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 テレビの情報がネットのものよりも数日遅れることがよくある。周防家が非公式なコメントで「これ以上騒ぐのはやめてほしい」と要望を出してからも、花嫁探しに関する報道は続いていた。  朝食のトーストをかじりながら、玲は無言で画面を眺めていた。  パーティーの時に撮られたものなのか、周防と歓談する女性たちの姿が映しだされ、何人かはその経歴も含めて詳しく紹介されていた。  「レイ」の姿はない。  一向に進展しないシンデレラ探しよりも、華やかな令嬢や著名人を特集するほうが面白みがあるのだろう。  この中の誰かが周防の心を射止めたのだ。「レイ」ではない誰かが……。  「レイ」になって会いに行く勇気もないくせに、「レイ」を待ち続けない周防の裏切りに腹が立った。  性格が悪くて、何を考えているのかわかりにくくて、意地悪なところがあって、「たらし」で、めんどうくさくて、へんな勘違いをする男。  玲にキスをして、本当に抱く気もないくせに自分のものになれと言う男。  全然、好きじゃない。 「大嫌いだ……」 「玲、大丈夫か?」  拓馬に聞かれて、テレビから視線を移す。 「何が……?」 「おまえ、泣いてるぞ。顔色もめっちゃ悪い……」 「え。泣いてないし……」 「疲れてるんだな」  眉間に皺を寄せた心配顔で頷かれた。 「最近、あんまり眠れてなかったろ。『サンドリヨンの微笑』のこととか、なんだかんだ、気になって」 「あ。そう言えば、ネックレスのこと、何か言ってきた?」

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