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王子様も眠れない(5)

 それどころか……。  少しも変わらない恋人を前に、周防にはある悩みがあった。  変わらないどころか、玲は……。  誰かに聞いてほしい。だが、ちょうどいい相手が見つからない。  浴室に移動し、せめて丁寧に身体や髪を洗ってやろうと、玲の頭を泡だらけにしながら、周防はふとある男の顔を思い浮かべた。  あの男なら……。  機会があったら話してみよう。  やわらかい髪を丁寧に梳きながら、周防は心に決めた。  この甘い衝動と悩みを誰かに話さなければ、胸の痛みと苦しさで自分はどうにかなってしまうだろう。   ※ 後編に続きます。

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