどで、そこを辿れば見つかる性器はふにゃりと垂れているがレオに触ってくれと誘っているようで仕方がなかい。
それもこれも、レオの幻覚だろう。
ガブリエルにはそんな気など全くないのだから。
「二番目はここだ」
「んんっ!ぃやん、触ったら気持ちよくなっちゃうっ」
「だから、他の奴には見せちゃいけないんだ」
「んっ、分かりましたっ!ねえ、やめないで?もっとちょうだい?」
何の話をしていたのか、重要な話だったような気がするがガブリエルは一瞬にして忘れてしまった。柔らかい性器を揉まれ、フニフニと擦られていくうちに体の芯が熱くなってもっと欲しくなってしまう。
無意識無垢な天使は、一度快感を経験すると癖になるらしい。
その証拠に、ガブリエルは何度も何度もレオにねだった。
「レオさんも一緒に気持ちよくなりましょ?」
レオは大きくため息をつき色白の天使をベッドに押し倒すのだった。
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