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【25】-4

 玲は周防を見上げ、そして自分からその身体に腕を回した。 「玲……」 「トモ……、それって……、今から、俺に、えっちなことするってこと?」  周防は一つ息を吐き、「そうだね」と肯定の言葉を囁いた。 「したい。してもいい? 玲……」  泣きそうになりながら、黙ってこくりと頷いた。 「や……」  濡れた服を脱いで浴槽に身体を沈めた時は、まだ余裕があった。スーツをハンガーにかけた周防が後から入ってきたが、男同士だと思えばそれほど抵抗も感じなかった。  大人が三、四人くらい一度に入れそうな浴槽で、周防と向かい合う。  抱き寄せられて、ドキドキした。キスをされると息が上がり始めた。そのキスが徐々に深くなった時、足の間を漂っていた敏感な雄が触れ合った。 「あ……っ」  唇を解くと、喉から吐息が零れる。  玲のその場所はすっかり芯を持っていて、少し触れただけで腰が砕けて蕩けそうだった。透明な湯の中に視線を落とすと、長さも太さもこんなのアリなのかと疑いたくなるような、非常に立派なものが揺蕩(たゆた)っていた。  周防が玲を引き寄せ、唇を重ねる。  膝に乗せるようにして身体の距離を縮め、尻の下に熱いものを押し当てた。そのまま深く舌を絡めてくる。綺麗に割れた腹筋に、玲は自分の熱を擦りつけた。 「あ、ん……」  男女関係なく、玲には初めての経験だった。未知の世界への戸惑いと、快楽に身をゆだねることへのわずかな羞恥と、自然に湧き上がる欲望とが複雑にせめぎあう。  周防の首に腕を回し、ちゃぷちゃぷと湯を跳ねさせて抱き合っていた。

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