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【25】-5

「出よう」  周防が言った。 「このまま続けたら、身体がふやける」  先に湯から上がった周防が玲の身体を大きなバスタオルで包んだ。そのままお姫様抱っこをされて慌てる。 「あ、歩ける……っ」 「知ってる」  ガラス張りの浴室からほのかな灯りを点した寝室のベッドまでは数歩の距離だ。結局途中で下ろされることなく、広々としたマットレスの上に横たえられた。 「さすがに、ちょっと重かった」 「当たり前だよ」 「玲、育ったな」  口元に笑みを浮かべ、黒い瞳が見下ろす。  キスを落としながら、周防はゆっくりと玲のタオルを開いた。胸と腹を何度も撫でる。薄い胸の上を移動していた指が、小さな尖りをそっと弾く。 「あ……、ん」  きゅっと摘ままれて、息が乱れた。 「そ、そんなとこ、触るの……、楽しい?」 「楽しいよ……、なぜ?」 「だって……、ぜんぜん……」  何も、ないから。玲は、少し拗ねた気分で横を向いた。  パーティーでキスをした時、周防は「レイ」の胸に触れようとした。なんだかんだ言っても、やはり女性の身体のほうが魅力的なのではないかと、不安になる。  あの時触ろうとしていたと指摘すれば、周防は平然と「何を詰めているのか、確かめたかっただけだ」と言った。 「あまり中身はなかったな。ちょっと押したら、パコパコしていた」  言葉を失う。あの時に玲が感じた、背筋をさーっと冷たいものが流れてゆく恐怖はなんだったのだ。

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