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【17】-6

「玲……、あいつは、玲の何なんだ?」 「何って……」  幼馴染みで雇用主で、居候をさせてくれている家主である。 「昔から、お世話になりっぱなしで……」  おもむろに起き上がり、ベッドの上に正座して話した。 「恋人ではなかったのか」 「だから、ヘンなこと言うなってば。拓馬は、拓馬だよ。恩人で、親友で、兄弟みたいなもの」 「つまり、きみは……」  処女なのか、と暗に聞かれる。この場合の処女とは、後ろのことである。玲は目を逸らして頷いた。 「そうか……」  胡坐をかいた周防は、頭を抱えてうなだれた。紺のビキニで覆われつつも、ビミョーに覆い切れていない股間に目が勝手に吸い寄せられる。  あれは、無理だ。  入るわけがない。無意識に思った。  それなのに、それから数分後、周防にポンとパジャマを投げるように渡されると、なぜか少し寂しくなった 「着なさい。ヘンなことを疑って、悪かったね」  同じパジャマに袖を通している周防を見上げ、ぽつりと呟く。 「やっぱり、しないんだ……。俺が、男だから……」 「玲……」  周防の動きが止まり、奇妙に歪んだ顔が向けられる。 「玲……、さっき、あんなに泣いてただろう」 「泣いてない」 「嘘を吐くな。きみは、僕にどうしろと……」 「だって……」  周防のものになれば『サンドリヨンの微笑』を返すと言った。だったら、周防にとって玲にはそれだけの価値があり、それくらい玲を抱きたいと思ったということではないのか。

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