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【25】-8

 身体を揺らすと、膨らみが硬度を増してゆく。擦り合うだけで達してしまいそうだった。 「ああ……、トモ、トモ……」  突然、周防が身体を離した。 「トモ……?」 「このままじゃ、無理だ」  必要なものがあると言って、仄暗い寝室から明るいバスルームに向かう。逆光に浮かぶ美しいシルエットを目で追った。周防は何かを手にして戻ってきた。  紫色のボトルと象の絵とXLという文字が書かれた黒っぽい箱だった。  無防備な状態で見上げていると、「また、泣くかな」と困ったように笑われた。 「泣いても、もうやめてやれないけど……」  玲の上に覆いかぶさりながら、ひっそりを囁く。 「やめないよ、玲?」  こくりと頷き、周防の首に手を伸ばした。  周防も玲を抱きしめる。唇を重ね、尻の(あわい)を指で探った。玲は黙って周防の肩に摑まっていた。 「あ……」  固く閉じた蕾を指が何度か確かめる。周防はボトルの蓋を開けて、液体を手に取った。それを丁寧に馴染ませ、無垢な入り口に再び指を忍ばせてきた。 「ん、あ……」 「怖がらなくていいよ、玲。大丈夫……。優しくする……」  周防の肩に額を押し付け、目を閉じた。  指が一本埋め込まれる。粘膜を擦られる感覚は、思ったよりも嫌なものではなかった。それが周防の指だと思えば怖くもなかった。 「玲、いい子だ」  額や頬や鼻の頭にキスを落とし、空いているほうの手で身体中に宥めるような愛撫を繰り返しながら、長い時間をかけ、とても丁寧に、周防は玲の身体を開いていった。

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